【詳細】映画『右へいってしまった人』平松賢人 インタビュー

Interviews 映画
2023-12-08 10:00:00
映画『KATACHI』で長編デビューを飾った堂野アキノリ監督2作目長編作品『右へいってしまった人』が、全国劇場にて公開中。本作は、BOYS AND MENの平松賢人を主演に迎え、実在する巨大シェアハウス、オークハウスを舞台に、パラレルワールドを題材としたラブストーリーだ。

主人公でSUNSET SEASONというバンドのボーカル・鷹介には、東海地方を中心に、歌にダンス、ドラマ、バラエティと幅広い活躍を見せるボイメンことBOYS AND MENの平松賢人。鷹介の妻・水帆には高田夏帆。鷹介の友人でありSUNSET SEASONのギターを担当している修二を演じるのは、財木琢磨。鷹介の所属するバンドメンバーの康太と鉄平役には、「ブルゾンちえみ with B」として活動した元ブリリアンの杉浦大毅と、俳優・モデルとして活動する藤城颯眞。鷹介たちが住むオークハウスに10年以上住み続ける真美を演じるのは、沢井美優。SUNSET SEASONファンであり、彼らの活動をサポートする沙耶香には、内木志。オークハウスの住人で水帆とも仲良しな愛歩には、奥田こころ。そして、オークハウスの清掃員で、パラレルワールドで新しい人生を歩むきっかけを鷹介に与えてくれる、人生のアドバイザー・田村仁には、数多くの作品に出演する名バイプレイヤーの津田寛治。さらに、主題歌を歌う夏川りみも本人役で特別出演。

鷹介は、シェアハウスで生活していた20代の頃の夢を見るうちにパラレルワールドへと迷い込み、夢から醒めることなく、過去の世界が日常となってしまう。たった一つの選択の違いで未来が変わってしまい、妻になるはずだった水帆とすれ違い、彼女はパラレルワールドの世界線上では親友の修二と付き合ってしまう。「大切なものは失ってから気づく」といった修二の言葉の通り、水帆と一緒になれなかった人生を体験した鷹介は「あの時もう一方の選択をしていたら・・・」と後悔の気持ちを抱えながら、本当に大切なものは何だったのかに気づいていく。大切な人の名前を呼び、走る鷹介は大切なものを手に入れることができるのか?

今回、本作で主人公・鷹介を演じた【平松賢人】を直撃!28歳と40歳のシーンを演じた感想や、海のシーン、シェアハウスでのシーン、仲間とライブするシーンの撮影中の思い出、鷹介に共感する部分、劇中歌の中で心に響いた歌詞のほか、毎日している小さな後悔や、2023年を振り返ってみてなど、ファン必見の秘エピソードも盛りだくさん♪
Q.本作が映画初主演とのことですが、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

平松賢人(以下、平松):今までお芝居を主戦場でやっていなかったので、「映画の出演のお話か、ありがたいな」と思っていたら「主演だよ」と言われて、ドッキリかな、と思いました(笑)。以前楽曲製作でお世話になった堂野アキノリさんが監督で、名古屋でレコーディングしている時に「実は俺、映画監督もやっていて」というお話を聞いていました。地元が同じで映画も音楽もやっていて、けっこう通ずる部分が多くて。もしかしたらまた一緒にお仕事できるかもな、と思っていたら、すごいスピード感でこのお話をいただいて、ビックリしました。

Q.作中で歌を歌うシーンも多いですが、プレッシャーなどはありましたか?

平松:主演となるとこんなに比重が大きいんだな、と感じました。歌は自分の中で自信がある部分なので、お芝居だけでなく歌でも表現させてもらえるというのは、自信が持てたというか、より自分の魅力を出せるかも、と思いました。
Q.28歳と40歳のシーンを、どのように意識して演じましたか?

平松:めっちゃ難しかったです。40歳のまま夢を見てお話が進んでいくから、けっこう中身が40歳なんですよ。40歳になった時に自分はどうなっているかな、と思ったのですが、15歳でこの業界に入って今29歳、14年くらいやっていて、意外と中身は変わっていなくて。無理して老け込む必要はないのかな、と思って。ですが、いろんな社会のストレスがあったり、生活も充実していなかったり、というところで疲れや暗いオーラ、どんよりした空気はあるだろうな、くたびれた感じを表現したいなと思って。見た目の部分では、20代を演じている時は、ヘアメイクをして、お肌も加工していただいたのですが、40代のシーンを演じている時は、髪を真っ黒に染めて、メイクもやめて、すっぴん。ヒゲもざっくり剃って。一応身だしなみは整えるけれど、長年会社勤めをしていると、手を抜き始めてしまうのかな。抜き始めたがゆえに、生活がだらけ始めているのかな、ということで、なるべくざっくりの平松でいきました。

Q.主人公の鷹介に、共感した部分について教えてください。

平松:「なんであんなこと言っちゃったんだろう」とか「なんであれやらなかったんだろう」みたいな後悔って、毎日あったりするじゃないですか。些細なミスが連鎖してこうなったところもあるので、リアリティがあって、共感できる部分しかない。夢からさめないというのは非現実的ですが、それ以外の部分は結構リンクする部分があると思いました。僕は平和主義なので「ちゃんと言葉で伝えよう」とか、「優しくしてあげよう」と思っているのですが、それでもやらかしてしまう時はあります。相手の優しさに気が付いているのに「ありがとう」って言えなかったとか。台本を読みながら、鷹介に対して「思っていることを言えよ」と感じていました。
Q.周りの人々と、すれ違いになってしまうシーンも多いですよね。

平松:その時代を生きているみんなと、夢で戻ってしまった自分とでちぐはぐで、今一つ馴染めずに撮影が進んでいきました。「オークハウス」という実際にあるシェアハウスで撮影していて、みんなが集まれる大きい広間があるのですが、そこにボードゲームやマンガがあってみんな遊んでいる中、それを横目に僕はお芝居していました。「いいな」と思いながら。

Q.共演者の方との撮影中の思い出について教えてください。

平松:思い出は無限にあります。海のシーンの撮影中は、やはり日焼けするんですよ。日傘の数が限られていたので、女性俳優の方々に「日傘を使っていいですよ」と言った結果、男性俳優が日焼けをめちゃくちゃしていました。映画のキャスト紹介のHPを観ると、首元や鼻先など「なんでそんなに赤いんだろう?」という感じです。キャストみんなのグループLINEでも、その話で盛り上がっていました。

Q.沢井美優さん演じる真美と、屋上で語り合うシーンも印象的でした。

平松:あのシーンは結構すんなり撮れました。作中ではあまり鷹介に寄り添ってくれる人がいなくて。僕自身も悩み事を誰にも話さず、自分で消化するタイプで。ですが、「自分は最近こんな感じなんですよね」と話してみると、自分と違う人生を生きているからこそのヒントをサラッと与えてくれるんだな、と思って。人と話すことの大切さを、あのシーンで伝えてくれているのかなと思います。
Q.仲間とライブするシーンはいかがでしたか?

平松:挿入歌の「POTSUN」のイントロの部分は、頑張ってギターを練習して弾けるようになりました。「BOYS AND MEN」はみんなで歌って踊ってというグループなので、バンドというものはこんななんだ、と感じられたし、同じ場所に寝泊まりして同じシーンも多かった仲間たちなので、結構ノリが合うというか、アイコンタクトを取っても恥ずかしさもなかったし、本当にライブという感じで楽しめました。

Q.鷹介が水帆を思って歌う、ストレートな歌詞が心に刺さりました。平松さんご自身の、心に響いたフレーズについて教えてください。

平松:「POTSUN」という曲の最後の「あなたはもう僕のところに戻ってこない だけどいざとなれば君を迎えに行く準備だけはいつもしているから」という歌詞です。「男ってそうだよな。忘れられなくなっちゃうんだな」というところが如実に出ています。40歳の鷹介の日常では「なんでこの人と結婚したんだろう」みたいな気持ちもあったけれど、夢の中を歩んでいく中で、昔に戻りたいという感情を吐き出した歌詞でもあって。戻りたい、だけど戻れるという確証はなくて。僕の中では諦めもあって。映画公開前にキャンペーンで歌だけ歌って、歌詞を聴いただけで涙してくださる方もいらっしゃったのですが、映画を観て、ストーリーがわかった上で、水帆がライブを見ている表情や、僕が歌っている姿をスクリーンで観ると、だいぶ沁みるのではと思います。
Q.先ほど、毎日小さな後悔をしているとお話しされていましたが、具体的にどのようなことを後悔していますか?

平松:親子関係はむずがゆいな、と思って。「目を合わせて、親に対してありがとうくらい言えよ」と、自分で思うんです。雨が降っている時に送り迎えをしてもらうことがあるのですが、なぜか「行ってきます」は言うけど「ありがとう」は言えなくて。毎回自分に「言えよ」と思うのですが、むずがゆくて言えないんですよ。

Q.12月1日(金)から本作が公開中ですが、2023年を振り返ってどんな1年だったと思いますか?

平松:自分に運気が向いてきているような1年だったと思っています。映画主演も初めてでしたし、カンボジアに初めて行って、コンサートをさせてもらって、めちゃくちゃ盛り上がったんです。というのも手ごたえがあったし、今年に入って趣味でやっていたカメラの写真展も2回開催しているし、演歌や歌謡曲をソロで歌うコンサートや番組出演も増えてきました。去年と今年は、おみくじを引いても大吉しか出ない。すごい年でした(笑)。飛躍するための一年になったという感じかな。
Q.作中で鷹介と修二はお互い水帆に思いを寄せていきますが、平松さんご自身が、もし友達と同じ人を好きになったらどうしますか?

平松:昔好きな女の子がいて、向こうからも好きだよ、みたいなアピールをもらっていて。知っていたにもかかわらず、自分からアタックすることはなく。仲は良かったのですが、その先に進まずでいました。ある日、その女の子と男友達と3人で帰っていて、別れで僕は右に、もう2人は学区が違ったので、左に帰っていきました。「じゃあ」と別れて、少し歩いて後ろを振り返ったら2人が手をつないでいて、「あれ!」と思って。同じ女の子を好きで、たまたま男友達が先にアタックして、というのが実際にあって。あの光景は今でも忘れられなくて、鮮明に覚えています。
Q.10代から20代の女の子に向けて、作品の見どころを教えてください。

平松:誰しもミスを犯すこと、選択を間違うことはあって。選択を間違ったがゆえに、自分の思っていた人生とは違う、ということもあると思います。津田寛治さん演じる管理人さんが、作中で「まだまだ若いから、どんな選択をしてもしめたものですよ。それはそれでうまくいくルートもあるんですよ」ということを優しく教えてくださって。間違いを引きずるのではなく、間違えたからこそ見えてくる人生とか、間違えた人にしかできない経験があると思います。選択を間違えたからこそ見える景色を大切にすると、新しい世界が見えてくると思います。

ありがとうございました。


▼▼ [プレゼントの応募はコチラ] ▼▼

[プロフィール]
平松賢人
1994年生まれ。2010年に結成の男性エンターテイメントグループ「BOYS AND MEN」のメンバー。
現在、東海エリアを中心にテレビ・ラジオのレギュラーを多数もち、ソロとしてもドラマ、映画で活躍。2020年『BOYS AND MEN 10th Anniversaryボイメン全国ライブツアーBARBARI☆PARTY』では構成、演出、映像用の素材撮影にも携わる。主な出演作に、『サムライ・ロック』(15)、『復讐したい』(16)、『BOYS AND MEN〜One For All, All For One〜』(16)、『クハナ』(16)、『キスできる餃子』(18)、『人狼ゲームインフェルノ』(18) 、『バイバイ、ヴァンプ!』(20)、『SOMEDAYS』(23)など。本作が映画初主演。

<ストーリー>

40歳の鷹介はシェアハウス生活していた時代に、仲間と海へ遊びに行った28歳の時の夢を連夜見る。その夢の中、現実では左の駐車場に停めるはずだった仲間と乗り合わせた車は、右の駐車場へと停まる。その日出会うはずだった、同じシェアハウスで暮らしていて別のグループで海に来ていた若かりし頃の妻、水帆と鷹介は、出会わない。ある日、また同じようにその海へ行った過去の夢を見るが、鷹介はその夢から朝覚めることができず、そのまま日常となり、パラレルワールドへと迷い込む。過去の世界にタイムリープしてしまった鷹介は、左ではなく、右の駐車場に車を停めるという、たった一つの選択の違いで水帆とすれ違い、水帆は、その世界線上では鷹介の親友、修二と付き合ってしまうことになる。妻と一緒になれなかった人生、そのパラレルワールドで鷹介は本当に大切なものが何だったのかを気づかされる日々を過ごしながら、当時目指していた音楽家への道を諦めることなく、もう一度目指すことにする。

本予告


映画概要


【右へいってしまった人】
全国劇場にて公開中
出演:平松賢人(BOYS AND MEN) 高田夏帆 財木琢磨
杉浦大毅 藤代颯眞 沢井美優 内木志 奥田こころ 石川勇気
夏川りみ(特別出演) 津田寛治
監督・脚本:堂野アキノリ
主題歌:夏川りみ 「春夏秋冬」(ビクターエンタテインメント) 
配給:TOKYO RABBIT RECORDS
配給協力:REGENTS

公式サイト:映画『右へいってしまった人』
公式X:@hidarihego
公式Instagram: @the_turn_right_man

©️2023「右へいってしまった人」製作委員会

この記事の関連キーワード

映画

以下のハッシュタグを付けてツイッターに投稿すると、その投稿内容が自動で抽出されこちらのページに表示されるようになります。

Tweet - 0

Tweet Loading

Related News

News Categories

News Search

Coming Up