【詳細】映画『溺れるナイフ』 小松菜奈&上白石萌音 Wインタビュー

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2016-11-13 10:23:00

洗練された世界観と、リアルな心理描写で熱狂的に愛され続けるジョージ朝倉原作の少女マンガ「溺れるナイフ」。本作が実写映画化されるとあって、主演に小松菜奈&菅田将暉を迎え、重岡大毅(ジャニーズWEST)や、上白石萌音といった今旬のキャストが発表されるやいなやSNSを中心に「このキャスティングで、この実写化は奇跡!」と話題沸騰したほど。

そんな話題作で、ヒロイン・望月 夏芽を演じた小松菜奈と、その友人にして夏芽に憧れを抱く同級生・松永カナを演じた上白石萌音の2人に、撮影現場での裏話や恋愛観、そしてファッションなどガールズトーク満載で対談インタビュー!


Q.本作への出演が決定した時の気持ちはいかがでしたか?

小松菜奈(以降:小松):「『溺れるナイフ』というマンガがあることは知っていましたが、ストーリーは全く知らなくて。でも周りの友だちは凄く好きで、ハマるっていうのも聞いてました。そしてマンガを、全部読み終えて感じたのは、独特の絵だったり、雰囲気だったりマンガから凄く伝わってくるものがあって、これを映画化するって凄く難しいことなのでは? と率直に思いました。

海に落ちたり、感情の表し方とかがもの凄く激しかったり、これが映画化されて、それを自分が演じるんだって思ったら、かなりプレッシャーだなって思いましたね。」

上白石萌音(以降:上白石):「原作マンガを読むよりも先に、出演するキャストのみなさんのことを知って、身震いしてしまいました。この人たちが集まってしまったら、どんな作品ができてしまうんだろうって、ゾクゾク感が凄かったです。

それからマンガを読んで、それぞれのキャラクターと演者さんたちがピッタリで、この中に私も入れるということが、凄く嬉しかったですし、私も負けないように頑張ろうって強く思いました。マンガを読み終えた時、一番感情移入したのが私が演じた“カナ”で、私自身にも近いものを感じとれたので、この役で皆さんと同じ空気の中でお芝居したら楽しいだろうなと、心から思いました。」
Q.役を演じる上で心掛けたことは?

小松:「“夏芽”というキャラクターは、「この人にやってほしい」とか、原作ファンはもちろん、いろんな人の意見をSNSなどで見て知っていたので、そういう面でも私で大丈夫なのかなって思ったりもしました。もちろん原作がある作品だと、プレッシャーも大きいですが、そんなに気にしすぎても、逆に変に抱え込んじゃってってなるので、ある程度プレッシャーも感じつつ、現場ではとにかく楽しく、みんなを追いかけて現場にいればいいと思いながら撮影に挑んでました。」

Q.完成した本作を観た時の感想は?

小松:「すごく大変な現場だったので作品が完成してよかったです。繋がってるって嬉しさと、撮影の過酷さをみんなに観てもらえるんだなって思いました。作品としては、10代の危うい思春期ならではの感情や、10代にしかない熱量が画面から感じ取れて、みんなそれぞれのキャラクターの濃さと、一人一人の演技が魅力的だなって感じました。ほかの、少女マンガの原作映画とはまた違った味のある、辛さにも似たすべてが『溺れるナイフ』なんだなって思えました。普通のラブストーリーで終わっていたらこんなにも強く印象には残らなかっただろうなって思います。

だからこそ、この現場で、このキャストで、このスタッフだったから『溺れるナイフ』が完成したと思いますし、和歌山で17日間、撮影しましたが、実際、”夏芽”、“コウ”、“大友”、“カナ”の4人でのカットが火祭りのシーンくらいで、あまりおしゃべりする機会も撮影場所が一カ所じゃなかったら出来なかったと思うし、1カ所で泊まり込みで撮影したからこそ出せた雰囲気をぎっしりと詰め込むことが出来たと思っています。」

上白石:「撮影前に、キャストがピッタリ!って思っていたのが、作品を観て確信に変わりました。この人たちしかいなかったんだって、他の誰でも成り立たなかったんだって思いながら、「そうだよね。そうだよね。」って一つ一つ納得しながら観ました。原作にある独特な湿ったような空気感が映像になったんだなって、“コウちゃん”や“夏芽ちゃん”、“大友”が現実になって出てきたことにすごく感動しました。私自身は、1週間くらいしか撮影現場にいなかったので、東京での“夏芽ちゃん”のシーンや、和歌山でのシーンでも知らなかったことが多くて、一観客として誰よりも客観的に観ることができて、10代の危うさや、刺々しさが伝わる映画って初めて観たなって、衝撃が残りました。」
Q.原作のある作品を演じる上で意識したところや、演じる上で心掛けたことは?

小松:「世界観を意識したいなとはずっと考えていて、それがないと成り立たないと思いました。

さっき萌音ちゃんも言ってた、キャストがマンガから出てきたんじゃないかってくらいピッタリだったって私も感じて、“コウちゃん”と“大友”とではまとっている空気感が全く違っていて、“大友”だったら太陽みたいに何もかも彼の笑顔で忘れられるような優しさがあって、一方で“コウちゃん”は冷たい視線と何を考えている分からない不思議さ、そういった二人それぞれに違った魅力がありました。“コウちゃん”なら必死に追いかけて、“大友”なら私(夏芽)のことが好きっていう揺るぎない安心感。それが“夏芽”を演じていて感じ取れて、二人の空気感で見せる表情が自然と変わってくるのを、私が意識して表現したのではなく、二人がそうさせてくれました。

“カナ”といる時も、萌音ちゃんはいつもフワフワしてて癒されキャラなのに、“カナ”になったとたん、中学生から高校生に上がった垢抜けた感が別人のようで、嫉妬心とかも沸々と伝わってくるし、女のライバル意識だったりとか、“夏芽”と“カナ”が全く笑っていなかったりとか。でも普段はふざけ合ったり凄く癒されてましたが、役に入る時のみんなのスイッチの入り方がもの凄くってそのギャップも楽しいなって思いました。歳も近いからこそ負けたくない感もありつつ、演技をしていてとっても楽しくて、それが良い意味で、演技にも反映されてます。

普通の恋愛って「負けたくない!」とかじゃないじゃないですか。でも“夏芽”は“コウちゃん”に負けたくないから怒るとか、好きだから何かをするとかいう感情は演じていて理解できるなって。だからこそ、歳の近い人たちとお芝居するのって自分が思っている以上に役に入り込めるなって思いました。」

上白石:「今回の役所は原作マンガにもの凄く助けらました。2時間ちょっとの短い映画の中で“カナ”が登場するシーンが少なくて、それでも原作ファンの皆さんは“カナ”のことを良く知っているし、そこで自分が空っぽの状態で役に臨んでしまっていたら、原作を知っている人たちにも伝わってしまうなって思ったので、“カナ”の小学校時代の事が描かれている巻があって、それをいつもお守りみたいにして、迷ったり悩んだりしたら、読み返して仕草や、表情を研究していました。

特に、今回の作品では、3役を演じているんじゃないかってほどの振り幅だったので、どちらも参考にして、撮影中も原作マンガを読んでいました。作品によっても変わりますが、本作では原作での“カナ”を特に意識して撮影に臨みました。」
Q.ご自身とキャラクターとで似ている、共感する部分はありますか?

小松:「似てる所か〜・・・」

上白石:「“夏芽”と菜奈ちゃんは、凄く似てると思う!」

小松:「うそー!」

上白石:「“夏芽”のカリスマ性が似てるなって!

菜奈ちゃんに会うまで、モード系のクールなイメージを抱いていて、カリスマだって思ってましたが、実際に会ってみると、本当に女の子だし、同じ人間なんだって(笑)!」

小松:「同じ人間だよー(笑)!」

上白石:「そういったところが、“夏芽”と被るなって思いましたし、だから“夏芽”は、菜奈ちゃん以外いないなって思いました。本当にピッタリ!」

小松:「嬉しいの一言ですね。え〜、恥ずかしい(照笑)。

私以外の女優さんが“夏芽”を演じたのを観て観たいって思いくらい、それくらい私には難しい役で、セリフなども、監督に言い方を変えて欲しいって相談したくらいポエム調で甘いセリフもかなりあったので、それを自分の中に落とし込むのに悩んで時間もかかって。でも、これは“夏芽”だから言ってほしいって、監督の中の“夏芽”ももちろんあるので、結構どうしようって悩んでたからこそ、萌音ちゃんのように私と“夏芽”が似てるって言ってもらえて嬉しいです。原作ファンから観た「溺れるナイフ」や“夏芽”はどんな風に目に映るんだろうって、凄く不安は未だにありますが。」

上白石:「私の場合は、“カナ”に苦しいくらい共感しました。

途中から自分の事なのかなって思えちゃったほどで、劣等感とかコンプレックスとかそういうものを持っているけど認めたくなくて、でも、どうにもできない。そういった複雑な思いでいるので、“カナ”の一喜一憂で変に胸が締め付けられて、私が思っていても言えないことや、できないことを“カナ”が変わりにやってくれてるんだって思えました。

女の子なら誰しもちょっとは持っている負の部分を“カナ”は、表に出して傷ついて、悩んで悩んで…ってとても他人事とは思えなかったし、それを分かってしまう自分も嫌でした。それでも一緒になってもがいて、駆け抜けていけたので、凄く共感できたキャラクターでした。」
Q.撮影現場での、お二人についてのエピソードを教えて下さい。

小松:「現場では、ロケバスで一緒にサラダ食べたよね(笑)!」 

上白石:「食べた、食べた!」 

小松:「あと、一緒に写真撮ったりとか!」

上白石:「シリアスなシーンが多い作品なので、その反動で変なことや楽しいことをいっぱいしてました(笑)」 

小松:「とにかく撮影中は大変だったから、撮影以外の時は楽しくいようって。心の支えだったね。」

上白石:「お祭りのシーンも、普通に友だちと近所のお祭りに来てるみたいでした。でも、「スタート」がかかったら、お互いいがみ合う、みたいな(笑)。」

小松:「そうそうそう!みんなといる時は凄く楽しかった。」

上白石:「うん、凄く楽しかった!良い感じの4人だったね。また会いたい。」 

小松:「うん。4人で会いたいね!」

Q.“コウ”と“大友”の2人なら、どちらのタイプを彼氏にしたいですか?

小松:「彼氏となったら話はまた別だな。彼氏だったら、大友!」

上白石:「私も、大友(笑)!」

小松:「“好き!”とかだったら確かに私は“コウちゃん”だと思います。追いかけたいので(笑)。でも一緒に居て楽しい人が良いので、毎日なんともないのに一緒に笑い合える人とか、それが一番幸せだと感じるので、付き合うなら“大友”だな〜(笑)。『溺れるナイフ』を観て、男の子なら“大友”ほんとに良いやつだなって思えるだろうし、女の子も絶対惚れちゃうと思います!」

上白石:「いや〜、惚れますよ~。私も一緒に笑っていたいから“大友”ですね。ちょっと落ち込んでる時も感じ取ってくれて、「なんかあったか?」って心配してくれそうな気配りができるから、みんなにも愛されて、側にいたいって思えます。」

小松:「逆に“コウちゃん”だったら辛すぎますもん、多分。何考えてるのか、分からな過ぎて(笑)」

上白石:「確かに、ひとりで悩んじゃいそう。」

小松:「そうそうそう。」

上白石:「きっと、この事を知ったら重岡くん、『やったー!』って喜ぶね(笑)」
Q.プライベートでは、どのようなファッションがお好きですか?

小松:「今回、モデルとして撮影するシーンがあって、そこで縷縷夢兎(るるむう)というブランドを着て撮影させていただいたのですが、作中で着たようなふわふわやピンクとかはあまり着ないですね。普段はモノトーンとかで、割と昔から古着が好きなので、古着+自分の好きなブランドのミックスが多いです。中学生から高校に入った頃とかはパステルカラーとかも着ていました。年々、着たいものとか、趣味とか、変わってくるんだなって身を以て実感しました。今は、ボーイッシュな感じが好きですね!」

上白石:「私は、“楽”で“モノトーン”ばかり選んでます。最近は、お洋服1つ1つの色がなくて、夏季のタンスの中が白・黒・グレーに、たま〜に色があるくらいです(笑)。やっぱりお仕事での移動のことなど考えるとヒザを抱えて上からかぶさる丈のものとか、楽なお洋服って考えちゃうんで、自然とモノトーンが多くなりがちです。でも大学の友だちと、通学したり遊んだりすると・・・」

小松:「大学行ってるの!?」

上白石:「そう!行ってるの!」

小松:「凄い!本当に!?あら〜、いや〜(笑)」

上白石:「大学の友達はみんなオシャレなんですよ。美意識が高くて、女子だな〜って。私もそういう時は、ちょっと脱ダボダボにしたりしますが、基本は楽で動きやすいものを選んじゃいますね。身長も低いので着られる服が限られてて、古着とかも大きくて着られなかったり大変なんです。」

Q.最後に、本作の見所や読者の皆さんへメッセージをお願いします。

小松:「本作を観た人の心に衝撃が残る、そんな作品に仕上がっています。その衝撃がどんな形かは分かりませんが、例えば「このキャラクターがよかった」「凄く衝撃的だった」などでもいいですし、ストーリーだったり、音楽や映像だったり、何か“ササる”ような衝撃が観た人の心に残ると思います。普通の少女マンガとはまた違った、今まで見たことのない熱量のある恋愛観は、『溺れるナイフ』だけだと思うので、映画館でその熱を感じ取ってもらえたら嬉しいです。私自身も映画館が大好きということもあって、いつも作品とかは映画館で観てねってオススメしますが、音楽だったり、周りの雰囲気だったり、大画面で観た時のインパクトが目から耳から、身体全体に私自身もの凄く残るので、この作品のインパクトもぜひ、映画館でみなさんに感じ取ってもらえたらと思います。」

上白石:「映画が新たな恋愛への境地に達したと言うか、ジャンルでは括れない“何か”になったのかなって凄く思っています。きっと同じくらいの年齢の女の子が観たら、誰かに感情移入してその人に寄り添って観れると思うし、同じようにコウちゃんの事が眩しく見えたり、大友の事が温かく見えたりすると思います。独特で異質な4人だけど、突き放されることなく一緒にこの恋愛を体験してもらえたら嬉しいです。とても複雑な感情だけど、それに共感できると思うので、この作品を観た人の感情を、何か一つでも後押しできたらいいなって思います。だからこそ、劇場で観て感じてほしいです!」

[プロフィール]


小松菜奈
1996年生まれ。
2014年公開の映画「渇き。」で主人公の娘役で本格的な演技に初挑戦し女優デビュー。同年、映画「近キョリ恋愛」と映画「バクマン。」「黒崎くんの言いなりになんてならない」など
でヒロインを努める。映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の公開、映画「沈黙—サイレンス ー」の公開が控え、2017年夏公開の映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」に出演することが決定している。


上白石萌音
1998年生まれ
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディション審査員特別賞を受賞。2014年公開の映画「舞妓はレディ」で映画初主演を飾る。公開中のアニメ映画「君の名。」でヒロインを演じ注目を集めている。月にはミニアルバム「chouchou」で歌手デビューも果たしている。



映画概要


【溺れるナイフ】
11月5日(土)TOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
出演:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平(ドレスコーズ)
原作:ジョージ朝倉『溺れるナイフ』(講談社「別フレKC」刊)
監督:山戸結希
脚本:井土紀州、山戸結希
音楽:坂本秀一

[HP] 映画『溺れるナイフ』

[Twitter] 映画「溺れるナイフ」

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©ジョージ朝倉/講談社 ©2016「溺れるナイフ」製作委員会

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kokoro kokoro12321/4
菜奈ちゃんと萌音ちゃんが仲良さそうで羨ましいです?

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