【詳細】『映画 ギヴン 海へ』矢野奨吾、浅沼晋太郎 Wインタビュー

印象的な歌声を持つ佐藤真冬と、高校生離れしたギターの腕前を持つ上ノ山立夏の出会いから始まる、ロックバンド「ギヴン」のメンバーを中心とする⻘春模様を描いた『ギヴン』。原作者キヅナツキにより、「シェリプラス」にて連載がスタートし、“ノイタミナ”初となるBL コミックのアニメ化作品として、2019年にTVアニメが放送開始。その後、中山春樹と梶 秋彦、村田雨月の甘くて苦い恋模様を描いた『映画 ギヴン』(2020年)が公開され、ミニシアターランキングで5週連続の1位を記録するなど大反響を呼んだ。今年1月には、映画2部作前編となる、真冬の幼馴染である鹿島 柊と八木玄純の物語にフォーカスした『映画 ギヴン 柊 mix』が公開。Filmarksの「初日満足度ランキング」にて第1位を獲得し、SNSでは“おかわりギヴン”という言葉が現れるなど、リピーターが続出!ファンを熱狂の渦に巻き込んだ。そして、ついに映画2部作の後編かつ、シリーズ完結編として、本日9月20日(金)より『映画 ギヴン 海へ』が公開!

バンド「ギヴン」のメンバー 佐藤真冬役に矢野奨吾、上ノ山立夏役に内田雄馬、中山春樹役に中澤まさとも、梶 秋彦役に江口拓也。バンド「syh〈シー〉」のメンバー鹿島 柊役に今井文也、八木玄純役に坂 泰斗。秋彦のかつての恋人で、大学生でありながらプロとして活躍する天才ヴァイオリニスト 村田雨月役に浅沼晋太郎。主題歌は、TV アニメ『ギヴン』OPテーマとなったシングル「キヅアト」でデビューし、『ギヴン』シリーズと寄り添い続けたセンチミリメンタルが担当。センチミリメンタル・温詞が大切にしてきた楽曲「結言」でシリーズを締めくくる!

今回本作で、バンド「ギヴン」でボーカル&ギターを担当する、印象的な歌声の持ち主・佐藤真冬を演じた【矢野奨吾】と、大学生でありながらプロとして活躍する天才ヴァイオリニスト・村田雨月を演じた【浅沼晋太郎】を直撃!出演してきて感じたアニメ『ギヴン』の魅力や、.真冬と雨月の関係について思うこと、歌唱シーンを演じて声優として成長できたと感じる部分、高校生活や大学生活を振り返ってみて、作品に出会って得たもの、SGS読者に向けて原宿周辺で思い出のある場所など、ファン必見の秘エピソードが盛りだくさん♪
Q.今年1月に映画2部作の前編『映画 ギヴン 柊mix』が公開されました。ファンの方からの反響をどのように受け止めていますか?ファンの方からいただいた感想で、心に残っているものはありますか?

矢野奨吾(以下、矢野):「(今井文也さん演じる)柊は歌が上手い、可愛い」というような感想もたくさんありましたね。柊のバンド「syh〈シー〉」に立夏を取られたという真冬の気持ちも相まって、僕はジェラシーを感じております(笑)。

浅沼晋太郎(以下、浅沼):僕は本編には出ていないのですが、特典映像で高校時代の様子が秋彦と一緒にちらりと出ていて。前々回の映画で退場だと思っていたファンの方々からは「お帰りなさい」と言われました(笑)。
Q.これまで出演されてきて感じたアニメ『ギヴン』の魅力について教えてください。

矢野:収録の時から、僕たちの距離感すらもお芝居として残していきたいというスタッフ陣の思いがあって。リアルな描写を大事にしている作品だと思いますし、日常の何でもないシーンがすごく大切だと思う作品です。それがあるからこそ、盛り上がりを見せるシーンが活生きてくるんだろうな。日常を切り取ったようなシーンの積み重ねが、ドラマを生み出していると考えると、すごく繊細な作品で、誰もが共感するような恋愛模様が描かれているのが『ギヴン』の魅力だと思います。

浅沼:これほどまでに人と人、音楽との繋がりを丁寧に描いたアニメって、あまりなかったんじゃないかと思っています。音として聞こえてこない部分、目で確認できない部分に、細かなこだわりを感じています。無音や、あるいは会話の間も音として表現しているような、繊細な造りが魅力的です。
Q.真冬と雨月の関係についてはどう思いましたか?

浅沼:テレビアニメの時と、最初の映画と、そして今回。やはり少しずつ関係も変わってきていると感じています。雨月は最初、真冬に対して「なんだろう、この面白い子」という印象だったのですが、そこからだんだん「この子の前だと閉めていた扉を開けるな、誰にも言っていなかったことを吐露できるな」という関係になっていきます。「よき理解者」というと陳腐な言い方になっちゃいますが、信頼していて放っておけない子になっているんだなと。雨月には母性を感じます(笑)。

矢野:ははは(笑)。父性ではなく母性なんですね(笑)。

浅沼:そうかと思えば、手を引っ張る、背中を押すようなシーンもあり、そういうところで微かな変化を感じました。

矢野:確かに、真冬にとっては雨月が唯一の理解者に近いのかなというくらいに、感受性の強い、孤高の天才同士だと思います。似たような存在ではありますが、経験値が違うという意味では、人生の良き先輩なのかな。真冬が抱えている悩みも、雨月はさらっと言い当ててしまう。「もっとこうしたらいいんじゃない?」とか「こう思ってるんでしょ」とか。真冬がずっと抱えている悩みを雨月は理解してくれて、言語化できるみたいな。雨月がいたから真冬は前に進めて、成長できたのかなと思います。
Q.矢野さんは『ギヴン』でこれまで歌唱シーンを演じてきましたが、歌唱力がアップした、リズムにのれるようになった、表現の幅が広がったなど、声優として成長できたと思う部分について教えてください。

矢野:全部であってほしいと願うばかりなのですが(笑)、最初の「冬のはなし」という楽曲のレコーデイング前に練習があったんですけど、僕の表現が及第点に足りていなくて、ディレクターさんが「どうしたものか」と悩むくらいだったんですよ。そこからセンチミリメンタルの温詞くんとディスカッションしながら「冬のはなし」を作り上げていって、僕自身、歌唱が得意ではなかったのですが、ただ「真冬の気持ちをこう伝えたい」という感情だけはあって。温詞くんが真冬というキャラクターをすごく理解されていて「矢野くんの伝えたい気持ちを音楽に昇華する時は、こういう表現にするとうまく伝わるよ」と。いろんな曲を歌わせていただいて、ライブもやらせていただく中で、温詞くんの歌唱表現に影響を受けて、少しは成長できているのかなと思います。
Q.ご自身を振り返ってみてどのような高校生活、大学生活を過ごしていましたか?

矢野:浅沼さんの学生時代の話、とても気になります!

浅沼:僕は出身が岩手の盛岡なんですけど、仙台市内の高校に入学して一人暮らしをしていました。進学クラスに入ってしまったので「とにかく受験勉強!」みたいな雰囲気に馴染めなくて学校をサボリがちで。雨が降ったら休んで、曇りだったら遅刻してという「南の島のハメハメハ大王」の歌詞みたいなことをしていました。3年生の時に実家に強制送還されて(笑)、1年間だけ盛岡から仙台まで新幹線で通っていたんです。学割定期券を使うと、金額的には一人暮らしするのとそんなに変わらなかったんですけど、朝5時起きが辛くて。進学コースでは「部活もあまり推奨しない・アルバイトは基本認めない」という暗黙のルールがあった中、「部活みたいに体を動かしてお金をもらえて、顔を隠せるなんてラッキー」と思って着ぐるみショーのバイトをして。レンジャーやライダーになったりしてアクションしていました。その経験が後にヒントになって、着ぐるみショーの裏側を書いた舞台を作ったりしました。

大学の時は映画監督になりたくて東京の美大に進学して、毎日学園祭のような雰囲気の学校で、ずっとものづくりをしていました。今ってSNSが生活に根付いていて、僕が学生の時なんかに比べて情報に傷つけられることや、落ち込むことも多いでしょうけど、好きなものに夢中になる時期ってとても大切だと思います。僕等のように大人になると、一人でなんとかしなきゃいけないことがたくさん増えてきますけど、学生の方は今のうちにたくさん失敗しておくことも大事ですね。
矢野:今の話を聞いて、雨月は浅沼さんそのものだと思いました(笑)。以前浅沼さんと一ヶ月間一緒にお芝居を作ったことがあったのですが、コントみたいに笑いが生じる演技がなかなかできなかった時に「こうやってやるんだよ」と実際にやってくださって。それが本当に面白くて「もう学校の講師じゃん」と。説得力が生まれているのは、こういう過去があるからだと納得できました。

僕は本当にありふれた学校生活で、女の子からモテるにはどうしたらいいかを男同士でずっと話していました。小さい頃はサッカーをやっていて、中学では野球部、高校からまたサッカー部に入って。坊主頭にしたくなかったのと、サッカー好きということプラス、サッカーは女の子にモテるだろうというのがあったので。そのくせ、文化祭など男女で共同作業をする唯一の機会では恥ずかしがってやらなくて。こじらせた学生生活でした。

浅沼:ザ・思春期だね(笑)。

矢野:大学ではボールを見るのが嫌になって、演劇サークルに入って。サークルでもモテることはなく、おかげでお芝居に没頭できました。大人になってからは、学生時代のようにバイタリティを持ってやれることが少なくなってきます。学生生活で今やっていることを後悔のないように、後から恥ずかしかったなと思ってもいいから、とりあえず全力でやったほうがいいんじゃないかなと思います。
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。原宿周辺や都内で、好きな場所や思い出の場所はありますか?

浅沼:大学を卒業してすぐ、表参道にあったデザイン事務所でコピーライターをしながら舞台の脚本を書いていたので、すごく思い入れがあります。裏原宿辺りの洋服屋さんとか、夜遅くまで営業しているカフェとか。仕事終わりにそのカフェで塩昆布のチャーハンを食べるのが自分にとってのご褒美だったし、原宿の路地裏にある餃子屋さんにもよく行っていました。今でもその餃子を食べるとあの頃を思い出します(笑)。
Q.本作でシリーズ完結を迎えますが、『ギヴン』という作品に出会って得たものについて教えてください。

浅沼:音楽だって人だって、好きになっちゃいけないものなんかないんだなと。テレビアニメの時から思いました。それをすごく感じさせてくれる作品でした。

矢野:好きなものは好きと言っていいし、好きなものがあるからこそ嫌いになったりする。人間ってそうやって成長していくんだな…と。『ギヴン』は少年たちが大人になっていく物語だと思うのですが、同時に僕も真冬たちと一緒に成長させていただきましたし、『ギヴン』は人を頼ることの大切さについても伝えていると思います。「まるつけ」という曲があるのですが、人生がまるかバツかを決めていくものだとしたら、自分だけでまるバツを決めるのではなく、人からまるバツを付けてもらうことも時にはありだと思うので、人に頼ることがあってもいいんじゃないかなと教えてもらいました。

ありがとうございました。

[プロフィール]
矢野奨吾
3月19日生まれ、徳島県出身。
2020年「声優アワード」新人男優賞 受賞。
趣味はフットサル、ギター、お酒。
特技はアクロバット、スポーツほぼほぼ全般。


浅沼晋太郎
1月5日生まれ、岩手県出身。
多摩美術大学卒業。脚本家・演出家・俳優・コピーライターとして活動。
2006年『ZEGAPAIN-ゼーガペイン-』主人公のソゴル・キョウ役をきっかけに声優としても活動を始める。
2007年より、エンターテイメント・ユニット 『bpm』に参加。bpm作品の全脚本と演出を担当する。
舞台作品以外にも、映像脚本、イベント用脚本、CDドラマ脚本も執筆。

本予告



<INTRODUCTION>
佐藤真冬と出会い、上ノ山立夏は再び音楽への情熱をかき立てられた。
真冬の歌、立夏のギター ――⻭車が動き出したバンド「ギヴン」だったが、真冬の過去、立夏への想いが再び交錯するとき、2人の距離はまた開き始めてしまう。

原作は「シェリプラス」(新書館刊)にて、2013年にキヅナツキが連載を開始した『ギヴン』。
フジテレビ“ノイタミナ”初となるBL コミックのアニメ化作品として、2019年にTV アニメが放送、続く2020年にシリーズ初となる『映画 ギヴン』が公開。
翌年2021年には実写ドラマ化、舞台化もされた大人気⻘春バンドストーリー。

そして、待望のアニメ続編となる映画2部作前編『映画 ギヴン 柊 mix』が2024年1月に公開し、後編『映画 ギヴン 海へ』が2024年9月20日に公開決定。

――音楽が繋ぐオルタナティヴ・ラブ、ついに完結!

<STORY>
佐藤真冬、上ノ山立夏、中山春樹、梶 秋彦のバンド「ギヴン」は、フェス出場をかけたコンテストに落ちるも、メジャーデビューへの誘いがかかる。各メンバーがデビューに前向きな姿勢を見せる中、真冬は答えを出せずにいた。

一方、メジャーデビューを決めた鹿島 柊と八木玄純のバンド「syh〈シー〉」。
一時的なサポートギターとして加入していた立夏は、柊から託されたある曲を完成させようとしていた。

そんな中、立夏のもとに真冬から「あいたい」と連絡がくる。
ただならない雰囲気を感じた立夏は真冬のもとに駆けつけるが、真冬の音楽を拒むような態度に気づいてしまう。

立夏への想い、音楽への想い。
さまざまな気持ちの前で戸惑い、立ち止まってしまう真冬。
そんな彼に声をかけたのは、世界的に活躍するヴァイオリニスト・村田雨月だった。

映画概要


【映画 ギヴン 海へ】
絶賛上映中!
<CAST>
佐藤真冬:矢野奨吾
上ノ山立夏:内田雄馬
中山春樹:中澤まさとも
梶 秋彦:江口拓也
鹿島 柊:今井文也
八木玄純:坂 泰斗
村田雨月:浅沼晋太郎

<STAFF>
原作:「ギヴン」キヅナツキ(新書館「シェリプラス」連載)
監督:橋本能理子
脚本:綾奈ゆにこ
キャラクターデザイン:大沢美奈
総作画監督:山形孝二/二宮奈那子/永田陽菜/大沢美奈
美術監督:NGUYEN THI THANH CUC/別役裕之
色彩設計:加口大朗
撮影監督:中川せな
CG監督:水野朋也
編集:伊藤利恵
音響監督:菊田浩⺒
音楽:未知瑠
アニメーション制作:Lerche
主題歌:センチミリメンタル「結言」(EPIC レコードジャパン)
配給:アニプレックス

公式サイト:『映画 ギヴン 海へ』
公式X:@given_anime

©キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会

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