【詳細】映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』川井田夏海&大塚剛央 Wインタビュー

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2023-10-19 17:00:00
⼩学館「ビッグコミック増刊号」で2017年から連載を開始し、「第25回⽂化庁メディア芸術祭 マンガ部⾨優秀賞」を受賞した、⻤才・⻄村ツチカによる「北極百貨店のコンシェルジュさん」(⼩学館)が待望の映画化が決定、10⽉20⽇(⾦)に公開!監督は、『パプリカ』(2006)、『風立ちぬ』(2013)など多くの作品に原画として参加し、「ボールルームへようこそ」(MBS/2017)でTV アニメ初監督を務めた板津匡覧が、満を持して初の劇場版アニメ監督を務めます。脚本は、第1回市川森一脚本賞を受賞したTVドラマ「恋するハエ女」(NHK/2012)や「忘却のサチコ」(テレビ東京/2018)、「凪のお暇」(TBS/2019)など数々の話題作を手掛けてきた大島里美。豪華スタッフが集結した本作を「ハイキュー!!」「PSYCHO-PASS サイコパス」「攻殻機動隊」など、作品のテイストに合わせたハイクオリティな映像に定評があり、国内に留まらず海外での評価も⾼い Production I.G が制作する。キャラクターデザインには、TV アニメ「⾵が強く吹いている」(⽇本テレビ/2018)で初作画監督を務めた若⼿実⼒派クリエイターの森⽥千誉。そして、⾳楽プロデューサー、DJとして様々なアーティストのプロデュースや楽曲提供、楽曲のリミックスを⾏う tofubeats が劇中の⾳楽を担当する。

新人コンシェルジュとして働く主人公・秋乃を、TV アニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う」(2021/結城あさみ役)、「RPG不動産」(2022/ルフリア役)、「百千さん家のあやかし王子」で主演・百千ひまり役にも抜擢され今最も勢いのある川井田夏海、百貨店内をなぜかいつも歩いている謎のペンギン・エルルを、2020年声優アワード新人男優賞を受賞し、TV アニメ「【推しの子】」(2023/アクア役)でも注目の大塚剛央、そして、ケナガマンモスの造形作家・ウーリーを、「テニスの王子様」「呪術廻戦」など人気作品に多く出演し、俳優としても活躍中のトップ声優・津田健次郎が演じる。

今回、本作で主人公の新人コンシェルジュ・秋乃を演じた【川井田夏海】と、謎のペンギン・エルルを演じた【大塚剛央】を直撃!役作りで工夫した部分や初共演した感想、豪華キャストの方々から影響を受けた部分のほか、新人声優時代の思い出やもらって嬉しかったプレゼント、身近で起きた心温まるできごとなど、気になる素顔が垣間見えるお話もたっぷり♪
Q. 出演が決まった時どのようなお気持ちでしたか?

川井田夏海(以下、川井田):とにかく嬉しくて。結果を聞いた時に外にいて「やったー!!」と叫びそうになったのですが、静かに「やったー」と言いました(笑)。家に帰って改めて原作を読み返しながら、本当に秋乃を演じられるんだ!とさらに嬉しくなりました。

一同:(笑)。

大塚剛央(以下、大塚):僕はオーディションで別の役を受けていて、「エルル役でもう一度来てください」と言われたので「求められているのはエルルの方なんだ」と思いました。エルルの役柄を考えると「果たして自分なのか。もっと芸歴を重ねている方がやってもおかしくない役だな」と思っていたのですが、受かって嬉しかったし、驚きもあったし、ちょっと大変な役かも知れないな、と(笑)。身が引き締まる思いでした。
Q.川井田さんは新人コンシェルジュ秋乃役、大塚さんは謎のペンギン・エルル役ですが、演じた役とご自身とで似ているところや共感するところ、「自分とは違うな」と思うところについて教えてください。

川井田:根本が明るい部分は似ているのかな、と思います。秋乃はすごく頑固な部分もあって、挫けない、折れない、最後まで責任を持ってやりたい、という気持ちが強くあって。そこはとても素敵なので、私自身も見習っていきたいと思います。私は持久力がないので、秋乃のようには走れませんね(笑)。

大塚:そもそも種族が違うので(笑)、似ているところを探す方が難しい。エルルの人間の身勝手さみたいなところに切り込んでいく部分は、共感というか「そうだよな」と感じます。エルルが秋乃に対して期待しているところは、僕自身も同じで。川井田さんと一緒に掛け合いで収録することで、エルルの秋乃に対するポジティブな気持ちを作っていけたと思います。
Q.役作りで工夫した部分や演じていて難しかったシーン、楽しみながらやれたシーンについて教えてください。

川井田:息のお芝居がけっこう多くて。走ったり、ハッと気づいたり、そういうシーンがけっこうあったので、わざとらしくならないように、でも面白く観てもらえるように。コメディな部分もあるので、意識して演じました。走るシーンが何度もあって、全部が同じに見えてはつまらないので、いろんな走り方にしたり、「どこに向かって、どれくらいの距離を走って来たんだろう」とか、「お客さんの目を果たして気にしているのか?」とか、シチュエーションによって息遣いを変えたりしました。難しいけど楽しい、みたいな部分がありました。

大塚:なかなか表情が見えず、難しいことを言うキャラクターなので「エルルが本当に思っていることは何だろう」と常に考えていました。掘ってみると人間臭い部分があるけど、とはいえ、人間臭くなりすぎないように、と思いながら演じていました。秋乃に踏まれたり、お尻を押してもらったりするシーンでは、謎めいた言葉を残していきますが、楽しんでやらせていただきました。
Q.今回が初共演だそうですが、初めてお会いした時のお互いの第一印象や、共演してみて「ここが素敵だった」などについて教えてください。

大塚:「この方が川井田さんか!」と思いました。

川井田:収録の合間に、部屋の端でお弁当を食べていらっしゃる姿が印象的でした。

大塚:お弁当を食べずに帰ろうとしたら「よかったら食べて行ってください」と声をかけていただいて。スタジオの控室のスペースが、テーブルがたくさんあるわけではなかったので、膝の上にのせてこぼさないように食べていました。

川井田:大塚さんは多くを語らないのですが、どっしりと現場にいてくださるのが本当に心強いな、と思っていました。収録前はずっと緊張していたのですが、最初に収録したのが飛田展男さんと大塚さんとの3人のシーンで、そこから始まってよかったと思います。お客様と応対するシーンだったら、てんやわんやとなって、接客どころではなかったかも知れないです。先輩と一緒に「北極百貨店の社員としてやっていくぞ!」という空気感を作れたのがすごくありがたかったです。

大塚:僕自身は人見知りで、たくさん喋る方ではないので、川井田さんと飛田さんが現場を明るくしてくださって、すごく雰囲気がよくて、ありがたい限りでした。エルルを演じるにあたって悩んでいたのですが、川井田さんが一生懸命頑張っていたり、ほかの先輩たちともいろいろお話ししたりして、温かい現場でした。
Q.コンシェルジュ役や動物のお客様役で、人気声優の方々が多数出演しています。共演して影響を受けた部分はありますか?

川井田:本当にすごいキャストの方々ばかりで、そのなかで主人公をやらせていただく、というのがとても光栄なことでした。最初のお客様としてお芝居をさせていただいたのが、ウミベミンクのご家族。そこで初めて秋乃として接客をして、どれだけ私が手こずっても、温かく一緒にトライしてくださって。寿美菜子さんが「これだけ芸歴が長くても私、ウミベミンクなんてやったことないわ」みたいな感じで、役を演じることを楽しむ姿を間近で見られて、改めて声優と言う職業のよさを感じました。元宝塚歌劇団の方や落語家の方など、いろいろな方とも共演できて、今後の人生につながる大きな宝物をいただいた時間でした。

大塚:もともと原作を読んでいて「このシーンを飛田さんはどう演じるんだろう?」とワクワクしていたので、「そう来たか!先輩のお芝居、面白いな」と感じました。中村悠一さん演じるトキワさんも、原作だともう少しおちゃめに感じるようなところもあるのですが、劇場版では冷酷さが描かれていて、そういったいろんな表現を、先輩たちと一緒に掛け合いででき、刺激になりました。
Q.プレゼントを買うために百貨店を訪れるお客様も登場します。ご自身がもらって嬉しかったプレゼントや、相手に喜んでもらえたプレゼントについて教えてください。

川井田:プレゼントは何でも嬉しいですが、この職業についてから、ファンレターをいただくようになって「こんなに思いがこもっているものってないな」とすごく感じて。言葉で伝えるのって、けっこう原動力のいることじゃないですか。便箋を選んだり、こういう内容を書いたらわかりづらいかなとか、字が読みにくくないかなとか、いろんなことをたくさん考えて書いてくれたんだと思うと、お手紙は本当に嬉しいです。

大塚:僕も何でも嬉しいですね。自分のために考えて何かを持ってきてくれた、プレゼントしてくれたというのは、それだけで嬉しいことなので。そうはいっても自分がプレゼントをあげる側になったら、悩むじゃないですか。失礼にならないかなとか、もしかしたら好みじゃないのかな、とかいろいろ考えますが、いざプレゼントすると喜んでくれたりする。結果も大事だけど過程も大事だよな。選んでいる時間が何よりも尊いものなのかな、とこの作品を観ていて思います。
Q.新人コンシェルジュ秋乃の奮闘が見どころの一つですが、ご自身が新人声優だった頃の思い出で、印象に残っていることについて教えてください。

川井田:「ここが私の観ている、アニメを作っている現場なのか」という緊張から入ったのを覚えています。同時に、声優になるための勉強をしてきたけど、ここがスタートだ、と思ったのをすごく覚えていて。ずっとワクワクしていて。自分が台詞を言う前も、台本が見えなくなるくらい手が震えたのですが、声優になれたことがすごく嬉しくて。だけどここにいるみんなはライバルなんだという思いもあって。楽しい、ワクワク、緊張、ライバル、メラメラみたいな、複雑な気持ちになって、その日はどっと疲れました。その頃の気持ちを忘れずにいたいな、と思います。

大塚:デビューしてすぐの仕事についてはよく覚えています。終わった後に先輩に食事に連れて行っていただいて、プライベートの話をしながら、いろいろ教えていただいて。お会計の時に「領収書をもらっておくんだよ」と言われました。

川井田:大切なことですね。

大塚:その時は大切さがよくわからなかったのですが、今になって領収書って本当に大事だな、と。そのことを最初に教えていただきました。
Q.ほっこり癒されるシーンもたくさんありますが、最近ご自身の身近で起きた、心温まるできごとについて教えてください。

川井田:私は毎日温まっております(笑)。現在、二匹のネコちゃんと生活を共にしていて、一緒にいてくれるだけで幸せなんですが、とても信頼してくれている感じがして。ただただ癒される部分もあり、お仕事を頑張る原動力をくれる存在でもあります。良い意味で絶対に孤独にはさせてくれませんし、私の人生に欠かせない大切な家族です!

大塚:先ほど立ち寄った化粧室のペーパーホルダーに「二枚目なあなた、一枚でも充分拭き取れます」と書いてあって(笑)。「すごく素敵な言い回しだな」と思いました。時々遊び心を感じる言い回しがあるので、そういうのを見るとほっこりします。
Q.完成した作品を観てお気に入りのシーンについて教えてください。

川井田:冒頭で小さい頃の秋乃が百貨店を走り回るのは、原作にないシーンなんですよね。自分の憧れとなるコンシェルジュに初めて会うシーンなので、そこは本当に、脚本を読んだ時から嬉しかったですし、秋乃を作る上でとても重要なシーンになったと思います。北極百貨店の店内がバーッと映るシーンでもあるので、大好きです。

大塚:秋乃や、諸星すみれさん演じるネコと、津田健次郎さん演じるウーリーさんのやりとり、ウーリーさんのあの一言、津田さんのお芝居が印象的です。あとは、入野自由さん演じるニホンオオカミが、レストランでプロポーズしようとするシーン。ここだけではないですが、人間模様ならぬ動物模様を、最後まで描き切らず想像の余地を残す。この作品の良さでもあると思うので、そういうところが好きですね。

ありがとうございました。

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[プロフィール]

川井田夏海
愛知県出身。インテンション所属。
主な出演作品は、「放課後ていぼう日誌」(帆高夏海役)、「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」(結城あさみ役)、「RPG不動産」(ルフリア役)など。今作で劇場アニメーション映画初主演を務める。


大塚剛央
東京都出身。アイムエンタープライズ所属。
2020年、第14回声優アワード「新人男優賞」を受賞。主な出演作品は、「風が強く吹いている」(蔵原走役)、「もののがたり」(岐兵馬役)、「【推しの子】」(アクア役)、「アイドルマスター SideM」(眉見鋭心役)など。

イントロダクション

仕事を頑張るすべての⼈におくる、不思議でかわいい“動物×百貨店”エンターテインメント!
原作は、緻密に線を重ねる独特な表現で装画家・イラストレーターとしても活躍する⻄村ツチカによる漫画『北極百貨店のコンシェルジュさん』(⼩学館「ビッグコミックススペシャル」刊)。
⼈間と動物が織りなす奇想天外な世界観が魅⼒の本作を、「ハイキュー!!」シリーズや「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」など、数々の名作を世に送り出してきた Production I.G が映像化!
監督を務めるのは、本作が劇場版アニメの監督デビューとなる新進気鋭のアニメーター・板津匡覧。
⻄村ツチカが描く美しい線の再現にこだわり、四季折々の美しい⾊調で「北極百貨店」を彩りながら、主⼈公・秋乃をはじめとする個性豊かなキャラクターたちに命を吹き込みます。
従業員は⼈間。お客様は動物。華やかでどこか不思議な「北極百貨店」にあなたも訪れてみませんか?

本PV


映画概要


【北極百貨店のコンシェルジュさん】
10月20日(金)全国ロードショー
◆キャスト
秋乃:川井田夏海
エルル:大塚剛央
東堂:飛田展男
森:潘めぐみ
岩瀬:藤原夏海
丸木:吉富英治
給仕長:福山 潤
トキワ:中村悠一
ワライフクロウ夫:立川談春
ワライフクロウ妻:島本須美
ウミベミンク娘:寿美菜子
ウミベミンク父:家中 宏
クジャク:七海ひろき
クジャク彼女:花乃まりあ
二ホンオオカミ:入野自由
二ホンオオカミ彼女:花澤香菜
カリブモンクアザラシ:氷上恭子
ゴクラクインコ:清水理沙
バーバリライオン:村瀬 歩
バーバリライオン彼女:陶山恵実里
ネコ:諸星すみれ

ウーリー:津田健次郎
◆スタッフ
原作:西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』(小学館「ビッグコミックススペシャル」刊)
監督:板津匡覧
脚本:大島里美
キャラクターデザイン・作画監督:森田千誉
コンセプトカラーデザイン:広瀬いづみ
美術監督:立田一郎[スタジオ風雅]
動画検査:野上麻衣子
撮影監督:田中宏侍
編集:植松淳一
音響監督:菊田浩巳
音楽:tofubeats
アニメーション制作:Production I.G
製作:アニプレックス、Production I.G、KDDI、ADK マーケティング・ソリューションズ、トーハン
配給:アニプレックス
主題歌:「Gift」Myuk(Sony Music Labels Inc.)
英語タイトル表記:The Concierge

公式サイト:映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』
公式X:@HOKKYOKU_Dept
公式Instagram: @hokkyoku.dept

©2023 西村ツチカ/小学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会

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