【詳細】映画『知らないカノジョ』中島健人 インタビュー

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2025-02-17 20:00:00
中島健人主演、milet映画初出演にして三木孝浩監督の劇場公開最新作『知らないカノジョ』が2月28日(金)より公開!

大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した<リク>と<ミナミ>。それから8年、小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。全てがうまくいっている、そう思っていたリクだったが、ある朝目を覚ますとミナミの姿はなく、出版社に打ち合わせに行くも出会う人々と全く話がかみ合わないことに戸惑いを覚える。なんと人気作家だったはずの自分は文芸誌のいち編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、自分とは知り合ってもいない“前園ミナミ”の姿と曲が溢れていた――。

主人公の神林リクを演じるのは、中島健人。本作では一変した世界で大切な人を取り戻そうと奔走し〈本当の愛〉を知っていく、等身大の役柄を共感性豊かに演じ、新境地を魅せる。ヒロインの前園ミナミを演じるのは、シンガーソングライターの milet 。本作が映画初出演となり、夢を諦めた孤独な妻とカリスマ・ミュージシャンという振れ幅の大きい難役に挑戦。メガホンを取ったのはあらゆる世代の心に響く珠玉のラブストーリーを送り出してきた名手三木孝浩監督。その確かな演出力のもと、唯一無二のラブストーリーを織り上げている。さらにリクとミナミの人生を取り巻く登場人物として、桐谷健太、風吹ジュン、眞島秀和、中村ゆりか、八嶋智人、円井わんら実力派俳優が集結した。

今回、主人公・神林リクを演じた【中島健人】を直撃!2024年3月~5月、中島がグループを卒業したターニングポイントの時期に撮影され「イノセントな状態で臨めた」という本作。今回演じた編集者の役は、取材で会う編集者やライターの姿が演技材料になったという。出演にあたって挑戦的だと思った部分や、リクに共感するところ、miletの歌やお芝居からアーティストとして刺激を受けた部分、桐谷健太との共演秘話のほか、中島のクリエイティブ精神を突き動かす原動力となっているものについてもたっぷりと語ってくれた!
Q.出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

中島健人(以下、中島):三木孝浩監督のお名前を聞いて、僕の中では憧れの監督で、ラブストーリーを撮る監督といえば三木さんというイメージでした。自分としても光栄であり、挑戦であると思ったので、この作品に全身で向き合おうという気持ちになりました。

Q.どういう面が挑戦的だと思ったのでしょうか?

中島:劇場映画で自分の感情を爆発させる、喜怒哀楽一つ一つの感情を強く表現するということをできていたのかなと思っていた時期があって。自分の感情をカメラの前でしっかり出せなかった場合、きっと自信を喪失するだろうなと思って。それが嫌だったので、全身で向き合わなきゃと思いました。

Q.今回は本当に感動するシーンが多かったですよね。

中島:多かったです。自然な表情というか、僕、あんなに泣ける人じゃないんですよ。三木監督には「苦手と言っていたけど、得意じゃん!」と言われたのですが、この環境が自分をそうさせてくれただけです。共演者の皆さんにも感謝です。
Q.役作りで意識した部分について教えてください。

中島:今回はあまり作らないようにしましたね。いつもだったらすごく準備をして取り組んで、カメラマンの役だったらカメラマンのアシスタントとして働いたこともあったし、実際に役作りのためにそういうことをしていたのですが、この作品に関しては「ここまで準備してきたんだからできるだろう」みたいな気持ちを作りたくなくて。ちょうど僕も2024年の3月から4月、グループを卒業してターニングポイントの時期でもあったから、今の自分でどれぐらいこの作品に素直に向き合えるのだろうかと思って。備えもないし、憂いもないという。特別な準備をせず、逆にイノセントな状態で臨めたのが大きかったです。

Q.今回編集者の役でしたが、お仕事に対しても特に深掘りしなかったのでしょうか?

中島:こういう取材で普段編集者やライターの方々と会っているので、それが全部自分の演技材料になったというか。「こういうふうに話を聞くんだ」とか。うちの事務所にも小説家の先輩(※NEWSの加藤シゲアキさん)がいますし。新人作家役の中村ゆりかさんと一緒に仕事するシーン、ディレクションするシーンも、なんとなく自分の中でイメージがあって。普段から一緒にお仕事をしている皆さんの姿を見て「こんな感じかな」とナチュラルに入り込んでいたので大丈夫でした。
Q.リクに共感する部分や、演じていて「自分と似ているな」と思った部分について教えてください。

中島:本当に忙しいと、自分のことしか考えられなくなるところは似ているなと思いました(笑)。僕も没入してしまうタイプなので。自分が楽曲を制作している時に、電話がかかってくると「ああ、思い浮かんでいたメロディーが消えちゃった。歌詞がどこかに行っちゃった」と思ったりもするので。でもよくないですね。いつも穏やかでいたいですね(笑)。

Q.三木監督に長年憧れていたとのことですが、今回「すごいな、さすがだな」と思ったところについて教えてください。

中島:監督から「あまり考えなくていいからね」と言われて。役作りを用意周到にすると未来が予測できてしまうから、監督はきっと予測できない何かが欲しかったんだと思います。僕は「ここでこういう芝居をしたい、こういう演技をしたい」と思うとできないタイプ。的を狙わない方が入るんです。自分の人生の30年間の中でよくわかりました。気づいたら当たっている、狙わないぐらいがちょうどいいなと。三木さんはそれに気づいている人でした。準備しすぎも良くないんだなと。楽曲やパフォーマンスの時は、準備を120パーセントするのですが。
Q.映画の撮影の場合は現場で生まれるもの、その場で感じるものが一番大事ということでしょうか?

中島:そう思うようになりましたね。昔は台本にめちゃくちゃ書き込んで、行間を大事にして、台詞と台詞の間に存在している自分の心情のモノローグみたいなものを全部書き込んでいた時期もあって。ですがそれを考えていると台詞が出てこなくなってしまうこともあったから、良くないなと思って。あまり台本に書き込まなくなりました。昔は理論派ぶっていましたが、感覚派になったかもしれないです。

Q.完成した映像をご覧になっていかがでしたか?

中島:素が出ているから、恥ずかしかったです。作ってないから、全部赤裸々な表情なんですよ。ガチ泣きみたいな感じになっていて(笑)、そこに映画的美が存在したかどうかはわからないです。今回、自分のナチュラルな部分をカメラの前で嘘をつかずに出すというのがテーマだったんですよ。だからmiletさんとよく話していたのは「フィルムの中に入るに際して地続きになっていこう、常にいい空気感を作っていこう」と。miletさんは「このタイミングまでは、この曲をまだ聴かないでね」と言ってくださって。いろんな配慮がもたらした演技の感覚、演技の見え方みたいなものがあったかもしれないです。
Q.オープニングで2人が付き合い始めて結婚して、リクがベストセラー作家になるまでのダイジェスト映像が流れて、それがすごく新鮮ですっと作品に入り込めました。2人が出会っていない世界と、2人が結婚してリクがベストセラー作家になるまでの世界と、どちらを先に撮影したのでしょうか?

中島:できるだけ順撮りで撮った気がします。2人の日常のシーンはほぼ初日に撮りました。miletさんがギターを持って、僕がパソコンを持って背中合わせになって、仲良くしているシーンとか。「あのmiletさんと芝居するんだ!どうなるんだろう?」と緊張しましたが、お芝居のヘルツが近かったので、やりやすかったです。

Q.今回共演されて、miletさんに対して印象の変化などはありましたか?

中島:明るい方ですよね。もっとクールビューティーみたいな感じかと思っていましたが、全然そんなことなくて。朝、ヨーグルトを食べながら「中島さんも食べる?(※モノマネ)」みたいにカジュアルに話してくれて意外でした。

Q.どのようなお話をしながらコミュニケーションを深めていったのでしょうか?

中島:僕がInstagramに載せた「Jasmine Tea」という曲を聴いてくださっていて。「『Jasmine Tea』聴いたよ。いい曲だね(※モノマネ)」と言われて、ちゃんと見てくださっているんだなって。 唯一無二の存在の方ですよね。
Q.本作のキャッチフレーズである「運命なんて、書き換えてやる」にちなんで、これまで自分の運命を恨んだことなどはありますか?

中島:あまりなくて、逆に「運命、ありがとう」と思うことしかないかもしれないです。僕は、運命任せにしない人間なので。

Q.中島さんのプロ魂や日々の地道な努力が、運命任せにしないというところに繋がっているのでしょうか?

中島:何も頑張ってこなかった人が、急に大事な時に「神様お願いします」と言っても、救ってくれるわけがないと思っていて。僕は結構泥臭くて、面倒なことばかりしています。そういうのが大事なんじゃないかと思います。
Q.物語のキーパーソンとなる人物を桐谷健太さんが演じていて、リクの心を揺さぶるようなドキッとする台詞がたくさん登場します。共演されていかがでしたか?

中島:キリケン(桐谷健太)さんはプライベートでも仲が良くて、普通に2人で焼肉にも行きますし、キリケンさんに車で送ってもらったりもしていました。普段から兄貴みたいな感じで、年齢は14歳離れているのですが、仲が良すぎてタメ語で喋ってしまう時があるんですよ。でもキリケンさんもそれを受け入れているというか「全然ええで」みたいな。この間も何の脈絡もなくLINEが来て「健人は健人のままでええんやからな。幸せ噛み締めて生きてこや」みたいな。急に来たのですが「急になんすか?」ではなく「そうっすよね!」みたいな感じになりました。本当に、キリケンさんの歩く場所に道が空くんですよ。だから僕はそこについていくだけの子分です(笑)。それぐらい好きな人だから、お芝居の中でカジュアルな会話をしていても全然違和感がなかったです。もっと言うと、以前ニノくん(※二宮和也さん)が主演の映画『ラーゲリより愛を込めて』で共演していて、めちゃめちゃ極寒の中、歯がガチガチの寒空の中でお芝居して、一緒に乗り切った仲間なので、あの時の絆みたいなものがずっと固まっているというか。やはり貴重なご縁だな。キャスティングに感謝です。
Q.作中でのmiletさんの歌声が素敵でしたが、アーティストとして刺激を受けた部分について教えてください。

中島:僕が初めてmiletさんのパフォーマンスを見たのが2019年、生放送のクリスマスの音楽番組でした。屋外ステージみたいなところだったのですが、真っ黒な衣装を着ていて。僕はSexy Zoneとしてキラキラのアイドルソングを歌ったのですが、miletさんは歌姫ソングを歌っていて「すごいな」とギャップを感じました。多分デビューしたてだったのですが、すごいオーラを身にまとわれていて、別世界で生きる方だと思っていました。そこから歌番組で何回か会って、楽屋挨拶に来てくださるようになったのですが、挨拶に海外の風を感じるなと思っていて。そこから共演と聞いた時に、ミナミのイメージがつかなくて。いざ現場に入ってみたら、親近感のある話し方をしていて、ミナミそのもので。長台詞にもミスがなくて「すごいな、プロフェッショナルだな」と。やはりソロアーティストとしてステージに立ち続けてきたmiletさんのストイックさみたいなものを、お芝居を通じて感じました。「僕も負けられないな、化学反応を起こさないといけないな」と意識した部分があるかもしれないです。「歌も演技も上手いの、ずるすぎるだろ」って。

Q.中島さんもですよね。

中島:僕もですか(笑)?

一同:(笑)。

中島:そうであるといいです。そうであってほしい。ありがとうございます。
Q.最後に、中島さんの内面的な部分について質問させていただきたいのですが、アーティストとして、役者として活動されている中で、クリエイティブ精神を突き動かすもの、原動力は何でしょうか?

中島:僕にとってですか?僕自身、作品を作る上でこの一年で思ったのは、いかに挫折や苦しみを経験するかだなと(笑)。楽しいことだけの人生だと、やはり面白くないんだなと。先日バラエティ番組で、おばあちゃんたちが集まってピザを作るお店の方々と共演して、80代の方だったのですが「人生はいろんなことが起きないと面白くない」と言っていて。僕はまだ30年しか生きていないけれど、やはりいろんなことを経験しないと、歌もお芝居もできないんだなと思いました。やはり何も経験していない人に、喜怒哀楽のお芝居はできないだろうし、必要なのは常に何かアンテナを張り巡らせて、感じることなんだなと。僕は奥行きのある人生を過ごしたいなと思うし、自分にとって良い作品を作るために、これからもどんどんいい経験と大変な経験をしていったほうが、トータルで人生面白いんじゃないかと思います。

Q.ありがとうございました。

[プロフィール]
中島健人
1994年3月13日生まれ、東京都出身。2011年11月にSexyZoneのメンバーとしてデビュー。2024年3月にグループを卒業し、ソロアーティストとしての活動をスタート。その後、キタニタツヤとのユニットGEMNを結成、7月にテレビアニメ「【推しの子】」第2期のオープニング主題歌「ファタール」を配信リリース。2024年12月25日にはソロデビューアルバム「N / bias」をリリース。俳優としても活動し、近年の主な出演作に、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22)、主演映画『おまえの罪を自白しろ』(23)、海外ドラマデビューとなるHuluオリジナル「コンコルディア/Concordia」(Huluにて独占配信中、毎週金曜新エピソード更新/全6話)などがある。

<ストーリー>

大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した<リク>と<ミナミ>。それから8年、小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。全てがうまくいっている、そう思っていたリクだったが、ある朝目を覚ますとミナミの姿はなく、出版社に打ち合わせに行くも出会う人々と全く話がかみ合わないことに戸惑いを覚える。なんと人気作家だったはずの自分は文芸誌のいち編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、自分とは知り合ってもいない“前園ミナミ”の姿と曲が溢れていた――。

本予告


映画概要


【知らないカノジョ】
2月28日(金) 全国ロードショー
出演:中島健人 milet 桐谷健太 中村ゆりか 八嶋智人 円井わん / 眞島秀和 風吹ジュン
監督:三木孝浩(『今夜、世界からこの恋が消えても』『きみの瞳が問いかけている』)
原作:『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題:Mon Inconnue)(ユーゴ・ジェラン監督/2021年)
配給:ギャガ

公式サイト:映画『知らないカノジョ』
公式X:@shiranai_kanojo
公式Instagram:@shiranai_kanojo

©2025『知らないカノジョ』製作委員会

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