千葉県船橋市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船 soul」。その楽曲は、「ソウルが流れると点が入る!」「市船のチャンステーマ」など、市船を勝利へ導く神応援曲としてSNS上で話題になった。そしてその名曲誕生の裏側には、癌により20歳という若さで、短い人生の幕を閉じた浅野大義(たいぎ)という青年がいた。
本作は、「市船 soul」を作曲した一人の青年・浅野大義と、市船吹奏楽部の絆が生んだ奇跡を辿った原作「20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド」(小学館 刊)及び「20歳のソウル」(幻冬舎文庫)の映画化。
生前、市船の吹奏楽部員だった浅野大義は、野球部を応援する曲を作りたいと「市船 soul」を作曲。完成したその楽曲は、運動部員たち、一緒に青春を過ごした吹奏楽部の仲間たちを勇気づけ、さらには病に侵された彼自身にも生きる力を与える曲になった。大義の告別式には、吹奏楽部顧問・高橋健一先生の「大義のために演奏しよう」という呼びかけに、164名もの市船吹奏楽部OBが集まり、奇跡の1日だけのブラスバンドを結成。「市船 soul」を演奏し、彼を送り出した。その後、大義の母・浅野桂子が、告別式での出来事を朝日新聞に投稿。記事を読んだ原作者・中井由梨子が、桂子や高橋先生、吹奏楽部のメンバーに直接取材をし、大義の物語を小説化、そして映画化に繋がった。
今回、神尾楓珠演じる主人公・浅野大義と同じ吹奏楽部で、音楽と共に青春を過ごした親友・佐伯斗真役に、関西ジャニーズ Jr.内でもドラマ、舞台、ラジオと活躍の幅を広げているユニット・Aぇ! group 佐野晶哉の出演が決定。佐野は本作が映画初出演となる。佐野が演じるのは、打楽器を担当する吹奏楽部員。容姿端麗で、音楽の才能もあり、何不自由ない青春を過ごせるはずが、学校生活、部活動に悩む日々を過ごしていた。
しかし大義の何事にも真剣に向き合う姿に心を動かされ、「市船 soul」の作曲を手伝い、また大義が病にかかってからは、傍で励まし、最期まで共に青春を過ごした。佐野自身、現役の音大生でもあり、Aぇ! group では、ドラムを担当。その他にもサックス、ピアノなど演奏することができ、本作では打楽器とピアノの演奏を披露。
佐野は、映画初出演を果たしたことについて「はじめての映画出演がこの作品であったことにとても意味を感じています。」と喜びを語り、「ひとりでも多くの方に大義くんの作った曲と生き様が届き、僕が勇気をもらったように誰かの勇気になったら嬉しいです。」と来年の公開に向けてメッセージを寄せている。
本作の監督を務めた秋山純監督は「芝居に加えドラムやピアノの生演奏がある難しい役。佐野くんは、見事に斗真としてそこに存在してくれました。」と佐野さんの演技について絶賛。
浅野大義が残した音楽の傍らには、家族、吹奏楽部顧問・高橋健一先生、そして仲間の存在があった。実際の「市船 soul」は、市船吹奏楽部の後輩たちに受け継がれ、今も生き続けている。
コロナ禍で思うように青春を過ごせないすべての学生たちへ、そしてかつて青春を過ごしてきた大人たちへ。本作で描かれるのは、今だからこそ届けたい涙と笑顔が溢れる感動の物語だ。
佐伯斗真 役:佐野晶哉 コメント
はじめての映画出演がこの作品であったことにとても意味を感じています。
監督は、僕も大義くんと同じようにずっと音楽のそばで生きてきたことに触れ「存在するだけでいい」と言っていただき緊張を解いてくださいました。
撮影前から市船高校のジャージを着てピアノやドラムを練習していたので、
先生や部員のみんなの中での撮影は二回目の高校生活のようでした。
ひとりでも多くの方に大義くんの作った曲と生き様が届き、
僕が勇気をもらったように誰かの勇気になったら嬉しいです
監督:秋山 純 コメント
佐野くんには以前から注目していて「斗真役が出来る俳優は一人しかいない」と、
本人にも言い続けました。芝居に加えドラムやピアノの生演奏がある難しい役。
佐野くんは、見事に斗真としてそこに存在してくれました。
真摯に作品と向き合う姿勢があったからこそ、芝居や音楽の神様が、微笑んでくれたのだと思います。