【詳細】映画『言えない秘密』古川琴音 インタビュー

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2024-06-24 18:00:00
「SixTONES」としてデビュー後、京本大我が初の映画単独主演を務めることで話題を呼び、確かな演技力で魅了する古川琴音が初めて恋愛映画のヒロイン役に挑戦した注目の映画『言えない秘密』が、6月28日(金)に全国公開。

メガホンを取るのは、映画『鈴木先生』『俺物語!!』『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』など数々の話題作を手掛けてきた河合勇人監督。

過去の出来事からトラウマを抱えた音大生・湊人(みなと)は、どこか謎めいた雰囲気のある雪乃(ゆきの)が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出逢いを果たす。自然と惹かれ合い、雪乃の天真爛漫なキャラクターと心動かすピアノ演奏は、湊人が抱えるトラウマを癒し、やがて2人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものになっていく。しかし、ある日突然雪乃は湊人の前から姿を消してしまう――。

今回本作で、雪乃を演じた【古川琴音】を直撃!恋愛映画で初のヒロイン役を演じた感想や、書き下ろし楽曲「Secret」を弾いてみての印象、改めて知ったピアノの魅力、京本大我との共演秘話のほか、身の回りで起きた運命的なできごとや、女子大生時代の思い出、今一番上達したいことについてもたっぷりと語ってくれた!
Q.恋愛映画で初のヒロイン役として、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

古川琴音(以下、古川):まさか自分にラブストーリーのヒロインのオファーが来ると思っていなかったので、意外でした(笑)。驚きもありましたし、果たして務まるのだろうかというプレッシャーも感じていました。でもそれ以上にこの物語を好きになったので、本当にいいお話をいただいたな、と思って。プレッシャーもあったけど、それ以上に楽しみな気持ちの方が強かったです。

Q.ヒロイン役に憧れのようなものはありましたか?

古川:憧れはあったと思います。そもそもあまりラブストーリーを観てこなかったんです。ラブストーリーはお客さんの心をつかまないといけないから、自分にできるだろうか、という心配はありました。ですが自分がおばあちゃんになって、若い頃の自分を見返そうと思った時に観たくなる作品だろうなと思って。それくらい瑞々しい映画になっているので、監督や京本さんに感謝しています。

Q.雪乃はミステリアスで先の行動が読めない、魅力的な女の子です。役作りでどのような部分を工夫しましたか?

古川:ミステリアスということに関してはあまり意識していなくて。私も台本を初めて読んだ時に、雪乃が人間離れしているというか、ピュアでふわふわしている印象があったのですが、きっと台本通りに演じた結果ミステリアスに映ったのだと思います。雪乃を演じるうえで一番大切にしていたのは、湊人に対する思い。自分をすり減らして湊人に会いに行く、そこが雪乃の美しさであり魅力だと思ったので、湊人への強い思いを大事に演じました。

Q.雪乃の湊人に対する仕草があざとくて、相手をドキッとさせるのがうまいなと感じました。何を意識して演じましたか?

古川:本当に意識していなくて。台本を読んでいる時から雪乃にはドキッとさせられていました。自分の名前を教えるタイミングなど、存在自体がずっと謎で、言えない秘密のある女の子です(笑)。
Q.書き下ろし楽曲「Secret」を初めて聴いた時の印象を教えてください。

古川:心をキュッとつかまれるというか、メインのメロディの部分が讃美歌っぽい感じもして。教会で鐘が鳴っているような感じにも聞こえるし、この映画にピッタリの曲です。聴いているだけで湊人と雪乃が過ごした日々が走馬灯のように見えそうです。撮影が終わった今でも練習しています。

Q.ご自身でこの曲を練習していく中で、曲への思いは変化しましたか?

古川:自分で弾いていると、どこで盛り上げるか、どこで強く弾くかを意識するようになります。音が変わるところも、サビの派手さとは違う、雨粒が落ちてしみていくような感じです。湊人の気持ちと雪乃の気持ちが、お互いにどんどん浸食しあっていくような、物語が見える曲になっています。表現したい部分がたくさんあるなと、弾いていて思います。サウンドトラックを買う人も多いと思いますし、もし楽譜が発売されたら弾きたい人もたくさんいると思います。

Q.原案は台湾発の純愛映画だそうですが、オリジナルを観た感想を教えてください。

古川:ラブストーリーなのですが、少し怖かったんですよね。秘密がわかるシーンで、ヒロインの思いの強さが現れていて。祈りと狂気を感じて、こんなラブストーリーがあるんだという新感覚でした。だけど、狂気、ドキッとするというのが、この物語の美しい部分でもあると思ったので、私が同じシーンを演じる時にも、そうした狂気を少し意識しました。

Q.雪乃と一緒に過ごしている時の湊人が、ノリノリですごく楽しそうです。京本さんと距離を縮めるために、行ったことはありますか?

古川:ピアノの練習で自然と縮まっていきました。連弾のときには物理的に距離も近いですし、お互いに応援し合いながら2人で練習して、ピアノに助けてもらって仲良くなれたと思います。

Q.今回の役を演じて、改めて知ったピアノの魅力について教えてください。

古川:一つの楽器で一曲仕上げられる楽器ってあまりない気がして。右手と左手で全然違う動きをしていて、自分の中にいろんな楽器がいるような感じです。もっとうまく弾けるようになったら自分の世界をそのままピアノで表現できるし、そこが楽しいんだろうなと思います。

Q.古川さんご自身も幼少期にピアノを習っていたそうですが、思い出に残っていることについて教えてください。

古川:幼稚園から小学4年生まで習っていました。発表会やクリスマスパーティーで自分がスポットライトを浴びるとわかった時は、普段以上に張り切ってめちゃくちゃ練習していた記憶があって。練習がすごく楽しかったのを覚えています。
Q.クリスマスパーティーでのダンスシーンは、どのように2人で息を合わせたのでしょうか?

古川:ピアノの連弾は、京本さんがピアノ未経験だから私が引っ張っていきましたが、ダンスに関しては京本さんが引っ張ってくれました。とにかく楽しかったです。振りを入れる前の日に撮影がみっちりあって。疲れを引きずったまま撮影に入ったのですが、疲れているからこそのハイテンションになり、心の底から楽しむことができました。

Q.本作でピアノ指導をした先生とは、どのような関係性でしたか?

古川:今でもすごく仲が良くて(笑)。一緒にミュージカルを観に行ったりしています。指の動きだけでなく、タッチや楽譜に書いてある行間も教えてくださる先生でした。雪乃の気分が落ち込んでいたり、悩んでいたりする時に「ノクターン」を弾いているのですが、メロディに階段から落ちるような音があって。技術としてはもちろん、曲のムードについても教えてくださいました。

Q.ピアノの演出は、ピアノ指導の先生がされたのでしょうか?

古川:どうやったらもっとピアノと一体化してエモーショナルに音が聞こえるかということに、すごく関わってくださって。ピアノがどこから見えたら2人の気持ちが伝わるか、とか。まさにピアノの演出家という感じでした。

Q.目にうっすら涙を浮かべたり、号泣したりなど、古川さんの泣く演技のバリエーションが幅広くて感情移入でき、作品の世界にどっぷり浸れました。ご自身の演技で大変だったところについて教えてください。

古川:今回は物語の流れ通りに撮影していきました。体をどんどん節制して、体力がなくなっていくのに、気持ちは発散させなければいけなくて。後半に行けば行くほどつらかった記憶があります。体の状態も相まって自然と感情が沸いたのですが、体力的にはしんどくて。しんどさに役作りを助けてもらっていました。

Q.後半に向けて体を絞っていったのですね。

古川:差し入れのお弁当やお菓子が大好きなのですが、今回は食べられなかったです。撮影中は、トレーナーの先生についていただいて食事の相談をしていたのですが、一日に決まったカロリーしか摂れなくて。そのカロリーに収めるには、決まった食材しか食べられないんです。

Q.暑さも体力的につらかったですか?

古川:そうですね。湊人のピアノバトルのシーンは河口湖のホールで撮ったのですが、演奏中空調の音が入ったらいけないので、エアコンを切らないといけなくて。天気もよくて、人も多くて、熱気もすごかったから、とても暑かったのを覚えています。
Q.湊人と雪乃が海辺ではしゃぐシーンの撮影はいかがでしたか?

古川:海にどっぷり入って服が濡れるので、一回で決めないといけなくて(笑)。そういった意味でプレッシャーはありました。また、初々しい2人の空気感を表現するのに苦労しました。

Q.プレゼントを渡すシーンも印象的です。古川さんご自身がもらったものの中で、印象に残っているプレゼントについて教えてください。

古川:誕生日に友達が手作りのマグカップをくれて。私と友達しか知らない言葉とか、私を猫にアレンジしたキャラクターをカップに描いてくれていて。その人にしかできないことだったので、嬉しかったです。

Q.自分が渡す側になったら、何を意識してプレゼント選びをしますか?

古川:選ぶのは結構好きなんです。喜んでもらえるかな、というのを一番に考えていて。プラス、その人の世界を広げられたらいいな、と。自己満足みたいな感じなのですが、その人に似合うもので、今まで使ったことがないようなものとか、日常使いしているけど、そのさらに質のいいものをあげたりとか。

Q.音大生を演じてみて、どのようなイメージを持ちましたか?

古川:研究者のイメージです。作曲家のことをよく勉強されていて。実際に先生たちに話を聞いたら、その曲が作られた時代背景など深いところまで勉強したうえで、それを自分の感覚に落として、「現代」で弾く。技術だけでなくいろんな知識、経験、感性の積み重ねだと思います。もともとすごくストイックなイメージがあったのですが、実際にお会いして、より一層強まった感じです。

Q.河合組の撮影現場の楽しさについて教えてください。

古川:河合監督とスタッフさんの信頼関係、コミュニケーションがうまく取れていて、安心して臨めました。土台ができているからあとは自分次第。自分の演技に集中できましたし、監督がすごく優しい方で、モニターを観ながら一緒に泣いてくださいました。雪乃はどんどん孤独になっていく役柄でしたが、私自身は孤独にならず、皆さんのサポートを得てできたと思います。
Q.湊人の表情がアップで映し出される場面も多く、にこっと笑った顔や小さく微笑んだ顔、困り顔などが見られ、ファンの方にはたまらないと思います。古川さんから見て、「この顔の湊人が好き」などイチオシはありますか?

古川:大学の講義で後ろを振り向いた時に目を合わせてくれるシーン。その時の表情がささやかだけど、いいなと思います。

Q.キュンとしたシーンについても教えてください。

古川:手のカットがあるのですが、2人の手が近づいていく過程、その時間がすごくキュンとしました。もちろん表情が映っているシーンで、素敵に撮ってもらったな、物語としていいなと思う部分もありましたが、一番印象に残っているのは2人の手が映っているところです。

Q.作中で湊人と雪乃が運命的な出会いをしますが、古川さんご自身が運命的だと思ったことについて教えてください。

古川:猫と一緒に暮らしているのですが、1年前に拾ったんですよ。運命だなと思いました。猫が外で泣いているのが聞こえて、探しに行ったら見つけてしまって。抱き上げた時に、ピタッと泣き止んだんです。その時すごく忙しかったから、自分が育てるとは思っていなかったのですが、一日面倒を見ていたら、離れられなくなってしまって。今もずっと一緒にいます。何よりも癒しの存在です。黒と白のハチワレで、鼻の下で割れているから仮面をかぶっているような顔です。今まで実家で3匹飼ったことがあって、私が一人で育てるのは初めてです。毎日自然と写真を撮っていて、携帯の写真フォルダはほとんど猫です。朝、猫が起こしに来てくれて、抱っこしてじゃれていると、今日も頑張ろうと思います。
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。原宿周辺や都内で、好きな場所や思い出の場所はありますか?

古川:代々木公園です。歩きながらでないと台本を覚えられなくて。自分の台詞をボイスメモに入れて、それを聞きながら歩くのですが、家の周りの散歩に飽きた時に代々木公園まで行って覚えることもあります。

Q.SGSには現役女子大生の読者もいるのですが、ご自身は振り返ってみてどのような女子大生でしたか?大学時代の思い出で、心に残っていることはありますか?

古川:英語劇のサークルが本当に忙しくて。大会に向けて日々練習する毎日でした。友達と泊まりに行くなど、サークルでの思い出はたくさんありますが、大学生らしいおしゃれはあまりしてこなかったので唯一そこが心残りです(笑)。

Q.湊人は雪乃と出会い「雪乃と一緒にいるともっとピアノがうまくなりたいと思える」ようになり、一心不乱にピアノの練習に打ち込みます。古川さんご自身が今一番上達したいと思っていることや、熱心に打ち込んでいることについて教えてください。

古川:英語です。先日海外で仕事をする機会があって、その時に自分の英語が想像以上に通じなかったり、自分が言いたいことをうまく英語にできなったので、最近また英語を勉強し直したり、習い始めたりしています。機会があれば海外の作品にも出演したいです。

Q.初号で試写を観た時のエピソードを教えてください。

古川:初めて自分が出た映画で泣きました。自分が出ているという意識を持たずに観ることができたのは、たぶん初めてで。最初は自分が恋愛している姿を観るのに抵抗があったのですが、湊人と雪乃が生きているというのを確認できて、ホッとしました。映像もすごく綺麗で、この作品に出演できたことへの感謝の気持ちがあふれて胸がいっぱいになりました。

Q.ピアノを習っている読者や、音楽系の部活動に加入している読者も多いです。音楽を趣味にしている方に向けた見どころを教えてください。

古川:この役を演じてみて、音が伝えるメッセージって、言葉以上に伝わるものが多いと感じました。湊人と雪乃をつなぐのも音楽だし、音楽によって作品の世界に引き込んでいってもらう要素が強いです。「Secret」はこの映画のためだけに作られた曲なので、ピアノや曲にも注目してほしいです。

ありがとうございました。


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[プロフィール]
古川琴音
1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年女優デビュー。ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いた映画「偶然と想像」(21)の1編で主演を務める。その後も『十二人の死にたい子どもたち』(19)、NHK連続テレビ小説「エール」(20)、『今夜、世界からこの恋が消えても』(22)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(23)、ドラマ「ACMA:GAME アクマゲーム」(NTV/24)などの話題作に立て続けに出演。待機作にはフジテレビ7月期月9ドラマ「海のはじまり」(7/1放送開始)、映画『お母さんが一緒』(7/12公開予定)、映画『Cloud クラウド』(9/27公開)などがある。

本予告


映画概要


【言えない秘密】
6月28日(金) 全国ロードショー
出演:京本大我 古川琴音
横田真悠 三浦獠太 坂口涼太郎 / 皆川猿時 西田尚美 尾美としのり
監督:河合勇人
脚本:松田沙也
音楽:富貴晴美
主題歌:「ここに帰ってきて」SixTONES(Sony Music Labels)
配給:ギャガ

公式サイト:映画『言えない秘密』
公式X:@Ienai_H_movie
公式Instagram:@ienaihimitsu_movie

©2024「言えない秘密」製作委員会

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