【詳細】映画『アイスクリームフィーバー』詩羽 インタビュー

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2023-07-13 11:00:00
広告、ファッション、TVドラマ、企業ブランディングなど様々なフィールドで活躍するアートディレクター、千原徹也の初監督作品『アイスクリームフィーバー』が7月14日(金)より、TOHO シネマズ日比谷、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー。

本作で初めてメガホンをとった千原は「映画制作をデザインする」と題し、⻑年の夢だった「映画を作ること」をアートディレクターの視点から構築。従来の映画製作のやり方にとらわれない手法で挑んだ意欲作だ。原案は、川上未映子の短編集「愛の夢とか」(講談社文庫)内収録の『アイスクリーム熱』。国内外問わず圧倒的共感と文学的評価を得る川上未映子の小説が、初めて映画化される。アイスクリーム屋のアルバイト、常田菜摘役で主演を務めるのは、映画ファンから絶大な支持を受け、映画賞を席巻している『ハケンアニメ!』や、Disney+配信作品「ガンニバル」など、話題作への出演が相次ぐ人気俳優・吉岡里帆。アイスクリーム屋の常連客の作家、橋本佐保役には、ファッションモデルとして活躍する一方『風の電話』や『異動辞令は音楽隊!』など、女優としても唯一無二の繊細な存在感を放つモトーラ世理奈。菜摘のアルバイトの後輩、桑島貴子役には、本作が映画デビューとなる音楽ユニット・水曜日のカンパネラのボーカル・詩羽。アイスクリーム屋の近所の銭湯に通う、仕事が生きがいの高嶋優役は『ぜんぶ、ボクのせい』や『夜、鳥たちが啼く』など気鋭の監督作品への出演が絶えず、憑依的な演技で様々な一面を見せる実力派女優・松本まりか。千原初監督作品に相応しい、魅力的なメインキャスト4名が顔を揃えた。

今回、本作で桑島貴子を演じた【詩羽】を直撃!演技やダンスに初挑戦した感想や、吉岡里帆、千原徹也監督との撮影中の思い出のほか、メイクでこだわっている部分や今一番熱を上げているものなど、ファン必見の秘エピソードが盛りだくさん☆
Q.本作が演技初挑戦ということですが、出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

詩羽:千原徹也監督とはだいぶ前から知り合いで。私が水曜日のカンパネラに加入してからお仕事をくださるようになって。「映画に出てよ」みたいな軽い感じで誘われて、「出ます、誘ってください!」とお返事をしたら(笑)、事務所の方に連絡が来て、本当に映画に出演することになりました。演技をする機会を初めていただけたので、すごく嬉しかったです。

Q.千原監督にとって映画製作はずっと前からやってみたかったことの一つで、今回念願叶って映画を完成させたそうです。詩羽さんにとって演技は、いつかやってみたかったことの一つですか?

詩羽:小さい頃から映画やマンガに感情移入しやすくて、「もし自分だったら」みたいなことを考えるタイプだったので、いつか演技をしてみたいな、と芸能活動を始める前から思っていました。今回こういう機会をいただけて「やったー!」という感じでした。
Q.千原監督からのオファーだったことも、出演を決めた理由の一つだと思います。プロジェクトの概要を知って、どんな印象を受けましたか?

詩羽:身近で起きていても気づかないような小さなお話だけど、日常の一つのような物語。私は普段こういうビジュアルなので、「髪型やメイクなどはどうするんだろう?どんな感じで演技をするのかな?」と思ったのですが、千原さんが「そのままでいいよ」と言ってくださって。「そのままでということは、どんなキャラで出演するんだろう(笑)?」と思っていたら、トントンお話が進んでいって。台本を読んでみたら、自分が高校生の頃と近しい部分があって共感できるし、自分とはちょっと違うなと思う部分もたくさんあって、自分と重ねながら演技できたと思います。

Q.撮影現場に入ってみての感想を教えてください。

詩羽:現場が本当に緩くて。ほかの作品だったらきっちり、ピリピリしている部分もあると思うのですが、ピリピリのピの字もないくらい。誰かが大きな声で指示を出していたり、もっと厳しい感じであったりを勝手に想像していたので(笑)、「ゆる!」というのがすごく印象的でした。だからこそ、普段の自分のままのペースで演技ができたので、初めての映画出演がこの現場で本当によかったです。実際に演技をやらせてもらって「もっといろんな役をやってみたい!」という思いが強くなりました。
Q.吉岡里帆さんとのシーンが多いですが、共演して勉強になった部分について教えてください。

詩羽:私が演じた貴子はお調子者なところがある一方で、里帆さんの演じた菜摘のことを複雑な思いで見つめている、という役でした。あまり難しいことを考えず、自分が貴子の役として、できることをやろうという気持ちで現場にいました。カットがかかったら普通に皆さんとお話しして、すごく温かい現場でした。里帆さんが「このシーンは自分の中でもっとこうしたい」と思い直して撮り直したり、千原監督から「もっとこうしてほしい」という指示があって撮り直したり。私も何度かそこに立ち会う中で、少しずつ演技に差が出ているのを間近で観られました。すごく経験になったし、勉強にもなったと思います。

Q.共演者の方々との撮影中の思い出を教えてください。

詩羽:みんなと一緒にアイスを食べさせてもらいました(笑)。私が台詞を噛んでしまうモードに入ったことがあって。頭ではわかっているけど、違う台詞が出てしまって。「あれ?」となった時に、里帆さんが「大丈夫!私も初めて演技をしたときに50テイクくらいやり直したから!」と励ましてくれて。「優しいな。本当にすごい人って、人に優しくする余裕があるんだな」と感じました。いい思い出です。
Q.千原さんのほかの現場でも緩い空気感なのですか?

詩羽:だいたい緩いと思います。どの現場でも、千原さんはあの雰囲気をまとったままで(笑)。ゆったりとしたペースで話しかけてくださるので、千原さんの現場の時は「よし、今日やるぞ!」というよりは「今日千原さんだー」くらいの気持ちでいます(笑)。

Q.貴子を演じるうえで、千原さんが「ここだけは大事にしよう」と熱く指示を出した部分はありますか?

詩羽:ダンスのシーンは初挑戦で、コンテンポラリーのダンスを全くやったことがなかったので、先生と一緒に練習して、監督に見てもらいました。ダンスのシーンについては「もっとこうしてほしい」などの指導があったのですが、演技については本当になかったですね。

Q.ダンスは初めてと聞いてびっくりしました。難しかったですか?

詩羽:今回はコンテンポラリー寄りのダンスだったので、先生との意思疎通が一番大事だったと思います。「手を上げて!足を前に出して!」という指示ではなく、内面的な部分の指示、「もっと切ない感じで!」という指示が多かったので、先生とたくさんお話しして、意思疎通を心がけました。撮影本番も映画の音楽というよりは、その雰囲気に合った、シーンにあった音楽をかけながら、先生の指示を聞きながら撮影しました。先生からは「このスピードで、体の流れを意識したら綺麗に見えるよ」と言われました。スッと気持ちを入れてできたと思います。
Q.完成した作品の色合いや、映画全体のパッケージングがすごくにぎやかで視覚的にも楽しめる作品だと感じました。映画全体の印象はいかがでしたか?

詩羽:撮影中は、どんな作品になるか想像もつかない中で参加していました。「映画だけどデザイン」という千原さんの言葉に、すごく納得がいく作品に仕上がっています。デザイナーの方が映画を作ると、違う視点で面白いところがたくさんあるな、と感じました。

Q.MVなどで、ご自身を被写体として観ることが多いと思います。今回の映画では、ご自身の出演シーンをどのような気持ちで観ましたか?

詩羽:自分の出演しているMVはあまり観ないんです。今回の作品では、詩羽だけど詩羽じゃない、みたいな気持ち。女子高生のバイトで、ビジュアル的にこういう子は多分いないんだけど(笑)、性格的に、こうやって気だるい感じでバイトする子は実際にいそう。自分だけど他人だな、という目で観ていました。

Q.自分の作品をあまり観ないというのは、何か理由がありますか?

詩羽:アーティストって、自分の曲を聴きたい方と、まったく聴かない方とで分かれるのですが、私は聴かないタイプで。ライブでも歌っているし、MV撮影までの間にたくさん聴いているので。「聴くか!」とならないんですよね。MVも最初の1~2回は観るのですが、それ以降は敢えて観ようとは思わないです。恥ずかしいし。
Q.「100万年君を愛ス」というキャッチコピーにちなんで、詩羽さんが今一番愛しているもの、熱を上げているものについて教えてください。

詩羽:めっちゃ面白くないことを言っていいんだったら、仕事(笑)。最近仕事が楽しくて。「楽しいな」という時と、「やっぱ大変だな」と思う時と、波があった中で、今は本当に楽しいな、と思う時期です。夏フェスにたくさん参加していると、いろんなアーティストの方を見る機会があって。毎回勉強になるし「負けてられないな、もっとやらなきゃ」と思って。「私今、仕事を楽しんでいるな」ということに気づいて。今一番夢中かも知れないです。

Q.貴子と同じくらいの高校生の頃はどんな思いで生きていましたか?

詩羽:高校生の頃は貴子ちゃんみたいに、毎日つまらないな、楽しさとか正しさとか何なんだろう、とすごく悩んで、たくさん壁にぶつかりながら生きていました。

Q.詩羽さんはメイクをご自身でされているそうですが、何かこだわりはありますか?

詩羽:最近ピンクにハマっていて、前髪や髪色に合わせて、ピンクのアイシャドウとアイラインにしています。アイラインをピュッという感じで引いているのですが、このアイラインをやっている方は全然いないと思います。どんなメイクでも正解だし、正しさとかはないよ、というのを自分がこういうメイクをすることで、意思表示していけたらな、と思います。

Q.今後こんなメイクをしてみたい、などはありますか?

詩羽:流行に疎くて。ブルベやイエベなども詳しくないんです(笑)。私はずっとピンクが好きな人間なので、ずっとこのピンクのまま、アイラインもこういう感じでいくと思います。
Q.本作は、いろんな方々の縁が絡み合っています。そんな中で、水曜日のカンパネラのボーカルである詩羽さんと、コムアイさんが同じ作品に出演しています。ご自身は共演することに対してどう思いましたか?

詩羽:水曜日のカンパネラのファンの方にとっては、やはりどこかグッとくるものがあると思います。コムさんと同じ作品に出演すると聞いた時は、嬉しかったです。

Q.最後に、映画のオススメポイントを教えてください。

詩羽:誰かがいなくなるとか、爆発するとか、世界平和とか、そういう話ではなく、もっと身近に起きていることに視点を当てた作品です。自分がもしかしたら今通っているかも知れないし、いつか通るかも知れない小さな物語だけど、その時を生きている身からするとすごく大きな話。観ていて感激や衝撃を受けるというよりは、じんわりみんなの心に浸透していきます。「確かにな」と共感しながら観てもらえたら、と思います。

ありがとうございました。


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[プロフィール]
詩羽(水曜日のカンパネラ)
2001 年生まれ、東京都出身。
高校生の頃からフリーランスモデルとして活動、2021年、3人組音楽ユニット・水曜日のカンパネラへに2代目主演/歌唱担当として加入し、2022年にリリースした「エジソン」がSNSを中心にヒット。ストリーミング累計再生回数1億回突破。本作が映画初出演にして初演技。

<あらすじ>

美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト⻑として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。ある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて...。

アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、疎遠になっていた姉の高嶋愛(安達祐実)の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父親を捜すため、突然訪問してきて戶惑っていた。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった......。

熱(フィーバー)に似た、心を捉えて離さない衝動。それぞれの色を纏った4人の想いは交錯し、切なくも確かに疾走していく――。

予告編


映画概要


【アイスクリームフィーバー】
7月14日(金) TOHO シネマズ日比谷、渋谷シネクイント他にて全国ロードショー
吉岡⾥帆
モトーラ世理奈 詩⽻(⽔曜⽇のカンパネラ)
安達祐実 南琴奈 後藤淳平(ジャルジャル) はっとり(マカロニえんぴつ) コムアイ
新井郁 もも(チャラン・ポ・ランタン) 藤原麻里菜 ナツ・サマー
MEGUMI ⽚桐はいり / 松本まりか
監督:千原徹也
原案:川上未映子「アイスクリーム熱」(『愛の夢とか』講談社文庫)
主題歌:吉澤嘉代子「氷菓子」
エグゼクティブプロデューサー:千原徹也、山本正典、木滝和幸
プロデューサー:勝俣円、塚原元彦
宣伝プロデューサー:小口心平
脚本:清水匡
音楽:田中知之
撮影:今城純
制作プロダクション:れもんらいふ
制作協力:DASH、doors、ぶんちん
配給:パルコ

公式サイト:映画『アイスクリームフィーバー』
公式Twitter:@icecreamfever_m
公式Instagram: @icecreamfever_m
公式TikTok: @icecreamfever_m

© 2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

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