【詳細】映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼&佐野晶哉 Wインタビュー

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2025-05-29 17:00:00
『君の膵臓をたべたい』でデビュー以来、数々の人気作を手がけてきた住野よるの同名小説を、奥平大兼と出口夏希のW主演で映画化した『か「」く「」し「」ご「」と「』が、5月30日(金)より全国公開。

本作は、“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”男女5人の、純度100%の尊い日々を描く青春ラブストーリー。
原作は累計発行部数80万部を突破し、2017年の原作発売から若者を中心に根強い人気を誇る。

W主演を務めるのは、『MOTHER マザー』(20)にてスクリーンデビューを果たし、「日本アカデミー賞」など数々の映画賞にて新人賞を総なめし、その後も話題作に立て続けに出演。さらに、1月クールのTBS日曜劇場「御上先生」でも話題沸騰の今最注目の若手俳優・奥平大兼。引っ込み思案で自分に自信の持てない主人公・京を演じる。底抜けに明るい性格でヒロインよりもヒーローになりたいと願う・三木直子(通称ミッキー)役には、モデルとしての活躍のみならず、映画『赤羽骨子のボディガード』(24)など俳優としても活躍の場を広げ、第46回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した注目度No1の若手俳優・出口夏希。

その他、体育会系でいつも明るく笑顔な人気者・高崎博文(通称ヅカ)役に、佐野晶哉(Aぇ! group)、予測不能な言動でいつもマイペースな黒田文(通称パラ)役に、菊池日菜子。内気で控えめな性格で、ある日突然学校に来なくなる宮里望愛(通称エル)役に、早瀬憩。いま最も勢いのある若手キャストが集結した。メガホンをとったのは、『カランコエの花』(18)、『少女は卒業しない』(23)などを手掛ける新進気鋭の中川駿監督。

今回、本作で主人公・京を演じた【奥平大兼】と、京の親友・高崎博文(通称ヅカ)を演じた【佐野晶哉】を直撃!お互いの第一印象や、奥平と京、佐野とヅカとで重なる部分、新潟県での撮影の合間に行ったドライブの思い出、花火や水族館のシーンの撮影秘話、もし高校生に戻れたらやりたいことなど、和気あいあいとした対談インタビュー♪
Q.住野よるさんの原作や、台本を読んだ感想を教えてください。

奥平大兼(以下、奥平):最初に原作を読ませていただいた時に、すごくやりたいなと思いました。「世界観」というと少し大げさな言い方かもしれないですが、作品の中に流れている空気感が見ていて心地よくて、実際に演じていても心地よかったです。

佐野晶哉(以下、佐野):とにかく引き込まれるストーリーで、読みながらすごくワクワクしました。小説ならではのマジックというか、みんなが持っている小さな能力などをどう映画で表現するのか、全然想像がつかなくて。自分の頭の中でいろんな映像を作りながら読んでいました。原作ファンの方々が小説を読んで想像していた世界が、劇場で観られると思います。
Q.お互いの第一印象と、撮影中に気づいた相手の意外な一面について教えてください。

佐野:僕は「こんな人なんや、よかった」と思いましたね(笑)。素の大兼をあまり知らないまま、いろんな映像で観てきて、影の多い役であったり、攻撃的な役であったりというイメージが僕の中では多かったので、最初はそちらに引っ張られてしまっていました。

奥平:確かに、顔合わせや本読みの時を思い出すと結構、最初はみんな初めましてだから、結構よそよそしくなってしまうじゃないですか。そこをできるだけ壊してくれたのが、晶哉だったなと思います。一言で言うと「明るい」。だけど、みんなのことをちゃんと考えてくれる子だなと思いましたね。

Q.「この瞬間、距離がすごく近づいた」みたいな出来事はありますか?

奥平:クランクインした日に2人で廊下を歩くシーンがあったのですが、撮影で現地の学校をお借りしていて。その学校の生徒さんがエキストラで参加してくれて。

佐野:その撮影が特に、思い出深くて初日から距離が縮まりましたね。
Q.奥平さんから見て、佐野さんとヅカというキャラクターが重なるところ、佐野さんから見て奥平さんと京くんが重なるところがあれば教えてください。

奥平:振る舞い方とか、結構ヅカそのままだと思いました。僕から見ると、晶哉は周りに対して均等に気にかけてくれているイメージがあります。本気で心配されると、こちらも嫌じゃないですか(笑)。ですが、ヅカは明るさを持ちつつも心配してくれる。例えば最初、宮里(通称エル、演:早瀬憩さん)が学校に来ていない時も「宮里、大丈夫かな?」みたいなことを言っていたりとか。ヅカも割と周りが見えている子だと思うので、そこは晶哉と一緒かなと僕は思いますね。

Q.ご自身ではどう思いますか?

佐野:周りのことは見ているほうだと思います。

一同:(笑)。

佐野:ほんまに似ているなと思う部分が多くて。原作読んだ時もだし、演じながらもだし、監督さんからも「そのままスクリーンに映ってくれたらいいかな」と。細かい指示みたいなものはあまりなかったので、自分でもお芝居をしながら「キャスティングしてくれた時に感じてくださったことが、ヅカそのままやったんやな」という感じです。
Q.佐野さんから見て、奥平さんと京くんで重なるところはありますか?

佐野:結構真逆じゃない?

奥平:俺、真逆。京くんと全然一緒じゃない。

佐野:京くんは自信がなさげで、恋に対してもすごく後ろ向きだし、進路とか勉強とか、何事に対してもネガティブに物事を捉えがちだけど、いい方向に自信を持っている発言がすごく多くて(笑)、そういう部分がすごく好きです。だから、京くんとは真逆だと思います。

Q.では、役に入ると「ちょっと変わったな」みたいな感じがするのでしょうか?

佐野:ビックリしますね。この感じでずっと喋っていて、カメラが回り出したら、京くんになって。原作で読んだ時に想像していた通りの、住野さんが生み出したキャラクターそのままが目の前にいるから「あれ?なんで?」となる。僕はそのまま演じているのに、申し訳なくなりました(笑)。影が多いというか、あまりコミュニケーションが得意じゃない京くんが唯一、ヅカとエルにだけは話しやすくてたくさん話している、というお芝居を台本の中でするのは、まだ想像がついたのですが、台本にないアドリブで、30秒とか1分間、2人でなんでもいいから話して、と言われて。2人でラフに話している時に、京くんのままふざけて、影を持ちながらすごく楽しそうに人と話しているというアドリブがすごかったです。

Q.「役に入り込んでいるな」という感じなのですね。奥平さんは、その感想についてはどうですか?

奥平:僕はあんなに、物事に対して後ろめたさはないので、似てないと思いますね。

Q.演じる上では、どうやって京くんを理解していったのでしょうか?

奥平:どうしていたっけ?学生時代、自分が思っていることを言えないということを、近くで見ていたことがあったので、それを参考にしたというか、その気持ちはわからなくはないなと。共感できる部分はあったので、そういう視点で見ながら、監督と話しながらやっていました。

Q.京くんに対して、客観的に見てイライラすることはありましたか?

奥平:僕、全然なくて。京くんはずっとモジモジしているので、人によっては多分イライラすると思います。でも今の若い子で、その子の性格も加味して、言いたいことを言えない環境の子ももちろんいると思うので、僕は全然そういうふうに感じることはなかったですね。
Q.同世代で撮影していて、楽しそうな雰囲気がすごく伝わってきました。撮影期間中、印象に残っている出来事を教えてください。

佐野:僕と大兼でドライブに行きました。新潟県での撮影だったのですが、海辺を2時間くらい車で走りました。新潟県は海鮮が美味しくて、お刺身や魚の串焼きを食べました。

奥平:あの日、暑かったよね。

佐野:帰り道に海に寄って砂浜に降りて、靴と靴下を脱いで砂浜に降りたら、火傷しそうになりました(笑)。

奥平:ズボンもびちょびちょになったよね。

佐野:去年の夏の思い出は、大兼だらけです(笑)。

Q.どちらが「ドライブに行こう」と誘ったのでしょうか?

奥平:どうやって決まったっけ?もとは、佐渡に行こうという話だったんですよ。撮影でお借りしている学校の校長先生が「佐渡、めちゃくちゃいいよ」とおっしゃっていたのですが、撮影が終わってから行くとなると、深夜に船に乗るしかなくて(笑)。それはさすがに無理だということで、現実的な場所で、せっかくだから少し遠出して、市場みたいなところに行くか、となって。

佐野:撮休の日は、ずっと一緒にいましたね。
Q.ドライブ中は、どんなお話をしていたのですか?

佐野:松山千春さんのお話ばかりしていました(笑)。

奥平:そうそう。ドライブ中、一本道をずっと走っている中で「この雰囲気に合う曲をかけよう」みたいになって(笑)。いろいろかけていたら、松山さんの「大空と大地の下で」をかけることになって。

佐野:泣きそうになるぐらいよかったよな。しみまくった。

Q.青春な感じで過ごされていたのですね。

佐野:今あの曲を聴いても、あの時のことを思い出しそうですし(笑)、ドライブの時にわかったのが、音楽の趣味がすごく合うなと。「この曲知らんやろ」みたいな曲を2人で熱唱したりとか。

奥平:そうだった!

佐野:「このアーティストさんのこの曲を知ってる人、初めて会ったわ」くらい音楽の趣味も似ていて、「この曲、世界で一番いいよな」と言いながら2人で流し合ったりとか。

奥平:King Gnuさんの「壇上」という曲とか。

佐野:テレビの歌番組で歌唱するような楽曲ではないけど、ファンの中では一番人気らしくて。歌のない、ピアノだけの曲も2人で流していました(笑)。その時のプレイリストが今もあって、何回か聴いています。

奥平:俺もたまに聴くんだよね。「ああ、懐かしい!」って。
Q.思い出がたくさんあるのですね。お2人が仲良くなったのは、お互いどういうところに魅力を感じたからだと思いますか?

佐野:撮影中、細かい空き時間がめっちゃ多かったのですが、大兼が「似顔絵、描いていこうぜ」と言って、黒板に落書きし始めたりとか(笑)。

奥平:黒板、あったね。

佐野:「みんなで何かしよう」みたいなことを、先陣を切って始めてくれるんです。キャスト5人といろんなスタッフさんの似顔絵がひたすら並んだ黒板ができあがったりとか、スタートを切って何かしてくれるのが、すごく居心地がいいです。

奥平:みんなもそれに乗ってくれるんですよ。

佐野:「何か面白いことをしよう」とした時の、方向性の察知能力が合うんです。今日もなっちゃん(出口夏希さん)以外の4人のキャストが揃っていて。取材で「皆さん、仲のいい空気感が出ていて、よかったですね」と言われて。照れ隠しでもないですが、僕一人で首をかしげたつもりで見渡したら、ほかの3人も首をかしげていて(笑)。「すごい!」と思って。この息の合い方、ほんまに仲が良かったんやなという感じです(笑)。

奥平:確かに、あれすごかった(笑)。
Q.皆さん同じような空気感で、お2人も今回、大親友のように仲良くなれたのですね。

奥平:仲良くなれたのはもちろんですが、僕、「Aぇ! group」のライブを見に行ったことがなくて。初めてファンクラブに入ったんです。

一同:(笑)。

奥平:人生で初めて入ったのが、「Aぇ! group」のファンクラブ。

佐野:僕の目の前で入ってくれました(笑)。

奥平:やはり主戦場はそちらじゃないですか。だから、ステージで輝く晶哉を見たい。今一番、それがありますね。

佐野:「ライブ、見に行くわ」とずっと言ってくれています。嬉しいですが、これだけたくさん音楽の話をして、「こういう音楽が好き」と語っていて、大兼が好きな音楽も知っているし、大兼がいろんなアーティストさんのライブにめっちゃ行っているのも知っているし、そういう話をした大兼に見られるというのは、恥ずかしさや怖さがあります(笑)。
Q.完成した作品を観て、お互い「あのシーンよかったよ」「頑張っていたな」と思った部分について教えてください。

奥平:僕は5人みんな一緒のシーンが好きです。例えば、一番青春っぽかったのは花火のシーンだよね。

佐野:花火、よかったね。

奥平:やばかった(笑)。青春だったよね。花火をして遊んでいただけだもん(笑)。ああいう何気ないシーンというか、もちろんパラとヅカ2人のシーンもめっちゃ好きなのですが、あえて言うとしたら、ああいう絵に描いたような青春みたいなシーンを経験できてすごく嬉しかったですし、観ているだけでも「いいな」と思えたし、こういう作品ならではのシーンだと思います。

Q.花火は新潟県でのロケで、最後のほうに撮ったのでしょうか?

奥平:最後のほうかもね。

佐野:「花火やるから頑張ろう」みたいな。ほんまに遊びの予定みたいな感じでしたね。

奥平:水族館のシーンも僕、めちゃくちゃ好きです。

佐野:水族館、めっちゃ楽しかったよね。

奥平:水族館にずっと行きたくて、プライベートではなかなか行けなかったのですが、撮影で行けたから「ヨッシャー!」と思って。

佐野:撮影関係なく、館内を回っていたよね。

Q.「このお魚、よかった」などはありますか?

佐野:僕、マンボウに腹が立ちました(笑)。

奥平:マンボウ、やばかったね!

佐野:皆さん、マンボウをじっと見たことはないと思うのですが、ほぼ動かないんですよ。でも大きな水槽で、カメラを引きで撮って、京くんとヅカ越しにマンボウの水槽があってとなると、その場所にマンボウが来てくれないと見えなくて。マンボウがゆっくり上がっていくのを、30分ぐらい待っていたよね。

奥平:マンボウってまっすぐ泳いでほしいのに、微妙に斜めになって泳ぐんですよ。もうちょっとこっち来てくれよ、みたいな。それが可愛かったです。

佐野:みんなでずっとマンボウを眺めていて。

奥平:「マンボウ待ち」がありました(笑)。
Q.青春らしさの感じられる作品ですが、お2人がもし高校生に戻れるならこれをやっておきたい、みたいなことはありますか?

奥平:もっと旅行に行っておけばよかったと思います。僕、中学の友達と中学1年生から毎年夏に旅行に行っていたんですよ。最初は4人だったのが、参加者がどんどん増えていって、最大10人ぐらいになって。ですがコロナ禍もあって、途中から行けなくなって。お仕事もあって、そういう友達の集まりみたいなものに、なかなか行きづらくなったので、旅行とか友達の集まりにもっと行っておけば、もっと楽しい思い出を共有できたのかなと思います。

佐野:ヅカを演じていて思ったのが、運動部のあの感じ、いいなと。

奥平:部活、わかるかも!

佐野:中学から吹奏楽部で、文化部で男子がかなり少なく、高校も音楽科で女子ばっかりで、男同士の運動部を経験していなくて。僕は運動も好きなので、中学、高校でスポーツをやって本気になって汗をかいて、みたいな青春に憧れがありますね。

Q.もしお2人で旅行に行くなら、どこに行きたいですか?

奥平:僕、佐渡です(笑)。

一同:(笑)。

奥平:リベンジしたい。

佐野:校長先生とか、撮影でお世話になった人にも会いに行きたいです(笑)。

Q.ありがとうございました!

[プロフィール]
奥平大兼
2003年9月20日生まれ。東京都出身。
『MOTHER マザー』(20/監督:大森立嗣)でスクリーンデビューし、数々の映画賞で新人賞を受賞。近年の出演作に、『マイスモールランド』(22/監督:川和田恵真)、『ヴィレッジ』(23/監督:藤井道人)、『君は放課後インソムニア』(23/監督:池田千尋)、『赤羽骨子のボディガード』(24/監督:石川淳一)、『Cloud クラウド』(24/監督:黒沢清)、日曜劇場「御上先生」(25/TBS)など。
映画「雪風 YUKIKAZE』が8月15日公開予定。


佐野晶哉
2002年3月13日生まれ。兵庫県出身。
『20歳のソウル』(22/監督:秋山純)でスクリーンデビュー。近年の出演作に、「ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情」(21/ABC)、「あなたのブツが、ここに」(22/NHK)、「離婚後夜」(24/ABC)、『真夜中乙女戦争』(22/監督:二宮健)、『明日を綴る写真館』(24/監督:秋山純)、『ヨウゼン』(25/声の出演)など。
現在放送中のドラマ「Dr.アシュラ」(フジテレビ)に出演中。

<STORY>

みんなには隠している、少しだけ特別なチカラ。
それぞれの“かくしごと”が織りなす、もどかしくも切ない物語。
「自分なんて」と引け目を感じている高校生・京(奥平大兼)は、ヒロインじゃなくてヒーローになりたいクラスの人気者・三木(出口夏希)が、気になって仕方がない。三木の親友で予測不能な言動でつかめない存在の黒田文・通称パラ(菊池日菜子)と、明るく楽しそうな彼女を、いつも遠くから見つめるだけ。そんな三木の幼馴染で京の親友の、高崎博文・通称ヅカ(佐野晶哉)を通し、卒業するその日まで“友達の友達”として一緒にいるはずだった──
ある日、内気な性格の宮里(早瀬憩)が、学校に来なくなったことをきっかけに、5人の想いが動き出す───

本予告


映画概要


【か「」く「」し「」ご「」と「】
5月30日(金)全国公開
主演:奥平大兼 出口夏希
出演:佐野晶哉(Aぇ! group) 菊池日菜子 早瀬憩
監督・脚本:中川駿
主題歌:ちゃんみな「I hate this love song」(NO LABEL MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
原作:住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮文庫刊)
配給:松竹

公式サイト:映画『か「」く「」し「」ご「」と「』
公式X:@eigakakushigoto
公式Instagram: @eigakakushigoto
公式TikTok: @eigakakushigoto

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© 2017住野よる/新潮社

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