【詳細】劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』 高杉真宙インタビュー

Interviews 映画 アニメ
2018-08-24 17:51:00
その衝撃的なタイトルで発表直後から大反響を呼び、累計発行部数260万部を突破(住野よるの小説デビュー作)、2017年には実写映画化を果たし大ヒットを記録した『君の膵臓をたべたい』が、劇場アニメーション作品として、この秋スクリーンに帰ってくる。

他人と関わることを避けるように、いつもひとり本を読んでいる高校生「僕」は、病院で「共同文庫」という名の一冊の文庫本を拾う。それは、同じクラスの人気者・桜良の家族以外誰も知らない秘密(膵臓の病気で余命いくばくもないこと)がつづられた彼女の日記帳だったー。

劇場アニメである本作では、そんなタイトルからは想像し難いほどに切なく儚い「僕」と桜良の瑞々しい関係性やその後に待ち受ける残酷な現実、そしてそこから前を向き強く生きていく人々の姿を、アニメーションならではの映像美により幻想的な世界観で描いている。

そんな本作で主人公「僕」の声を担当し、今作が声優初挑戦となった注目の若手俳優・高杉真宙にインタビューを実施!自身がアニメ好きだからこそ抱いたというプレッシャーや苦悩、また、支えになっているという高校時代の友人について、さらにSGS読者にオススメしたい漫画など、パーソナルな部分まで、キミスイ&高杉真宙の魅力をボリュームたっぷりにお届けする。
Q.制作プロデューサーさんが偶然、高杉さんがナレーションをされているある WEB動画をみた時、「“「僕」”の声を見つけた。」と確信してすぐに高杉さんへオファーしたとお聞きしました。オファーをいただいた時の気持ちをお聞かせください。

高杉真宙(以下:高杉):「やっぱり嬉しかったです。僕はもう色んな方が知ってる通り、漫画が、アニメが、ゲームが、大好きなので…大好きなので!だから、声優さんのお仕事もずっとやりたいと思っていたので、今回お話をいただけたのは凄く嬉しかったです。

ただ今回の作品は、原作も実写映画も凄く評価されている作品で、こんなに大きな映画で(声優を)やらせていただけるんだって、現実味を帯びてきた瞬間、緊張と不安が本当に大きくなりました。今回やらせていただけるにあたって、自分はどんな風にすれば今まで観てきた声優さんの演技に追いつくことができるのか、必死に考えました」

Q.好きだからこそのプレッシャーがあったんですね

高杉:「それはもう、存分に発揮されていましたね(笑)大好きだからこそ色んな立場の人の気持ちがわかりますし、自分がやる意味も考えます。

あとは、自分がこういう風にやりたいと思う理想と、思うようにできない現実とのギャップがなかなかひどいもので…久々に逃げ出したくなった作品でもあります。でも、時間を無駄にはできないので、15分くらい現実逃避をしました(笑)」
Q.声優をするにあたり、どういったところが難しかったですか?

高杉:「演技の仕方でいうと、映画やドラマでは、声とセリフ以外に、表情と動きでも感情を表すことができるので、声でお芝居をしすぎないように意識をしていつも演じています。僕は、自然な演技ができるようになりたい、ナチュラルにみせたいという思いがあるので。

でも、声優さんのお芝居は逆に抑揚を付けたり、声だけで感情が伝わるようにしなくてはいけないんです。その表現の仕方がわからなかったり、わかってはいるんだけどはまらなかったり、そういうことが多々あって、難しいなって。あと、キャラクターと声が分裂してみえたり、聞こえないようにしたいと思うんですけど、そのためにどうしたらいいのかわからなかったり、結構悩みました」
Q.なるほど。高杉さんが演じた「僕」は感情の起伏が激しいキャラクターではないので、そこの強弱も難しかったのでは?

高杉:「そうなんですよ…今「僕」はこう思っているって観ている人にちゃんと伝えなくてはいけないんですが、その塩梅がなかなか難しくて。「僕」はアニメの中で表情が凄く豊かでもないですし、感情の起伏が激しい訳でもないので、その微妙なニュアンスをどこまで表現することが正解なのか、ずっと考えていましたね」

Q.その微調整は監督にアドバイスをもらいながら?

高杉:「そうですね。もうちょっとこうかなって。監督と何回か擦り合わせて作っていきました」
Q.演じられて、「僕」はどんな男の子だと思いましたか?

高杉:「本当にこの子は難しいですよね。台本と小説を読んだ時に、本当に複雑な子だなって。まず第1に怖がりなんだろうなって。人に近づくのが怖いと思っていて、自分の世界は小説の中だけの世界で十分だって思っていて。人に近づくのも近づかれるのも怖くて、殻に閉じこもっている。

本当はもっと色々あったんですけど、自分の考えをまとめたものを忘れてしまったので、凄く深いところまで「僕」のことを話せないんですけど…。

でも、自分が読んできたどの小説にもない、桜良の生き方だったり、考え方に惹かれていくんですよね。その殻を破られていく様子、あまり近づきすぎないこの2人の距離感を上手く表現できたらいいなと思って、やらせていただきました」
Q.2人は恋のような友情のような、なんとも表現しがたい絆で結ばれていますが、高杉さんはこの2人の関係性をどんな風にご覧になっていましたか?

高杉:「僕は、どう思ってたんだろうな。そこらへんも、なかなか難しいんですよね。

でも、尊敬し合っているのが1番強いんじゃないかなって思います。だから、桜良がもし生きていたら、展開によっては恋人になっていたのかもしれないし、展開によってはそのまま友達だったのかもしれないですし。その距離感って、多分お互いが少しずつ歪んでいて、尊敬し合って、補っているからこそ生まれてくるものなのかなって思います」
Q.声優初挑戦ということですが、実際に自分の声が当たっているものをご覧になっていかがでしたか?

高杉:「それに近いものがあるからなんでしょうけど、初めての演技を観た時のようでした」

Q.それは感情的には恥ずかしい?それとも感動?

高杉:「恥ずかしいですね。もちろんテンションは上がったんですけど、それ以上に恥ずかしさが強かったと思います。自分が必死にやったものが出来上がって、これは映画もドラマも一緒ではあるんですけど、1回目はやっぱり恥ずかしいですし、自分の反省点とかも強くみえてきますよね」
Q.今回は制作スタジオにもいかれていますよね。今回の仕事を経て、アニメの観方など変わりましたか?

高杉:「1つのカットだけに沢山の人が関わっているのを目の当たりにして、観方も変わるのかなと思ってはいたんですけど、映画でもドラマでも、ここ大変だったんだろうなって思いながら作品を観てもらうのは作り手側からすると嬉しくないなと思ったので、あまりそういうことは考えずにこれからも楽しく観ていきたいと思いました」

Q.実写映画化もされた作品ですが、実写映画は観ましたか?

高杉:「観てないんですよ。いや~怖いじゃないですか。実写の「僕」に引っ張られることもあると思いますし、原作と実写映画は凄く評価されているので、観たら余計に緊張するだろうなと思ったので、観なかったです」

Q.劇場アニメが公開したら、実写映画は観ますか?

高杉:「観ようかなとは思うんですけど、別物にしたいなと思って観ていなかった分、答え合わせになっちゃいそうで怖いんですよね。でも、観た後に録っていたら逆に違う感覚でやっていたかもしれない、そういう面では少し気になります」
Q.「僕」にとっての桜良のように、高杉さん自身、この人に出会って変わった。あの瞬間があったから今の自分があると思える出来事はありますか?

高杉:「本当に仲のいい友達が2人いるんですけど、高校に通っていてよかったなって思うのが、その友達に出会えたことなんですよね。確か同じクラスで、たまたま高校で出会って、たまたますぐに仲良くなれて。

お互い様だと思っているんですけど、仕事で大変な時も、その2人がいるから、乗り越えられる部分も大きいですし、本当に出会えてよかったなって思います」
Q.今回、声優の仕事をする上で連絡はきましたか?

高杉:「連絡はこないですよ。たぶんチェックもしてないと思うので。でも逆に明後日こんな仕事があるんだって伝えて、必死に家で練習をしている時に、突然邪魔をしに家にきたりとかはあります (笑)」

Q.でも練習をしていて行き詰っている時に、友達がきてくれたらリフレッシュできますね

高杉:「そうですね。そういう面でも救われますね」

Q.お友達からはなんて呼ばれているんですか?

高杉:「普通に真宙って呼ばれています」
Q.その高校時代の友達2人との1番の思い出は?

高杉:「突拍子のないタイミングに、突拍子のない場所に行ったり、あまり今とやっていることは変わらないです(笑)「明日山に行こうぜ」とか、「明日自転車で鎌倉に行こうぜ」とか(笑)」

Q.鎌倉に行ったのは、学生時代?

高杉:「それが、ぎりぎり10代ではあったんですけど、学生じゃないんですよ(苦笑)最近は、鎌倉が地獄すぎて、行ってないんですけど。だって、表参道から往復100キロですよ!(笑)」

Q.凄くアクティブですね(笑)

高杉:「1度、自転車で府中の方にも行っていて、その後、友達が酔っぱらって「明日チャリで鎌倉行こうぜ」って言ってきて、僕が「いいよ」って返して…次の日ちゃんといくっていう(笑)そのノリを次の日まで、引き継いでしまうのがダメなところです…(笑)お互いに行きたくないのに言えず、結局行ってきました(笑)」
Q.ファンの方に、気付かれなかったですか!?

高杉:「全然!ただひたすらに自転車をこいで鎌倉に向かっているだけなので(笑)」

Q.結構少年ぽいというかアクティブな遊びをされているんですね(笑)

高杉:「そうですね。楽しく、何歳になってもこんな風にやっていられたらいいなって思います。

週に何回も会ったりするんですけど、本当にひどい時は週5~6回会っている時もありましたし(笑)本当に凄く仲がいいんですよ。夜ごはんを一緒に食べにいったり、今も2日連続とか全然ありますね」
Q.“君の膵臓をたべたい”にちなんで、高杉さんの1番好きな食べ物または勝負飯を教えてください。

高杉:「確実に膵臓ではないですけど(笑)撮影前とか緊張する時に食べる勝負飯は、生姜チップスですね」

Q.なぜそれを勝負飯に?

高杉:「勝負飯というか、撮影前に緊張してそわそわしちゃう時、体を温めれば集中できると僕は思っているので、体が温まる生姜チップスをよく食べています」

Q.生姜チップス歴は?

高杉:「もともと目が覚めるカフェインの入ったドリンク系だったんですよ。本当は今も1番それが効くと思っているんですけど、1日1本が目安なのに、緊張する日は1日3本飲んでしまうことがあって。飲みすぎてカフェインの取り過ぎになってしまうのは、あまりよくないなと思って、生姜チップスにたどり着いた感じです」

Q.先ほど「明日が来なければいいのにと、15分くらい現実逃避をした」とおっしゃっていましたが、その時も?

高杉:「そうですね(笑)食べてました(笑)」

Q.ルーティーンみたいなものですね

高杉:「それに近いものはありますね。だから、テンションを上げて緊張をほぐしたり、無理やり自分の体を温める方法のいくつかある中の1つです。でも1番使うのはやっぱり、生姜チップスですね」
Q.漫画好きの高杉さんが、読者にオススメしたい漫画を7つ教えてください!

高杉:「僕が1番好きなのは「ボールルームへようこそ」(著:竹内友/講談社「月刊少年マガジン」刊)なんですけど、ちょうど昨日読んでいたのは「転生したらスライムだった件」(漫画・漫画原作:川上泰樹、原作:伏瀬/講談社「月刊少年シリウス」刊)。

あとは「ランウェイで笑って」(著:猪ノ谷 言葉/講談社「週刊少年マガジン」刊)、「BEASTARS」(著:板垣巴留/秋田書店「週刊少年チャンピオン」刊)、「ピアノの森」(著:一色まこと/講談社「モーニング」刊)、「僕と君の大切な話」(ろびこ/講談社「デザート」刊)、「乙嫁語り」(森薫/ KADOKAWA「ハルタ」刊)も面白いです!まだまだありますけど、今パッと思いつくのはこの7つです」
Q.最後、読者に本作の見どころとメッセージをお願いします。

高杉:「この度、原作と実写映画ともに、本当に大きな作品の劇場版アニメで声優をやらせていただくことになって、僕自身、とても緊張する作品になりました。

原作と実写映画とは全然違う作品をつくりたいという想いもありましたし、アニメならではの表現だったり、雰囲気だったり、アニメだからこそできることがやっぱりあると思っています。「僕」と桜良の間に流れる温かさだったり、距離感だったり、儚さだったり、明確に分かるようになっているのではないかなと思いますので、ぜひ劇場に観にきていただけたら嬉しいです」


▼▼ [プレゼントの応募はコチラ] ▼▼


[プロフィール]
高杉真宙
1996年7月4日生まれ
福岡県出身
2012年公開の「カルテット!」で映画初主演。「ぼんとリンちゃん」で第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2017年、主演を含む6本の映画に出演。「逆光の頃」で第9回TAMA映画賞最優秀新進俳優賞、「散歩する侵略者」で第72回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。
2018年は「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」「世界でいちばん長い写真」「虹色デイズ」「ギャングース」、連続ドラマ「モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~」(CX)など出演作多数。また2019年春にはドラマ「賭ケグルイ season2」(TBS)の放送、映画『賭ケグルイ』の公開が控えている。


ヘアメイク:堤紗也香
スタイリスト:石橋 修一

劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』本予告



<ストーリー>
他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」。そんな「僕」はある日、『共病文庫』と記された一冊の文庫本を拾う。それは、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女が膵臓の病気で、余命いくばくもないことが記されていて……。病気を隠して日常を過ごす桜良と、その秘密を知った「僕」。――二人の距離には、まだ名前がない。

映画概要


【劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』】
9月1日(土) 全国ロードショー

監督・脚本:牛嶋新一郎
出演:高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見
オープニングテーマ・劇中歌・主題歌:sumika
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社 刊)

[HP] 劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』

[Twitter] @kimisui_anime

[Instagram] @kimisui_anime

©住野よる/双葉社 ©君の膵臓をたべたい

以下のハッシュタグを付けてツイッターに投稿すると、その投稿内容が自動で抽出されこちらのページに表示されるようになります。

Tweet - 0

Tweet Loading

Related News

News Categories

News Search

Coming Up