【詳細】神山健治監督に“ココネ世代”がぶっちゃけ質問!公開直前、映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」の独占試写会&スペシャル対談実現!

「東のエデン」「精霊の守り人」「甲殻機動隊S.A.C.」と社会現象を引き起こすほどの大作を世に贈り続ける神山健治監督が満を持して放つ映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』。これまでのSFやファンタジーなど、重厚な世界観の中、人間ドラマを描いてきた監督自らが原作・脚本を手掛けた、初の劇場オリジナルアニメーション作品。

本作の劇場公開を前に、SGSユーザーだけのスペシャルな試写会を都内某所で開催し、この日、監督自ら主人公・ココネ世代の女の子たちと映画について、また監督自身の事について質問形式の対談イベントを行った。
本作の舞台は、東京オリンピックが迫る2020年の夏。物語の主人公はいたって平凡な女子高生。特技といえばどこでも眠れることくらい。そんな彼女が、最近不思議と同じ夢を見るようになる。時を同じくして、現実が歪み始め、その秘密が自分の夢にあることに気付く。事件を解決するためココネは東京まで旅をすることになるのだが、それは彼女にとって思いがけず、知らない“ ワタシ” を見つける旅となる。
ココネを演じるのは連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロインほか多くのドラマ、映画で注目される女優の高畑充希。彼女にとって今回がアニメーション映画初参加となる。その他、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介といった実力派が揃った。また、本作は、「AI」「ネットワーク」「未来への願い」と、これまで神山監督が描いてきたさまざまなモチーフも重要な要素として盛り込まれている。その点で、本作は神山監督のキャリアの集大成でもあるのだ。主題歌はかの名曲「デイ・ドリーム・ビリーバー」。“ 夢” と“ 去った人への想い” をうたったこの曲を、高畑充希が主人公・森川ココネとして歌う。
試写が終了したあと、事前にみんなから募集した質問を神山監督に聞いちゃいました!

Q.まさにココネと近い世代の若い方々がたくさん集まりましたが、「攻殻機動隊S.A.C.」「東のエデン」「精霊の守り人」など、神山監督の作品はSFやハイファンタジーといったジャンルの作品が印象深いのですが、今回はそう言った作品とは違った、実は非常に小さな、家族の物語でした。このテーマを選んだ理由はなんでしょうか?

神山健治監督(以降:神山監督):「今まで僕は、政治が絡んだり、社会問題がテーマになっているような、ちょっと上の年齢層向けのアニメーションを沢山作ってきたんですけど、今回は自分自身も心境の変化があって、若い世代の人を描くことで、自分自身も何が見えてくるのかなという思いもありまして、初めて、女子高生の女の子を主人公にするアニメーションに挑戦してみました」

Q. 高畑充希さん演じる主人公“ココネ”がとっても魅力的でしたが、“ココネ”というキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか?

神山監督:「そうですね。今回は、まず、事件とかあまり大きいことがない所から物語を作り出そうと思ったので、若いティーンエイジャーの子を主人公にしました。そうすると、男の子か女の子の二択になるわけですよね。そして、話し合っていくうちに今、みなさんが観たい主人公は女の子の方じゃない? ということで、僕もじゃあ女の子にしようかと。僕も男なんでね。多分君たちのお父さんくらいだと思うんですよ僕。お父さんよりももしかしたら、歳上かもしれない。なので、まず高校生の女の子にするって決まった時に、僕も子供がいますが、娘はまだ中学校2年生なので、ちょっぴり参考にならないなと思って。

でも、なかなか高校生の女の子って身近にいないので、自分が高校生の時どんな感じだったかなって、まずは考えてみました。思い返してみると、僕自身が高校生の頃って、アニメの監督になりたいなって思ってはいましたが、とにかくぼんやりした子供だったと思うんですよ。恥ずかしいんですけど僕、字を読むのが遅いんですよ。子供の頃から。小学校の頃、黒板に先生が書くでしょ?あれを、授業中に全部書き移せない子供で。隣の女の子とかが「先生大変です!神山くんが今黒板の文字を半分しか書き終えてません!」って言ってくれるみたいな(笑) 先生が消し始めた頃、半分しか書けてないような子供で、高校生になってからも凄くぼんやりしてたんですよ。

今の皆さんからすると信じられないくらいぼんやりしていて。高3の時とかも、ぼんやりしていて、アニメがいいなとか、あのアニメのキャラクターの子がいいなとか、そんなことを考えていたり。進学とかも全然で、自分はアニメの監督になるからどこでもいいやって。とりあえず東京行こうって。そのくらいぼんやりしてたんで、そういうところがココネのキャラクターになっているのかなって思いますね(笑)」

Q. ココネが歌う「デイ・ドリーム・ビリーバー」が非常に印象的で、エンドロールも感動的でしたが、なぜこの曲を主題歌にしようと思われたのでしょうか?

神山監督:「この曲自体はみなさんも知ってはいると思うんです。特に、皆さんの世代だと一番、セブン-イレブンで聞いたことがある曲ってイメージじゃないかな。実は、今から25年以上前、僕の大好きな忌野清志郎さんが、60年代くらいにモンキーズというアメリカのバンドがオリジナルで歌ってるんですが、その歌の内容とはちょっと違った独自の詞に書き直してるんですよ。その詞がとっても好きで、20代の時に、なんていい詞なんだろうと感動して。ちょっと難しい言い方をすると、倒置法というか主語がないから、誰のことを歌ってるのかわからない歌なんですよ。「もう今は彼女はどこにもいない・・・」って歌がはじまるのですが、彼女が誰なのか主語がないのでわからないんですよ。歌ってるのはどうも僕らしいんで、誰かのことを歌っているのはわかるけれども、彼女はどこにもいなくて写真の中で微笑んでるって詞とか、もしかして彼女は死んでしまっているの? とか、もしかしたらフラれて未練がましく写真を残しているだけなのかな、とか。

凄く想像力の広がる歌だったんです。さらに、もうしばらくしてから忌野さんが、自分を育ててくれたのが義母だったということを成人してから知ったそうで、実はあなたには産んでくれた別のお母さんがいて、その人は亡くなってしまったんだけど、あなたにこんなに素敵な日記を残して亡くなりましたと、死んだ後に知ったんだって。で、この歌は多分それを歌った歌なんじゃないかなと言われてるんですけど。

今回この作品の脚本を書いている時に、ふとそのことが脳裏に蘇ってきて、口ずさみながら脚本を書いたんです。それもあって、もしこの脚本ができた時、あの歌をそのまま主題歌にできたらいいなって思ってたんです。でも、原曲をそのまま主題歌に使う時もありますが、この歌の場合はオリジナルが海外のアーティストのものだったりとか、忌野さんがそれをカバーしてたりとか、そういった理由でそのまま使えなかったんです。誰かに歌って欲しいけど、別のアーティストの人が歌ってしまうと、違う意味合いが作中に出てきてしまったり、その人がなんで歌う理由があるの? ってことになってしまうので、これを主題歌に使わない方がいいのではと思ったんです。

そんな葛藤の中で、“ココネ”役に高畑充希さんが決まり、彼女は歌もうまかったなと思って、歌ってくれますかね? と、本人が歌ってくれるんであればと伺った後に、お父さんとお母さんにはこんなストーリーがあるんだって事を“ココネ”が知った上で、そのことを“ココネ”が歌っているってことであれば、とても素敵な歌になるんじゃないかなと思ったんです。

“ココネ”という子がはじめて、自分の両親にもストーリーがあるんだって事を知った上での想いで、なんとか歌ってほしいと説明したら、それだったら、“ココネ”としてこの歌を歌いますと、これはセリフと同じ意味合いなのかなということで、引き受けてくださって、「デイ・ドリーム・ビリーバー」に決まったっていう。そんな経緯が実はあるんです!」
Q. ここからは、会場のみなさんからの質問にお答えいただきたいのですが、“くるみ”さんからの質問で、<映画を作るにあたって一番好きな行程はなんですか?>

神山監督:「そうですね、映画の制作って、もの凄く行程があるんですよ。まず大きく3つに分けると、“ポリプロ”という、企画脚本のどういう作品にしていくかっていう準備をする行程があって、そこからアニメーションで言えば、1カット1カット場面を作っていきます。そして、“ポスプロ”という、音楽とか色彩とか映画を仕上げていく最後の行程があります。さらに分けると3つの中でも細かく作業がありますが、最初の“企画脚本”のところは、特に力を入れているところで、ほとんどの作品がここの段階で決まってしまう、すごく重要な部分になります。でも、一番いろんな事情が絡まって一番思うようにいかない部分でもあるんですよね。

それでも、思うようにいかないからこそ、面白いんです。大勢の人が携わって、どういう作品を作ろうかって一生懸命考える時間になりますが、一生懸命やっているからこそ難しく、この部分が僕は一番好きな行程なんじゃないかなと思います。一番“夢”があるんです。まだ、誰も観たことがない作品を、こんな作品ができたらいいよねって、話しながら一番ワクワクするので、そこが一番楽しいです。

その後の実際の制作も楽しい作業で、毎日コツコツ絵を描いていくとか。かわいくココネが描けたなってところから、どうやってこの作品を作っていったらいいだろうとか、頭の中だけでは想像もつかないシーンなどもあって、それをどう組み合わせたらいいだろうとか。そういうのも日々積み重ねていくので、実写映画だと大体撮影で今は1ヶ月で終わるところを、アニメーションってそこが大体1年から1年半くらいかかります。だから、アニメは通勤しながら作る映画って僕はよく言っているんですけど。そこは難しいところでもあり、面白さもあります。そして、最後の“ポスプロ”という、映画を仕上げていく作業では、音楽だったり、音のセリフをとったり、これも凄く面白いんですけど(笑)。役者さんや声優さんとキャラクターを作っていく、それを吹き込んだものを音楽と合わせていく。音楽も、とっても楽しいんです。作曲家の人とどういう曲を作っていくか話したり、自分の好きな曲にしたり、作曲家さんが出してくれる素晴らしい音楽から決めていって、映画がいよいよ仕上がっていく。なので、全部の行程がそれぞれ魅力的ですが、やっぱり一番好きなのは夢がある“企画脚本”の段階かもしれないですね。」

Q. 先ほども早い段階からアニメーション監督になりたかったということだったんですが、続いては“あいり”さんからの質問で、<アニメーション監督になりたいのですが、今からやっておいたほうがいいことはありますか?>との質問をいただきました。

神山監督:「なりたいです!って言っちゃった方がいいね。何をすればいいかってことは、僕は本当にぼんやりした子だったけど、そこだけはもの凄く強く願って、よく笑い話で言うけれど、ある日、流れ星を見た瞬間『アニメーション監督にしてください』ってとっさに言えたぐらい、毎日そのことだけを考えていました。でも、ただぼんやり考えてるだけじゃ、なかなか難しいけれど、監督業の場合は、一番何をやるかというと、スタッフと会話するのが仕事なんですよ。自分がどういうアニメを作りたいのかって、イメージはもちろん持ってないとならないけど、それを大勢のスタッフに説明して、説得し、納得してもらって上で、それを具体的にやってもらう、という仕事なんです。だからアニメの監督ってもしかしたら、絵も描けなくてもいいし、パソコンも場合によってはイジれなくてもいいんです。すごく極端なことを言えば、喋れさえすれば、会話さえできれば、映画の監督ってなれるんです。もっと言えば、喋れなくてもいい頷ければいい。『監督!ジョイの色って何色がいいですか?』それにうーんっていってて、『じゃあ、水色でいいですか?』って言われたら『うん!』って頷ければ、とりあえず監督はできるけど(笑)、それをいかに伝えていくか。なるほどなって納得しなくてもいいんです。コミュニケーションが実は一番大事かなって思います。

多分、僕はどの行程の仕事をしても、一番じゃないかもしれない。絵が一番うまいかとかね。一番、色感があるとか、音楽に関して詳しいかとか。僕は作曲できないどころか、譜面も読めないし。だけど、どういう曲にしたいか、書いて欲しいかは説明することができる。そういう風にしていく仕事なので、いっぱい色んな人とお喋りしてください。実はこれが一番重要かもしれない。できれば、怖そうな年上の人とかね(笑)。仲のいい人だとお喋りできるけど。大体、映画監督になった新人の時って、全員年上で、みんな凄く怖そうな人なんですよ。僕も最初はそうで、スタッフの方とかにこういう映画を作りたいんですって説明していくと、あっ、こいつ一応喋れるなって、大人に対して臆することなく話しかけてくるなって。そうすると相手もちょっとずつ話しを聞いてくれるようになってくるんです。本当に最初は怖かったですけどね。有名なスピルバーグ監督も、朝からお昼まで撮影をしてたけど、スタッフが言うことを聞いてくれないから、一回撮影現場から逃げたそうです。そのくらい最初は誰でもコミュニケーションが取れない難しさにぶつかるので、いっぱいお喋りしてください!」

Q. 他にありますか?

神山監督:「映画のことでもいいですし、このゲームセンターで置き始めたジョイのぬいぐるみは何回くらいで取れますか?でもいいですし(笑)」

会場に笑いが!

Q. 普段どういうものに影響を受けて、作品を作られてますか?

神山監督:「僕は、これがいいことなのか悪いことなのか自分でもよくわからないんですが、アニメよりは映像がないもの。小説だったりとか、音楽だったりとか、なるべく絵がないものに影響を受けるようにしています。そうすると、自分はそれの何に感動して、どういうビジョンを思い浮かべたんだろうか? っと、考えるんです。アニメを観ちゃうとどうしても似ちゃうんですよね。だから、最初のイメージを浮かべる時はなるべく活字か、音楽ですね。」

Q. 最後に神山監督から、皆さんに向けて改めて本作のメッセージをお聞かせください。

神山監督:「まだ、公開前で、試写会等で観ている人がいるだけなので、一番最初に観ていただいたお客さんになると思います。みなさんくらいの歳の人に観てもらえたらなと思っていて、僕は年上の人が観るようなアニメーションを作ることが多いですが、今回は是非みなさんに観て欲しいなと思って作った映画です。今日観て楽しかったなと思ったらお友達とかにも話していただいて、是非、誘っていただけたらなと思います。今日はありがとうございました」
最後にトークショーを終えて神山監督に感想をいただきました!

Q. 今回のトークショーの感想は?

神山監督:「会場にいた人たちは、自分の子供くらいの年齢だと思うので、ちょっと緊張しましたね(笑)。ですがそれ以上に、凄く楽しかったです。キラキラした感じで、可愛らし子達ばかりで!」

Q. ココネ世代の若い女の子達に観て欲しいなと思う見所やメッセージがあればお願いします!

神山監督:「ココネとモリオとの冒険ですね。「ひるね姫」で起こることって、リアルに考えたら、そこまですごい冒険というよりは、岡山からバイクと新幹線で東京まで行くというくらいなんですが、それでも、なかなか日常生活では起きないようなことがきっかけで、ちょっと勇気を出して行動してみたら動き始めた事件だと思うです。タブレットを取り返すだけとか、意外と日常の中では出来ないような冒険をしながら、ココネとキャラクターたちがすごく生き生きと動いているところもポイントなので、あまり難しいことを考えずに、ココネが頑張っている姿を観て応援してくれたらうれしいなと思います」
あやかちゃん
「今日は『ひるね姫~知らない私の物語~』の試写会に行かせていただきました!

夢と現実の世界の物語がとてもワクワクして面白かったです!

ココネの性格が個人的に大好き(笑)ぜひ見にいくべき」
mami+ちゃん
「前日ひるね姫の試写会に招待してもらったよ

mami+はファンタジーがとっても好きなのでファンタジーと現実が織り交ぜられたストーリーから目が離せませんでした

18日より公開なので見て見てね」
みこぴちゃん
「今日はゆきんぐと『ひるね姫』の試写会にお邪魔してきました
現実か夢か分からなくなる構成の面白さ、凝ったアニメーションがとても良かった!!声優参加している俳優陣も豪華だった!
ジョイくんの可愛さ100点」
あにゃちゃん
「ひるね姫の試写会へ!
予想のできないストーリーでドキドキだった!!!
神山監督のお話も聞けて初めての試写会は楽しかったです」
橋本梨乃ちゃん
「映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』
の試写会に行ってきました

すごく面白かった~~
ココネの夢を一緒に見てるような
気持ちになった

そしてジョイが可愛かった

神山監督の有難いお話も聞けて
もう一度見たくなりました」


映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」予告




<ストーリー>
岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている森川ココネ。何の取りえも無い平凡な女子高生の彼女は、ついつい居眠りばかり。そんな彼女は最近、不思議なことに同じ夢ばかり見るようになる。

進路のこと、友達のこと、家族のこと…考えなければいけないことがたくさんある彼女は寝てばかりもいられない。無口で無愛想なココネの父親は、そんな彼女の様子を知ってか知らずか、自動車の改造ばかり明け暮れている。

2020年、東京オリンピックの3日前。突然父親が警察に逮捕され東京に連行される。どうしようもない父親ではあるが、そこまでの悪事を働いたとはどうしても思えない。ココネは次々と浮かび上がる謎を解決しようと、おさななじみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をする。その途上、彼女はいつも自分が見ている夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気付く。

ココネは夢と現実をまたいだ不思議な旅へ出る。その大きな冒険の末に見つけた、小さな真実とは…。

映画概要


【ひるね姫 ~知らないワタシの物語~】
2017年3月18日より全国ロードショー
キャスト:高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介
原作・脚本・監督:神山健治
主題歌:「デイ・ドリーム・ビリーバー」森川ココネ(ワーナーミュージック・ジャパン)

[HP] 映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」

[Twitter] 映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」公式

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©2017 ひるね姫製作委員会

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