【詳細】映画『猫は抱くもの』 吉沢亮インタビュー

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2018-06-22 20:03:00
『ヘルタースケルター』(2012)以来6年ぶりの主演となる沢尻エリカを筆頭に、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)ら個性豊かなキャストが集結し、犬童一心監督の手によって「人間の内面」と「猫の視点」を魅力的に描いた、猫映画の決定版『猫は抱くもの』が、2018年6月23日(土)に全国ロードショーされる。

本作は、思った通りの自分になれず、投げやりな毎日に慣れてしまった“元アイドル”の沙織(沢尻エリカ)と“自分を沙織の恋人だと信じて疑わない猫(擬人化:吉沢亮)”が、自分らしい生き方を見つけていく姿を描いた、観るものに自分らしく生きるには何が大切なのか、人生のヒントも与えてくれる、そんな心揺さぶる物語だ。

そんな本作で、キャスト発表時から話題となっている、真っ直ぐに沙織だけを見つめ、どんな時も傍にいてくれる。キュンっとしてしまうほど愛らしい、自身初の猫役を演じた【吉沢亮】にインタビューを実施。犬童監督&主演・沢尻エリカとのエピソード、本作の見所の1つでもある吉沢亮の見事な歌&ダンスシーンについて、さらに<理想の猫>といった癒しの猫トークなどなど、本作の見所と共に、個性派から正統派のイケメン役、そして今回の猫役まで、見事に演じる今最も注目されている若手演技派俳優・吉沢亮の魅力もたっぷりとお届け!!
Q.オファーをいただいた時のお気持ち、また台本を読んだ時どんな感想をもちましたか?

吉沢亮(以下:吉沢):「監督の犬童さん、脚本の高田さん、そして主演の沢尻さんと、いつかお仕事でご一緒したいと思っていた方ばかりの現場で、僕としては、かなり贅沢なお話でした。ぜひ!有難く!って感じでした。

台本を読んだ感想は、単純に「猫役ってなんだ?」というのがあって。どこまで猫なのか。凄く猫っぽさを求められているのか。色々考えて難しいなと思いました。でも、ファンタジーのような情景の中に、人間のかっこ悪いしょうもない部分もしっかりと描いている作品で、読んでいて凄く面白かったです。舞台上でセットを建てて演技をしたり、初めての経験ばかりではありましたけど、凄く面白い作品になりそうだなと楽しみに思っていました」

Q.真っ直ぐな眼差しや仕草が本物の猫のようで、キュンキュンしながら拝見させて頂きました。動きなど猫を演じる上で参考にしたことはありますか?

吉沢:「猫の動画を観たりもしましたけど、完全に犬童監督の演出です。犬童監督がとても強く猫を愛している方なので、そういう1つ1つの動きを犬童監督につけてもらったり。「猫ってこういう時こうなるんだよ」って細かく教えてもらいながら良男をつくっていきました。インをする前に2週間以上稽古する時間もあったので、その時にも動きなどを指導していただいて、本番はすんなり入れました」

Q.犬童監督から言われた言葉で一番印象に残っている言葉は?

吉沢:「「猫は撫で過ぎると気持ちよくなり過ぎておかしくなるんだよ」って犬童監督の言葉は特に印象に残っています。そのアドバイスを受けて演じたのが、沙織と良男がスーパーの倉庫にいる最初の方の、撫でられすぎていきなり飛び跳ねたシーンです。 他にも、猫ってそんなことあるんだって初めて知ることばかりでした。

そういうことってきっと、猫を飼っている人にしかわからないことですよね。目線の動きも1つ1つ演技指導をつけていただきました。普段は結構細かく演出されると何をしていいのわからなるから、そういうのが嫌なタイプなんですけど、でも犬童監督の言っていることは1つ1つが凄く納得できるし、やっぱり猫を知らない僕でも演じる時になるほど!って思えて、すんなり入ってくるというか。 凄く素敵な監督ですし、また別の作品でもご一緒したいなと思っています」
Q.猫役を演じて楽しかったこと

吉沢:「動物的な部分は凄く意識しながら演じています。人間みたいに過去に縛られていたり、未来のことを考えていたりすることがなく、本当にその場その場の感情で生きているというか。良男が怒っていても沙織がころっと態度が変わるとそっちに引っ張られちゃったり。その瞬間瞬間を生きている感じは、やっぱり今までやったお芝居とは全然違うので、それは凄く演じていて楽しかったです」

Q.猫役を演じて難しかったこと

吉沢:「単純に猫を人間の僕が演じるにあたって沙織との距離感が気持ち悪くみえないかなっていう不安がちょっとありました。やっぱり、飼い主とペットの距離感って恋人同士の距離感より、近いから。それを人間同士がやることで、変にいやらしくみえたら怖いなっていうのがあったんです。

でも完成した映像を観たら、そんなことはなく。沢尻さんの素敵なお芝居に引っ張っていただいたなと思いました」

Q.自分と良男の共通点

吉沢:「ないと思います(笑)

良男って、演じている時に思っていたんですけど、猫というより犬っぽいなって。ずっと真っ直ぐだし、飼い主意外は何も見えないみたいな。猫って賢いイメージがあったので、良男はちょっとアホっぽくて、犬みたいだなと思いながら演じていました(笑) でもそれが良男の可愛らしいところなんですけど」

Q.吉沢さんは犬っぽい?猫っぽい?

吉沢:「僕は、どちらかというと猫だと思います。面倒くさがりだし、結構気分屋なので。僕が猫になったら良男よりもう少しだけ猫っぽい猫になると思います(笑)」

Q.自分が一緒に暮らすならどんな猫が理想?

吉沢:「どんな猫ですかね。でもそんなにしょっちゅうこられると面倒くさくなっちゃう(笑)

実家で犬を飼っているんですけど、可愛いんですけど、ずっとこられると途中から面倒くさくなっちゃうんです(笑) だから、猫みたいに程よい距離感でいてくれると嬉しいなって。でも『猫は抱くもの』を観てたら全員可愛くみえちゃいますよね」

Q.どの子もかわいいですよね

吉沢:「そうなんですよ! (『猫は抱くもの』のパンフレットを見ながら)でもビジュアル面でいうと意外と、三毛猫みたいな日本っぽい猫がいいかも。みんな可愛いんだけどな、それこそロシアンブルーも可愛いんですけど、割と和な子が好きかもしれない」

Q.女の子がいいですか?

吉沢:「女の子の方がいいんじゃないですかね。なんかオスよりもメスの方がいい気がする(笑)」

Q.吉沢さんが、さみしいって思うくらいにツンツンしている性格の猫がいいですか?

吉沢:「さみしい時に寄ってきてくれると嬉しいですね」

Q.良男よりはキイロに近い感じなんですかね。自分の理解者というか

吉沢:「そうかもしれないですね!」

Q.沙織のように飼い猫に話しかけたり相談はしたい?

吉沢:「相談はしないと思う(笑)もうまくらにして寝たい(笑) あと、僕が寝ていたら布団の中に猫が入ってくるシチュエーションを1回は経験してみたいですね。やられてみたいな~」

Q.ご実家で飼われているワンちゃんが布団に入ってくることはないですか?

吉沢:「ないですね。僕以外の兄弟にはやっているみたいですけど僕にはやってくれないです(笑)」
Q.もし自分が猫だとしたら、どんなタイプの女性に飼われてみたいですか?

吉沢:「やっぱり、沙織みたいなちょっと危なっかしい頼りない女性かな。そういう何か上手くいっていない女性のそばに居るっていうのがいいんじゃないでしょうかね猫は。知らないですよ、猫の気持ちは(笑)」

Q.支えてあげたい?

吉沢:「支えてあげたいっていう想いが、自分の喜びになっているような気はしますね」

Q.そんな支えてあげたくなるような飼い主・沙織を演じられた沢尻エリカさんと共演されていかがでしたか?

吉沢:「主演としての現場での居方が凄く素敵でした。他の役者さんともいい距離感でいらっしゃって、本当に素敵な方だなって思いました。

あと凄く可愛らしい方だなって。いい意味で感覚が若いというか。素敵な方です」

Q.どういう時にそう思われたんですか? 印象的なエピソードはありますか?

吉沢:「僕もめっちゃ人見知りなんですけど、沢尻さんも凄く人見知りな方で。撮影が始まってからは話すようになったんですけど、撮影に入る前まではリハの段階から一言も喋らなくて。でもそれが逆に可愛らしいなって、ちょっと嬉しかったです。年齢も離れていますし、僕みたいな人に人見知りをしてくれるんだって思うと喜びが(笑)

年上の女性の方には、よく弟みたいな目線で話しかけられることが多いんですけど、そんなこともなく。人見知りをしてくれている=対等な目線でみてくださっているのかなって(笑) 本当はどうかわからないですけど、それが凄く嬉しかったです!」

Q.本作は映画と舞台が融合したような演出で、吉沢さんのダンスと歌も見所の一つだと思うのですが、撮っている時の気持ちとしては、映画と舞台どちらで演じている感覚でしたか?

吉沢:「最初は舞台っぽくやったほうがいいのかなと思っていたんですけど、でも始まってみると映画の撮り方ですし、あまり舞台って意識をしすぎなくても舞台上でやっていればそう観えるのかなっ て。なので、お芝居のテンションみたいなものは普通に映画を撮っている時と変わらなかったですよ。

ただ演説みたいにセリフをいうシーンはそれこそミュージカルっぽく歌ってみたり。沙織について独りで語っているシーンは、舞台っぽく話してみたり。だから、舞台ぽく、映画っぽくと極端にこういう風にしなきゃとか意識することなく、自然と演じることができた感じですね。それが凄く楽しかったです」

Q.舞台のような演出を映画でやられていかがでしたか?

吉沢:「面白かったです。歌にいく流れとかも突然だし、それまでそんなにミュージカルっぽい演出がない中で、突然のミュージカル調になる流れは面白いですよね。そこでそう来るかっていう驚きがあって観ていても面白かったです」
Q.ダンスと歌の練習は結構されましたか?

吉沢:「何度か現場で先生にみていただきました」

Q.今まで映画でダンスや歌を披露しているイメージがなかったのですが、この2つをやることへの抵抗はありましたか?

吉沢:「年末に「HANDSOME FESTIVAL(通称:ハンサム)」という事務所のライブみたいなものがあって、それこそ7年ほど出ていたんですよ。そこでダンスや歌はやっていたので、意外と歌ったり、踊ったりすることには抵抗がなくて。ミュージカルみたいなのも1度やらせていただいたこともありますし、すんなりとはいれました」

Q.ハンサムと違って、映画で歌とダンスを披露する上で意識したことはありましたか?

吉沢:「そういうのはあまり考えすぎることはなくて、素直に芝居の流れでやる歌とダンスが凄く楽しかったです。

ライブ感覚ではなくて、物語に沿ったそのままの感情の流れで、動きや歌詞がでてくる感じ。割と突発的なものではありましたけど、改めてやっぱりミュージカルって楽しいなって、今回演じていて思いました」

Q.歌とダンスは得意?

吉沢:「得意というとちょっとわからないですけど、好きですね!」
Q.「うまくいっていない人たちを撮った方がスクリーンがキラキラしだすというマジックがある」と犬童監督が本作についておっしゃっていますが、今をときめく吉沢亮さんでも上手くいかない時期はありましたか? またそういった時期が今の自分にどのような影響を与えていますか?

吉沢:「上手くいかない時期、いっぱいあります。そういうことの連続です。上手くいったり、上手くいかなかったり。

もっとこう捻くれている時期もありましたし。周りからの見られ方とか凄く意識しちゃって全然だめだなって。僕、結構根暗でなんでもネガティブに考えちゃう人間なので(笑)

でも、案外そういう心のモヤモヤしている部分って活力になりますし、そういうのがなくなったら終わりだなって思います。悩みもそうですし、むかつく気持ちとかを持っている人の方が強いと思う。それか、本当に何も考えていない方じゃないと意外と何事も続かない気がします」
Q.本作の猫役はもちろん、個性派からイケメン役まで様々な役を演じられている吉沢さんですが、今後演じてみたい役はありますか?

吉沢:「人間がやりたいですねやっぱり(笑) 猫は難しかったです。

特徴のない役をやってみたいなと。超普通みたいな。個性ってつくりやすいですし、ポイントさえ押さえちゃえばそういう風にみえるっていうのが正直あるので。なので、よりどころがない、ある意味凄く自由には演じられるけど、凄く難しい等身大の男みたいな役を演じてみたい。

今までは割と作品の中で、誰かを見ている役より、誰かに見られている役、誰か目線で見た僕の話が進んでいくっていうのが多くて。なので、僕目線で物語が進んでいく役をやってみたいです。

でも、猫役ではありましたけど、割とこの作品もそうだったかもしれない(笑)」

Q.最後に本作の注目して観て欲しいポイントと、メッセージをお願いします

吉沢:「単純に猫が可愛いっていうのと。あとやっぱり、沙織の上手くいかないけど、見栄を張っちゃっているかっこ悪い姿とか、観ている人に刺さる部分がたくさんあるんじゃないかなって。可愛らしい雰囲気で一見ファンタジーのような作品なんですけど、凄く現実的な日常が描かれた物語なんです。イイ感じにラストを迎える作品でもありますし、特に疲れている人に観て欲しい、凄く救われるような作品になっています」


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[プロフィール]
吉沢亮
1994年2月1日生まれ
東京都出身
2009年に行われた「アミューズ全国オーディション2009THE PUSH!マン」で特別賞を受賞しデビュー。「仮面ライダーフォーゼ」シリーズ(11ー12)で注目を浴び、その後、『アオハライド』(14)、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『銀魂』『トモダチゲーム』シリーズ(17)など、数々の映画に出演。2018年の主な映画出演作は本作に加え、『リバーズ・エッジ』、『ママレード・ボーイ』『BLEACH』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『あのコの、トリコ。』等がある。また、2019年4月にはNHK連続テレビ小説「なつぞら」の出演が控えている。

映画『猫は抱くもの』本予告



<ストーリー>
こじらせた1人と1匹の妄想が、自分らしい幸せに気付かせてくれる―

思った通りの自分になれなくて、いつしか投げやりな生き方に慣れてしまった沙織(沢尻エリカ)。元アイドルのアラサーで、今はスーパーで働く彼女が心を開くのは、こっそり飼っている、ロシアンブル ーの猫・良男(吉沢亮)だけ。今日いちにちの出来事を、妄想を交えつつ良男に話して聞かせる沙織。沙織の心に寄り添ううち、良男は自分が沙織の人間の恋人で、彼女を守れるのは自分だけだと思い込んでしまう。そんなある日、沙織の前に“ゴッホ”と呼ばれる売れない画家・後藤保(峯田和伸)が現れ、良男は沙織の変化を目の当たりにする。ある晩、良男は月に誘われるように外の世界に飛び出し、迷子になってしまい…。ゴッホや、ゴッホを慕う猫・キイロ(コムアイ)、個性豊かな猫たちとの出逢いを通じて、1人と1匹は、自分らしく生きるすべを見つけていく。

うまくいかないことの輝き。置いてけぼりをくらっている時間の豊かさ・・・。灰色の日常がカラフルに輝きはじめる、心温まる物語。

映画概要


【猫は抱くもの】
6月23日(土) 全国ロードショー
出演:沢尻エリカ / 吉沢亮 峯田和伸 コムアイ(水曜日のカンパネラ) / 岩松了
藤村忠寿 内田健司 久場雄太 今井久美子 小林涼子 林田岬優 木下愛華 蒔田彩珠 / 伊藤ゆみ 佐藤乃莉 末永百合恵 / 柿澤勇人
監督:犬童一心『グーグーだって猫である』
原作:大山淳子「猫は抱くもの」(キノブックス刊)
脚本:高田 亮『そこのみにて光輝く』
音楽:水曜日のカンパネラ

[HP] 映画『猫は抱くもの』

©2018 「猫は抱くもの」製作委員会

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