【詳細】映画『遺書、公開。』堀未央奈 インタビュー

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2025-02-13 19:00:00
陽東太郎による『遺書、公開。』(ガンガンコミックスJOKER)を原作とし、その奇抜な設定に惚れ込んだ鈴木おさむが手がけたシナリオを、『東京リベンジャーズ』シリーズ(21・23)、『賭ケグルイ』(18〜21)など群像劇に定評がある英勉監督が実写映画化。主演の吉野北人(THE RAMPAGE)ほか、宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、髙石あかり、堀未央奈ら若手かつ実力派が勢揃い!映画『遺書、公開。』は大ヒット、公開中。

新学期の春、2年D組に送られてきた〈序列〉ーそこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。序列1位の姫山椿は優しくて人気者、誰もが認める優等生。だがある日、彼女が何の前触れもなく自殺する。数日後、クラスの全員に姫山から遺書が届き、その日から学級崩壊が始まるー。果たして生徒たちが最後に待ち受けるものは…!? 序列がもたらす人間の本性を描いた、衝撃のドス黒エンタメミステリーが誕生。

あなたは、誰を信じますか? 遺書が告げる、衝撃の真実。
笑顔の裏に隠された、もう一つの顔が徐々に明らかに!

今回本作で序列1位の姫山椿を演じた【堀未央奈】を直撃!乃木坂46でセンターからスタートし、今回の役と重なる部分が多かったという堀。撮影中大変だったシーンや、クラスメイト役の方々から刺激を受けた点のほか、高校時代にやっておいてよかったことや、メイクにハマったきっかけ、もし若手俳優の中で何かの分野で1位になれるとしたら?、さらには学校生活で悩んでいる読者に向けた温かなメッセージも寄せてくれたよ!
Q.公式HPやSNS、予告などで堀さんのキャラクター設定やビジュアルが公開されました。ファンの方々からの反応をどのように受け止めましたか?

堀未央奈(以下、堀):出演を喜んでくださったファンの方々も多いですし、結構印象的な役というか、衝撃的なシーンが多い役なので、私がどう演じるのか、皆さんたくさん期待してくださっているなと感じます。

Q.英勉監督と初めてお会いした際に、ご自身の今までの出来事や思いを深くお話しされたそうですが、それによって自分の中の何かが役に反映されたなどはあったのでしょうか?

:そうですね。ワンシーンごとに監督がすごく寄り添ってくださって。私以外にも、キャスト全員に監督が密に寄り添って、一緒に戦ってくださった作品でした。「椿ちゃん、ここはすごく無邪気でいいかもね」とか「ここは素の部分というか、誰にも見せない部分かもしれないね」と、自分の分析では足りない部分を監督がさらっと付け足してくれる環境だったのですごくやりやすかったですし、楽しく演じられたと思います。
Q.「原作を読んで姫山椿役に一番憧れた」そうですが、具体的にどういう部分に惹かれたのでしょうか?

:比較的似ている部分が多い役というのが、私にとっては珍しくて。椿ちゃんは、自分の意図していないタイミングで序列1位にされて。嬉しい反面、戸惑いみたいなものもあると思います。1位だからということで、いろんな人にいろんな目で見られたり、勝手に解釈されたりという場面が多いのですが、私も乃木坂46に加入して、センターからスタートしていて。もちろん嬉しいことではあるのですが、一般人として普通に過ごしていた16歳の私が背負えるものではなかったので、戸惑いもありましたし、「センターならすごい子なんでしょ?」みたいに見られることが苦しかった時期もあったので、共感する部分が多かったです。

Q.当時のご自身の環境と今回の役が、状況として重なるのですね。

:本当にそうですね。私よりも椿ちゃんのほうが、根が明るいのですが(笑)、そういった部分もステージ上に立っている時の自分と重なる部分があったので、結構共感する点が多かったです。「1位としてみんなの期待に応えよう」みたいな部分が、演じていてすごくありました。
Q.撮影中に印象に残ったシーンや、大変だった部分について教えてください。

:クラスメイトとの回想シーンが多いのですが、私は1対1でのシーンが多くて。個人個人との出来事を撮影することが多かったのですが、私自身結構人見知りなんですよ。なのでそこを出さないように、姫山椿として、近い距離感でも1対1で向き合えるように気合いを入れて頑張りました。傷つくことをされたり言われたりするシーンもあるのですが、10代の私だったらきっと、椿ちゃんと同じように素直に傷ついたと思うのですが、今の私だったら多分やり返すので(笑)、我の強さを出さないように、私は椿ちゃんだというのを常に持ちながら演じるよう意識しました。監督も私の気の強さを知っているので「椿ちゃん、落ち着いて」みたいな(笑)。カメラの前では意識して最後まで演じようと心がけました。
Q.今回クラスメイト役の方々と共演して刺激を受けた部分や、クラスメイトの中で心惹かれたキャラクターについて教えてください。

:本当に全員印象深くて。演じている時も印象的だったのですが、完成した映像をスクリーンで観た時に、全員の印象がより濃く残ったなと思いました。みんなが主役のような濃いキャラクターだったので、一番この人だ、みたいなものは決められないのですが、特に衝撃だったのは、(浅野竣哉さん演じる)黒瀬。本当にキャラが濃くて。私、面白い人が好きなんですよ(笑)。人として面白い人に対してすごく興味を持つので、クランクインの時からすごく質問していました。初めてツーショットを撮ったのも黒瀬です(笑)。席も近いし、仲良くなりました。「黒瀬砲」を放つなど、めちゃめちゃ強烈で面白い役なので、そこをあれだけ徹底して演じているというのは本当に面白いというか、見習いたい部分がたくさんありました。

Q.撮影現場も、和気あいあいとした雰囲気だったのでしょうか?

:人見知りの割に意外といろいろ話せたような気がします。廿日市役の志田彩良ちゃんとか、撮影後の打ち上げで仲良くなった子もいて。撮影中は一緒のシーンがなくて、挨拶などちょっとした会話しかできなかったのですが。撮影中一緒にいたのは(髙石)あかりちゃんと(星乃)夢奈ちゃんです。同じシーンが多かったので本当に学生生活を送っている感じで、3人で写真を撮ったり、ご飯を食べたり、一緒に帰ったりしていました。3人でいると、めっちゃ賑やかでした(笑)。学校みたいに仲のいい子がどんどんできていって、懐かしさを感じました。
Q.撮影中、吉野さんとはどんなお話をしていましたか?

:あまり話していないかな。吉野さんは多分、まったりおっとりマイペースな方なので。私も基本的に根はそうなんですよ。仕事となると結構せっかちというか、完璧主義なのですが、家にいる時は本当にボーッとしていて、ずっとソファーにいる感じなんです。吉野さんとのシーンの時も、2人ともボーッと座って桜の木を見て、という感じでしたね(笑)。

Q.序列を扱った作品ですが、もし若手俳優の方々の中で、何かの分野で1位になれるとしたら、何の1位になれそうだと思いますか?

:なんだろう?

Q.みんなよりたくさんやっていることとか、たくさん持っているものなどはありますか?

:ポン酢の消費量じゃないですかね(笑)。お鍋をよく食べるので、ポン酢を使うんですよね。味が薄くなってきたらポン酢を加えるので、大きいポン酢のボトルを半分は絶対使います。家にストックがたくさんあって、めちゃめちゃポン酢を消費しているので、多分ポン酢の消費量は1位だと思います(笑)。
Q.堀さんのYou Tubeチャンネルで、メイクにこだわっている様子を拝見しました。メイクにハマったきっかけを教えてください。

:やはり自分でメイクをする機会がアイドル時代から多かったので、そこでコンプレックスと向き合って、自分のコンプレックスをどういうふうにメイクで解消していくかみたいな研究から始まって。大量のメイク道具を毎回現場に持っていって、すごく時間をかけて、その時の歌番組や衣装、作品の内容に合わせてメイクを変えていたので、メイクで自分に自信を持てるようになりました。メイク一つで印象も変わるというのが、映像作品とも似ている部分です。役に合わせてメイクや髪型を少し変えると、雰囲気もすごく変わるので、そういうちょっとした変化みたいなものがすごく楽しくて好きです。プライベートでもお仕事でもいろんな自分になれるというのは、メイクの楽しいところだと思います。

Q.15歳から25歳の方に、おすすめのメイクはありますか?

:情報社会なので、「これが好き」「これが合う」など、皆さん自分に合ったものを結構見つけているのではないでしょうか。今、パーソナルカラーや骨格診断などで「イエベだから、骨格ストレートだからこれは合わないよ」などと言われてしまうこともあるかもしれないですが、本当に自分がやりたいメイク、髪型を尊重してほしいです。「人にこう思われてしまうかも」という理由で、変えてほしくないというか。自分がやりたいメイクや髪型をするべきだし、誰かのためにというより自分のためにやってほしいと思います。
Q.高校生の読者も多いのですが、もし堀さんが高校生に戻れるとしたら、また乃木坂46に入ってアイドルを目指しますか?

:そうですね。同じ道を選ぶと思います。大変さの中に学びがあったし、今の自分に繋がっていると考えると、過去の出来事は全部大切なことなので。

Q.高校時代にアイドル活動以外の部分で「これをやっておいてよかった」とか「これをやっておくといいよ」などはありますか?

:アルバイトですね。社会勉強になりましたし「こういう接客をするとこういうふうに言ってもらえるんだな」と接客側でわかるので、いざ自分がお客さんとしてお店に行った時に「こういうことはやめよう」「こういうふうに伝えよう」、逆に接客態度のよくない店員さんを見ると「もう少し頑張ってほしいな」と思うようになりました。人を客観的に見られるようになるので、バイトは人格形成がされやすいです。高校生の時にやっておくのはすごくいいことだと思います。

Q.相手の立場になって考えられるようになりますよね。

:そうですね。あとは、お金を稼ぐのってすごく大変なんだなと。自分で経験しないとわからないと思うので、携帯代だけ、学費だけでもバイト代で払ってみようと目標を決めて、親のありがたみや、お金の大切さを学んでおくのがすごく大事だと思います。人間関係などもバイトを通してどんどん学ぶというか広がっていくと思うので、ぜひやってほしいです。
Q.本作を観る人に、どのようなメッセージを届けたいですか?

:衝撃的な内容ではありますし、人間の裏の顔、本性みたいなものが強く描かれているので、ショッキングに思う方もいるだろうし、もはや人間不信になってしまうような内容でもあるのですが、その中で椿ちゃんなりに伝えたいメッセージがあります。ただ怖い、ひどいみたいな黒い部分だけが描かれているわけではなく、全体を観ていただいて「自分はもっと人にこういうふうに声をかけてあげられるかも」「もしかしたらこういうふうに接してしまっていたかも」とか、自分の人間関係を客観的に見つめるきっかけにもなると思います。学校が舞台ではありますが、社会に出ても一緒のことだなというか、何気ない一言や行動で誰かを追い詰めていることって結構多いと思うので、そこを改めて考え直すきっかけになればと思います。他力本願ではなく、自分でちゃんと責任を持って生きていくというのはすごく大事なことなのだと、遺書を公開し合うシーンを見て思いました。
Q.クラスでの立ち位置や居場所などを気にしている読者も多いです。また「学校生活で悩んでいる時に、芸能人の方々のインタビューを読んで救われる思いだった」という方も多いです。読者に向けて、メッセージをお願いします。

:私自身も学生生活の中でいろんな経験をして、いまだに思い出すこともたくさんあるのですが、そういう経験をしたからこそ、人に優しくできるというか「こういうことは言っちゃいけない、しちゃいけない」とわかる大人になれました。やはり傷つけば傷つくほど理解できるようになるのではと思うので、辛い経験や思いも、いつかは自分の強みになったり、逆に誰かを支えたり、励ます側になれるんだよと伝えたいです。学校は狭い世界なので「このままこういう人生を送るのかな」と思ってしまうかもしれないですが、社会に出ればまた違います。傷つける側になるより傷つけられる側のほうが、学ぶことが多くて、結果的に人に寄り添えるんですよね。私みたいに強い大人になれるので、安心してほしいなと思います。

周りからすると些細なことであっても、本人はめちゃめちゃ傷ついたり気にしたりすることもあると思うのですが、大人になっていくと、そんなことも気にしていられないくらいいろんな出来事があって、繊細だった中高時代が懐かしくなったりもします。今できること、大人になってから役立ちそうなことを勉強してみるとか、そういうことに目を向けて過ごしてほしいです。

Q.傷ついた経験も、未来の自分のためには必要なのですね。

:私の周りもたくさん苦労してきた友達のほうが話していて中身があるというか、人間として尊敬できる部分が多いので、やはり経験ってすごく大事だし、負けないぞという気持ちで頑張れる人がどんどん強くなっていくと思うので頑張ってほしいです。

ありがとうございました。

[プロフィール]
堀未央奈
1996年10月15日生まれ、岐阜県出身。
2013年に2期生として乃木坂46に加入。7th シングル「バレッタ」にて初選抜にして初センターを務める。映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』(監督:山戸結希)にて初主演を務め、数多くのドラマにも出演。2021年3月をもって約8年間活動した乃木坂46を卒業。卒業後もドラマ『サレタガワのブルー 』(21)など俳優として様々な作品に出演。

田中征爾監督の映画『死に損なった男』(25)の公開が控えている。

また、主演ドラマ「女優めし」がFODにて3月下旬配信予定。

ストーリー

新学期の春、2年D組に送られてきた〈序列〉ー
そこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。
序列1位の姫山椿は優しくて人気者、誰もが認める優等生。だがある日、彼女が何の前触れもなく自殺する。

数日後、クラスの全員に姫山から遺書が届き、その日から学級崩壊が始まるー。果たして生徒たちが最後に待ち受けるものは…!?

主題歌予告編


映画概要


【遺書、公開。】
大ヒット、公開中。
出演:吉野北人 宮世琉弥 志田彩良
松井奏(IMP.) 髙石あかり 堀未央奈 忍成修吾
上村海成 川島鈴遥 荒井啓志 松本大輝 星乃夢奈 榊原有那 藤堂日向 菊地姫奈 大峰ユリホ
阿佐辰美 兼光ほのか 日髙麻鈴 大東立樹 金野美穂 鈴川紗由 浅野竣哉 青島心 楽駆
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
企画製作:HI-AX
製作プロダクション:ダブ
配給:松竹

<原作情報>
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©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX

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