【詳細】映画『BISHU 〜世界でいちばん優しい服〜』服部樹咲&岡崎紗絵 Wインタビュー

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2024-10-10 17:00:00
世界三大毛織物(ウール)の産地として世界的に注目されている愛知県一宮市のある尾州地域。昨今様々な問題や課題に悩む工場や企業が少なくない。そんな尾州の背景をもとに、発達障害のため幾多の壁にぶつかりながらも夢に挑戦する高校生の史織と、家族や親友との希望を描くオリジナルストーリー。『BISHU 〜世界でいちばん優しい服〜』が、10月11日(金)先行公開/10月18日(金) 拡大公開。

主人公・史織を演じるのは、映画『ミッドナイトスワン』(2020年)で演技未経験ながら日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、本作で長編初主演となる服部樹咲。東京でファッションデザイナーとして活動していたが、挫折して実家に戻ってきた史織の姉・布美には岡崎紗絵。そして、営む機織工場の閉鎖の危機に揺れながら娘たちを見守る父・康孝に吉田栄作。

そのほか、史織の幼馴染で親友の真理子に長澤樹、ある出来事から友達になる少年・大村満に黒川想矢、憧れのファッションデザイナー瀧本セシルに知花くらら、亡くなった母に代わり世話を焼く伯母・静江に清水美砂など、個性豊かなキャスト陣が集結!

監督は『向こうの家』が「ええじゃないかとよはし映画祭2019」初代グランプリを受賞し、注目を集めた西川達郎。主題歌プロデュースには、Da-iCEの大野雄大やNovelbrightの竹中雄大をボーカルに迎えて制作した楽曲など、様々な音楽分野で活躍している池内ヨシカツが参画、主題歌の歌唱は主演の服部樹咲が務める。

異なる個性と才能が幾重にも紡がれ、まさに尾州で織り上げられる上質のウールのように、観る者を暖かく優しく包み込む感動の物語が誕生した。

今回、本作で主人公・史織を演じた【服部樹咲】と、史織の姉・布美を演じた【岡崎紗絵】を直撃!ともに愛知県出身の2人。姉妹役で共演して素敵だったと思う部分や、吉田栄作、清水美砂との撮影中の思い出、機織り機や糸に触れてみた感想のほか、好きなファッションや「これがあると落ち着く」ものについてなど、和気あいあいとした対談インタビューをお届け♪
Q.尾州ウールの産地を舞台に、織物工場を営む家族の愛の物語です。出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

服部樹咲(以下、服部):初めての長編映画の主演なのですごく嬉しかったです。長編映画に出るのは『ミッドナイトスワン』以来4年ぶりで、新しい私の一面を見せられたらという思いが強かったのと、史織のキャラクターがすごく可愛らしくて見ていて笑顔になるな、と脚本を読んで思ったので、愛らしい部分をうまく演じられたらと思いました。

岡崎紗絵(以下、岡崎):台本をいただいた時にすごく温かくて優しい世界線だなと思いました。家族一人一人の葛藤や友人とのぶつかり合いなど、みんなが経験しているようなことが描かれているので、この世界に入りやすかったです。史織との姉妹特有の距離感、空気感を演じるのが楽しかったです。
Q.服部さんが演じた史織は発達障害で、仕草や歩き方が独特だったり、織物のこととなると早口になったりします。また、岡崎さんが演じた布美は、史織の才能に嫉妬心があり、史織のまっすぐさに心を打たれながらも中々背中を押すことができずに葛藤する姉という役どころです。役作りで意識した部分について教えてください。

服部:発達障害のことについては撮影に入る前に、監督と満役の黒川想矢くんと一緒に、当事者の方たちに取材させていただきました。2時間くらいお話を聞いて、その方たちの学生時代やどう過ごしてきたか、その時感じたこと、細かい動き方、自分のクセなどリアルな部分をお聞きできたので、史織という役への理解がより深まりました。そこから監督と一緒に、動き方や表情などを細かく作っていった感じです。監督の思いとしては、苦手な部分や得意な部分は誰しも持っているから「発達障害だから何かが得意で何かができない」というふうには描きたくないと。知識は知識として入れておいて、史織の可愛らしさや魅力の部分をもっと出せたらと思い、そちらに集中しました。

岡崎:私はファッションを仕事にしている役なのですが、尾州という地域が世界三大毛織物の産地であるということを、この作品と出会って初めて知りました。私の地元愛知県の周りに、こんなに世界に通用するものの産地があったのかと知るところからスタートだったので、本当に驚きでした。今回の役で史織と接していく中で、(吉田栄作さん演じる)お父さんの考えとして「史織にはできないし、心配だからやらせない」「3つの約束をさせる」というのが出てきますが、お姉ちゃん的にはあまりそういうのを制限したくないという思いもあるので、そこはあまり意識せずに現場に入りました。
Q.バラエティ番組でも活躍する岡崎さんの演技がコミカルでテンポがよく、クスっと笑えるシーンもたくさんありました。史織に対してテンポよくツッコむシーンもありましたが、演じていていかがでしたか?

岡崎:史織と(長澤樹さん演じる)真理子のシーンでは友達との絆やぶつかり合いがあって、史織とお姉ちゃんはまたちょっと違う関わり方で。ツッコミはツッコミだったかなと思います(笑)

服部:史織が常にボケていて(笑)。

岡崎:ツッコミたくなる可愛さがありました(笑)。

Q.姉妹役で共演されて「ここが素敵だった」と思う部分について教えてください。

服部:私にも姉がいるのですが、岡崎さん演じる布美が姉とそっくりで。説教っぽいことをチクチク言ってくる感じとかそっくりだったので、そういう部分は本当にお姉ちゃんだなと感じながら演じられました。あとは本当に声が素敵で。聞いていて落ち着きましたし、幸せでした。

岡崎:嬉しい!オーラというか、樹咲ちゃんの醸し出す空気感がこの映画のすべてだと思っていて。お姉ちゃんが遠くで静かに見守っているシーンが後半あるのですが、史織がはばたいていく、どんどん階段を上っていくところを見るのが自分の心情ともリンクして応援したくなりました。噴水のシーンがすごく幻想的で印象に残りました。樹咲ちゃんだからできるシーンだと思いました。
Q.吉田栄作さん、清水美砂さんとの家族のシーンも素敵でした。お2人と共演して、勉強になったのはどのような部分でしょうか?

服部:吉田さんは身長が高くてスタイルもいいので「かっこいいお父さん」みたいな印象があって。緊張していた部分もあったのですが、お話してみたらフレンドリーで気さくな方で。親子役でご一緒できて嬉しかったです。清水さんはすごくポジティブな力をくださって。神谷家の4人で待ち時間を過ごすのも楽しかったですし、その時間で家族の距離感が出来あがっていったのかなと思うので、すごくありがたかったです。

岡崎:私はお父さんとぶつかるシーンが多くて。和やかかと言われるとそうではなかったのですが、吉田さんの爆発力、対峙した時の目の力とか、言い合いのシーンでもバーンと来る感じがあるんですよね。一気にトップギアになる感じが、やはりさすがだな、尊敬するなと思いました。清水さんは本当に自然体で、演じているとかそういう垣根を越えていて。素の時とあまり差がないんですよ。普通にお話しされているかのように、自分が本当に思っているからこそ出てくる言葉のように台詞を落とし込んでいて。どうやったら真似できるのかと思いました。
Q.機織り機や糸、生地に実際に触れてみて、どのような感想を持ちましたか?

服部:初めて工場に入って、すごくいろんな種類の機械があって。細かい糸が一本一本あって、複雑な動作を手作業でやられているのを見て、職人の方ってすごいなと思いました。史織を演じるうえで、慣れた手つきでやらないといけないので頑張って練習しました。糸を結ぶシーンがあって、なるべく結び目を小さくして見えないようにする結び方があって、待ち時間にそれを吉田さんと一緒にずっと練習していました。

Q.岡崎さんはモデルとして活躍されていて、生地に詳しい、こだわりがあるなどはありあますか?

岡崎:「こういう生地がある」などはなんとなくわかってはいたのですが、初めて工場にお邪魔した時に「服って始まりは糸だった!」と立ち返りました。普段あまり考えずに服を着てしまっていたけれど、どういう過程で作られているのか考えるきっかけになりました。私も職人さんに直接お会いしてお話を聞いたのですが、本当に繊細な作業で、知らない工程がたくさんあって、一からまた勉強できたと思います。
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。普段はどのようなファッションがお好きですか?

服部:私はヴィンテージが大好きで。ヴンテージショップによく行くので、来ている服はほぼヴィンテージです(笑)。大きめのシルエットのズボンに、上はピッタリした服を着ています。動きやすくて自分が気に入ったシルエットがいいなと思います。

岡崎:私も割とシンプル系が好きです。可愛らしいのも着るし、ボーイッシュなのも着るし、その日によってなんとなくの気分で決めています。ダボダボなスエットやジャージとか、カッチリしたシャツも好きです。結構いろんなジャンルを好んで着ています。
Q.史織がヘッドホンを付けたり、機織り機の音を聞いたりして心を落ち着かせるシーンもあります。お2人が「これがあると落ち着く」というものについて教えてください。

服部:可愛い動画を観るのが大好きで、赤ちゃんの動画ばかり観ています。

岡崎:わかるー!

服部:SNSを見ていると赤ちゃんかワンちゃんか猫ちゃんがずっと流れてきて(笑)。ハイハイしている赤ちゃんや、言葉が上手な赤ちゃんの動画をよく観ますね。ゴールデンレトリバーやサモエドなど、大きくてふさふさした動物も好きです。

岡崎:私はパソコンのタイピング音が好きです。マニアの方がいるのか、ASMRの音だけを大きく拾ったものがあって。耳がめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。それを聴きながら寝る時もあって、おすすめです(笑)。ずっとカタカタ鳴っているのですが、種類によって音が違って、高めなカタカタとか低めなカタカタとか、いろいろあるんですよ。私は低めにカタカタ鳴っているのが好きなので、それを聴いていると耳が心地よくてよく寝られます。
Q.生地を完成するために奮闘するシーンや、史織が進路に悩むシーンなど、青春らしさを感じるシーンもたくさんあります。完成した作品を観て、お気に入りのシーンについて教えてください。

服部:個人的には黒川くん演じる満と史織の関係が大好きで。音を集めるのが大好きな満と、史織とで、心が通じ合うような場面があって。素敵な関係性だと思います。

岡崎:私は、真理子と史織の敬礼のポーズが好きです(笑)。何回か出てくるのですが、毎回可愛くてほっこりするんですよね。長い間友達で、きっと小さい頃から言葉がなくても通じ合っている。可愛いなと思って。何度でも見たいです。
Q.本作の見どころと、映画を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

服部:優しくて、観ていて癒される映画です。また、夢にまっすぐ進んでいく力強さや、周りの人たちのいろいろな葛藤がリアルに描かれています。私や史織と同世代で夢を追いかけている子たちの、背中を押してあげられる映画になっていると思います。あとは親世代の方たちに観ていただいて、親世代の方は吉田さんに感情移入されると思うのですが、少しでも心が動いてもらえたら嬉しいです。

岡崎:史織の動き出した大きな夢をきっかけに、家族や友達みんなが少しずつ前に進んでいく成長の物語だと思います。史織はもちろん、それによって姉である布美も動かされるし、お父さんも周りのお友達もみんな心が揺れます。ゆったりとした優しい世界線なのですが、エネルギッシュな場面もあり、じっくりゆっくりでいいから少しずつ前に進んでいく大事さを教えてもらえます。観るタイミングによって感想が変わると思うので、いろんなタイミングで観てもらえたらと思います。

ありがとうございました。
ヘアメイク: 長坂 賢
スタイリスト : 小山田 孝司


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[プロフィール]

服部樹咲
2006年7月4日生まれ、愛知県出身。
映画『ミッドナイトスワン』(2020)でヒロインを演じ、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。「docomo future project KAZE FILMS」「meiji」などのCMに出演、「GINZA」ではDIORを着用するなど女優だけでなくモデルとしても活動。月9ドラマ「競争の番人」(フジテレビ/2022)に出演。主演短編映画も多く、2023年11月配信のDMM.TVオリジナルドラマ「EVOL」でトリプル主演の1人を務めた。本作で長編映画初主演。



岡崎紗絵
1995年11月2日生まれ、愛知県出身。
映画、ドラマ、モデル、CMなど幅広く活躍し、数々の話題作に出演。今年4月に放送されたドラマ「GTOリバイバル」(カンテレ・フジテレビ)の出演でも注目を集め、「マウンテンドクター」(カンテレ・フジテレビ)にも出演。現在、放送中の「あのクズを殴ってやりたいんだ」ではボクシングのトレーナー役を演じる。映画では、今泉力哉監督の恋愛群像劇『mellow』(2020)でヒロイン役を好演。近年の出演作に『シノノメ色の週末』(2021)、『緑のざわめき』(2023)などがある。

ストーリー

グランプリは、賞金300万!デザインの商品化!2週間のパリ研修!
<参加条件>デザインは自分たちで描くこと、服のイメージに合ったモデルを自分たちで用意すること。

高校生の史織は、毎朝7時、目覚まし時計代わりの軽快な機織りの音で起きる。明るく誰に対しても優しい性格だが、配膳の配置や歩き出しの足など生活習慣へのこだわりが強く苦手なことも多い。ある日、史織が描いた服のデザインを、親友の真理子が校内のファッションコンクールにエントリーする。さらに、真理子の提案で一宮市のファッションショーにも出品することに…真理子の協力のもと史織の服作りが始まった。それを知った姉の布美は、挫折した経験を史織に重ね、応援したい気持ちと背中を押せない気持ちの板挟みになり、父の康孝は史織が傷つくことを恐れ猛反対するのだった。だが、史織自身は服作りへの挑戦を通して様々な人々と関わったことで、ある想いが次第に強くなっていく...

映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』予告編/服部樹咲が歌う主題歌音源初解禁!


映画概要


【BISHU ~世界でいちばん優しい服~】
10月11日(金)先行公開 / 10月18日(金)拡大公開
出演:服部樹咲 岡崎紗絵 長澤樹 黒川想矢 知花くらら 田中俊介 山口智充(友情出演) 近藤芳正 吉澤健
清水美砂/吉田栄作
監督:西川達郎
脚本:鈴木史子 西川達郎 義井 優
音楽:小山絵里奈
製作総指揮:神谷哲治
プロデューサー:森谷 雄 竹田太郎
製作:「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会
(神谷商会、フォワード、ケイ・クリエイト、イオンエンターテイメント、TK 事業開発研究所)
製作幹事:フォワード
制作プロダクション:アットムービー
配給:イオンエンターテイメント

公式サイト:映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』
公式X:@bishumovie
公式Instagram: bishumovie
公式TikTok: @bishumovie

©2024 映画「BISHU 世界でいちばん優しい服」製作委員会

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