【詳細】映画『大怪獣のあとしまつ』⼭⽥涼介 インタビュー

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2022-02-04 13:00:00
“暴れ狂う大怪獣に、逃げ惑う人々。突如、ヒーローが現れて世界を救う――。”それは、子供の頃に誰もが憧れた、特撮映画でお決まりの展開。しかし、倒された怪獣の死体処理は、果たしてどうなっていたのか・・・?そんな 「誰もが知る “巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”の物語」を史上初めて描いた、映画『大怪獣のあとしまつ』が、2月4日(金)に全国公開となる。

主演にはHey! Say! JUMPの山田涼介、ヒロインに土屋太鳳を迎え、さらに監督・脚本をドラマ「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡が務める。今まで誰も見たことのない“空想特撮エンターテイメント”にふさわしい最強タッグが実現した。

今回、本作で特務隊・一等特尉【帯刀(おびなた)アラタ】役を演じた山田涼介を直撃!! 俳優業だけでなく、アイドル活動やバラエティ番組などで幅広く活躍する山田が、政府から任命され大怪獣の死体処理の責任者になった、という役どころで特撮映画に初挑戦した。

元恋人役の土屋太鳳と共演してみての感想や、人知れず自分に課しているミッション、山田にとってあこがれの「ヒーロー」のほか、YouTubeのゲーム実況チャンネル「LEOの遊び場【山田涼介】」開設にあたっての苦労など、秘エピソードをたっぷりとお届け♪
Q.今回、松竹と東映の初タッグという大型プロジェクトで主演ということで、プレッシャーも大きかったと思いますが、どのように受け止めましたか?

山田涼介(以下、山田):プレッシャーはもちろんありましたが、一つの作品を作るベクトルはいつもと変わらないので、自分の中で「この作品をどう捉えるか」のほうが、演じる側として大事なことだと思います。あまり背負いすぎず、自分のやるべきことをしっかりやろうと考えました。台本をいただいて、正直字面で見るだけだと「どうなるんだろう?」と思っていて(笑)。「大丈夫なのかな?」「松竹さんと東映さんのタッグでなぜこれを題材にしたんだろう?」とか、いろんなことを考えました。

Q.普段から主演であってもその他のオファーであっても、あまり区別せずに意識されているのですか?

山田:そうですね。自分のやるべきことは、台本や立ち位置を見てだいたい決まってくるので。今回の作品でいうと「帯刀アラタは絶対にブレちゃいけない存在だな」と。周りがとんでもなくブレてくれるので(笑)、「軸を一本、芯を通しておかないといけないな」という思いが強かったです。そこはブレずに演じようと思っていました。

Q.特撮映画ならではの新しい挑戦や経験ができたと感じているのは、どんなところでしょうか?

山田:僕はありがたいことに、VFXを使った作品に携わることが多かったので、抵抗感があまりなかったんですよね。「だいたいこれくらいの大きさです」「目線はこれくらいです」と言われれば、なんとなく想像できる特殊能力を持っていました(笑)。僕も初めてのときは本当に戸惑いましたから「経験って大事なんだな」と思います。

Q.その中でも「怪獣相手」ということで「面白かったな」と思うことはありますか?

山田:生きている怪獣相手だったらいいですが、死んでいるので(笑)。

一同:(笑)。

山田:この映画はあたかも闘っている風に描いているじゃないですか。「死んでますけど」みたいな。そこが今回の映画の面白さというか。死んでいるものに対してどうするああすると、国の規模で闘う。一個人ではなく「国が動かないとどうしようもできないことだ」とおおごとに捉えている。そのさまがすごく面白い映画だと思います。撮影していて楽しかったです。

Q.怪獣の死体によじ登ってみていかがでしたか?

山田:死体の全部は現場にはなかったです。表皮の一部とか、隆起の一部とか、そういうのはありましたけど。「怪獣の表皮ってこんな感じなんだ、よじよじ」みたいな感じでした。

Q.怪獣の出る作品で、あこがれや出てみたい、などはありますか?

山田:空想のものすぎて、こんな形で携わると思っていなかったですから、驚きはありました。小さい頃に観ていた特撮ものではない時代が来たんだな。今回「空想特撮エンターテイメント」というちょっと特殊なジャンルだと思うので、今までの特撮ものというよりは時代の流れに沿ったというか、今の時代だからこういう描き方ができる。ある種のパンデミック的なところも、奇しくも今の時代にマッチしてしまっている部分があり、観ている人も入り込みやすいんじゃないかな。コロナが今また、少しずつ猛威を振るっているので、他人事には思えない部分も出てくるのではないかと思います。
Q.今回土屋太鳳さん演じるユキノと元恋人役という役どころでしたが、共演されて「ここが素敵だなと思った」という部分を、ぜひ教えてください。

山田:太鳳ちゃんは「すごく素直な子だな」と。本当にTVで観るままというか、良い意味で「あまりギャップがない方だな」と思いました。

Q.ユキノのユーモアあふれるツッコミが物語のアクセントになっていましたが、土屋さんの演技を間近で見ていかがでしたか?

山田:「土屋太鳳の口からこれが出るか」という面白さは、三木監督ならではだな、というのがありました。あれだけ綺麗な女優さんの口から、少しお下品な言葉が聞けるというのは、ちょっと嬉しいというか人間味を感じました。

Q.三木聡監督から言われたことで、印象に残っていることはありますか?

山田:あまり深く話す時間はなかったのですが「印象的だな」と思ったのが、台本に書いてあることを一字一句変えちゃいけない、一文字でも変えちゃいけないんですよ。それはやりやすさもあり、やりづらさもあり。僕は結構アドリブを入れがちなのですが、それが許されない縛りの中で、帯刀アラタをどう生きるのか。クセをつけるというか、仕草で「帽子を少し触っちゃうクセを持っているんだよね、この人は」みたいに、台詞の中で遊ぶのではなく行動で遊ぶという感じにしました。

Q.髪形もいつもと違う印象でしたが、山田さんのアイディアですか?

山田:坊主なども考えたのですが「坊主ってかっこよさ出るのかな」と思って。「真ん中に立つ者として魅力的な人間でなければいけないな」と思い、刈り上げで、黒髪で、オールバックにするということで、監督と相談しました。監督の中では黒の中でもいろいろな種類があるようで「漆黒みたいな色にしてほしい」と言われました。髪の毛のこだわりは僕、普段あまりないので「いいですよ」と言いました。アラタはこうだろう、という僕なりのイメージで作りました。
Q.キャッチコピーに「倒すよりムズくね?」とあります。アイドル活動やバラエティ番組などでも幅広く活躍されていますが「やってみたら思ったより難しかった」ということはありますか?

山田:「仕事ってムズくね?」と思います(笑)。

一同:(笑)。

山田:俳優業とアイドル業、ライブをやっている時に作品が重なったりすると、前日までは俳優で、例えば殺し合いのシーンをやらなければいけないけど、次の日にはキラキラしていなければいけない。役が抜き切れない部分があり、そういうところに難しさを感じる時がありますね。
Q.怪獣の死体処理というのは極秘ミッションという設定ですが、山田さんご自身が普段から人知れず自分に課しているミッションはありますか?

山田:たいしたことではないですが、朝必ずクイックルワイパーと掃除機をかけています。綺麗好きというか、日課になってしまったんですよね。「ホコリってどこから来るんだろう?」という疑問から。一日でたまるホコリってすごくないですか?仕事に行って帰ってきて寝ているだけなのに「この子(ホコリ)たちはどこから来ているんだ?」と毎回思うのが楽しいです。それを片付けるのがあとしまつですね(笑)。

Q.台本を何度も読んだとのことですが、最終的にこの作品をどのように解釈して、どういうふうにアウトプットしたのかをお伺いしたいです。

山田:今の時代、もちろんヒットすることも大事ですが、直球勝負よりもなにか変なことを求められているのかな、というのがあって。映画でも「これすごくヒットするな」というものもありますし、何がみなさんの心に刺さるかわからない時代の中で、こういう一風変わった角度で攻める映画、ド直球ではない、この角度で攻めた映画というのがあまりないかも、と思っています。僕の俳優人生はこれからも続くと思いますが、その中で必要な一作品になるのではないかと思います。

ドラマなどでコメディ作品をやっていますが、これだけ真面目な大人の青年で、僕は一切ふざけてないんだけど状況がものすごくふざけている、という作品に今まで出たことがなかったんです。それを映画にしたときに「どういうふうにこの面白さが伝わるのか」というのをお客さんとして観てみたいな。

Q.いろいろな角度で解釈ができる作品ですが、いかがですか?

山田:いいと思いますよ。映画って同じ目線で観てほしくないというか。「好きな俳優が出ているから」など、観る理由は人それぞれです。「自分たちはこう伝えたいんだよ、だからこう捉えてくれ」というのは絶対違うと思っていて。エンターテイメント作品は特に、どうやって観てもらってもいいですし。どんなふうに捉えてもらってもいいので「とにかく楽しんでよ」というのがこの映画かな。

「どういう意味?」と思う方もいれば、関西の方などはツッコむと思うんですよね、最後。本当に自由に観ていただければと思います。
Q.周りの状況はどんどんブレていくけれど、キャラクターとしては「何があってもブレない。芯のある男」というのを大事にされた感じですか?

山田:やはり(西田敏行さんやふせえりさん演じる)大臣サイドがしっちゃかめっちゃかやってくれるというのは、台本を読んでわかっていたので「アラタだけは死守しなきゃ」というか。ポイントポイントで「ふざけられるな、ここ」というのは結構あったんですよ。だけどそれを一箇所だけにして、ほかは好青年でもないですが、真面目な特務隊の一員として演じる、というのを貫き通しました。

Q.周りで楽しいことがたくさん起こっていますが「いいな、のっかりたいな」みたいな気持ちはありましたか?

山田:ありました(笑)。どちらかというと僕はふざけたいタイプで、自由にやっていきたいタイプなんですけど。それをこらえて、すごく凛々しい男を演じたつもりです。
Q.山田さんご自身は、ヒーローや特撮ものの主人公へのあこがれはありましたか?

山田:あまり小さい頃に特撮ものを観ていなくて。「電磁戦隊メガレンジャー」という作品があったのですが、それもイエローとピンクが可愛かったから観ていました。メガブラックもかっこいいと思ったのですが「真ん中にいる赤にあこがれる」というのはなかったんですよ。ちょっと端の、ちょっと変わった色のキャラクターが好きでした。

Q.山田さんにとって「ヒーロー」だと思う人はいますか?

山田:僕はレオナルド・ディカプリオにすごくあこがれていて。以前から彼の作品をたくさん観てきたのですが、ちょうど僕が演技について悩んでいた時に『華麗なるギャツビー』を観て。冒頭の30分は主人公なのに出てこないんですよ。それで、出てきたら一言目が「アイムギャツビー」なんですよ。「これだ!」と思いました。

一同:(笑)。

山田:「ほかを黙らせる」「主人公ってこうなんだ」みたいな。冒頭30分出てこなくて、一言目が「アイムギャツビー」ですよ?言えないもん、僕。それを観たときに「こういうのを主人公だ、ヒーローっていうんだ」と。

いわゆる「かっこいい役」というのを、僕はあまりやっていないんですよ。泥臭く生きるとか、人を殺していたりとか、コメディとか。恋愛系もあまりやっていないので、ディカプリオのエッセンスを取り入れることはできていないのですが。今後、機会があれば「アイムギャツビー」と言って、花火をドカンと上げたいです(笑)。
Q.「LEOの遊び場」というYoutubeチャンネルを開設して、ファンの方から「LEO様」と言われていますが、レオナルド・ディカプリオが由来ですか?

山田:そうです。僕、ずっと小さい頃からゲームが好きで、自分のアカウントを全部「LEO」でやっていたんですよ。愛着がものすごくあって。ゲームの中で知り合った友達も僕のことを「LEO」として認識していて、僕って知らない人もいっぱいいるんですよ。オンライン上で知り合った人は僕のことを僕と思っていないから「LEOさん」と言う。ずっと愛着があるので「LEOでやらせて」と事務所に話しました。

Q.Youtubeチャンネルの開設にあたるまで、苦労はありましたか?

山田:ありましたね。1年くらいはかかりましたから。自分でやりたいというよりかは、事務所が実力を認めてくれたというか。「プロと対等にやりあえるんならやってもいいんじゃない?」と。もともと「ゲームの仕事はないですか?」という話はしていたのですが、ゲームの仕事なんてなかなか来ないじゃないですか。ジャニーズの中だと誰も開拓したことのないところだったので、そこは「じゃあ先陣を切っていきましょうか」ということで、大会などに出させていただくなど、のびのびやらせていただいています。

Q.最後に、公開を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

山田:難しいことはおいといて「『大怪獣のあとしまつ』を素直に楽しんでほしいな」と思います。「誰もが知る“巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”の物語」を謳い文句としているので「確かに、言われてみればそうだな」と誰もが思ったと思います。「あの死体はどうなっているんだろう」というのを、この映画を観ていただければ、すべての点と点がつながるのではないか。誰も予想できないラスト5分、存分にツッコんでいただければと思います。

ありがとうございました。

[プロフィール]
山田涼介
1993年生まれ、東京都出身。07年、Hey! Say! JUMPのメンバーとしてデビュー。15年『暗殺教室』(監督:羽住英一郎)で映画初主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。同年『グラスホッパー』(監督:瀧本智行)で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し、17年には『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(監督:廣木隆一)と『鋼の錬金術師』(監督:曽利文彦)に主演。そのほか『記憶屋 あなたを忘れない』(20/監督:平川雄一朗)、『燃えよ剣』(21/監督:原田眞人)など。

本予告



<STORY>
人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。――この死体、どうする?――
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。
国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。
爆発すれば国家崩壊。終焉へのカウントダウンは始まった。絶望的な時間との闘いの中、
国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、警察でも軍でもなく、3年前に突然姿を消した過去をもつ1人の男…。
彼に託された<使命>とは一体? 果たして、爆発を阻止することができるのか――!?
前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る空想特撮エンターテイメントが、今、動き出す。

映画概要


【大怪獣のあとしまつ】
大ヒット上映中
監督・脚本:三木聡
出演:山田涼介 土屋太鳳
濱田岳 眞島秀和 ふせえり
六角精児 矢柴俊博 有薗芳記 SUMIRE 笠兼三 MEGUMI
岩松了 田中要次 銀粉蝶 嶋田久作 笹野高史
オダギリジョー 西田敏行
特撮監督:佛田洋(「仮面ライダー」シリーズ)   
VFXスーパーバイザー:野口光一(『男たちの大和』)
怪獣造形:若狭新一(『平成ゴジラ』シリーズ)
企画・配給:松竹 東映
制作スケジュール:撮影① 2020年3月10日~3月末、撮影② 2021年1月末~3月上旬

公式サイト:映画『大怪獣のあとしまつ』
公式Twitter:@daikaijyu_movie
公式Instagram: daikaijyu_movie

©2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

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