【詳細】映画『今夜、世界からこの恋が消えても』松本穂香 インタビュー

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2022-08-02 19:00:00
第26回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞受賞作品であり、日本、韓国、中国書籍の合計発行部数が50万部を突破(2022年7月時点)するなど、国境を超えて異例の大ヒットを記録している一条岬の同名恋愛小説を、なにわ男子の道枝駿佑×福本莉子の W 主演で映画化した『今夜、世界からこの恋が消えても』(通称『セカコイ』)が、全国東宝系にて公開中。眠りにつくと記憶を失ってしまう「前向性健忘」を患ったヒロイン・日野真織(福本)と、そんな彼女を献身的に支えるも、自らも大きな秘密を隠し持っている主人公・神谷透(道枝)の儚くも切ない愛の物語。

本作の監督を務めるのは、『僕等がいた 前篇・後篇』(2012)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)など数々の恋愛映画を創り上げてきた名手・三木孝浩。脚本は『君は月夜に光り輝く』(2019)の月川翔と『明け方の若者たち』(2021)の松本花奈が共作し、映画音楽には、『糸』(2020)で第44回日本アカデミー賞・優秀音楽賞にもノミネートされた亀田誠治を迎え、現在の日本映画界で、恋愛映画を作るにあたり、これ以上ない最高峰のクリエイターたちが奇跡のタッグを組んだ。

さらに、真織が「前向性健忘」を患っていることを理解し支える、親友・綿矢泉を演じるのは、古川琴音。透の姉である神谷早苗役には松本穂香が、透と真織の小さな恋を微笑ましく見守りつつも2人の未来を案ずるキーパーソンを演じた。また、透の両親に萩原聖人と野波麻帆、真織の両親に水野真紀と野間口徹、2人の同級生に前田航基、西垣匠と注目の若手からベテラン勢までが、しっかりと脇を固めた。

今回本作で、透の姉で小説家の神谷早苗役を演じた【松本穂香】を直撃!道枝駿佑や三木孝浩監督との撮影秘話や、キュンとしたシーンのほか、心細くて泣いた幼稚園の誕生会や、演劇部で過ごした高校時代の思い出、普段台詞を暗記するために工夫していることなど、映画のテーマである「記憶」にちなんだエピソードもたっぷりとお届け♪
Q.三木孝浩監督の作品に出演するのは映画『青空エール』以来6年ぶりとのことですが、久しぶりに三木監督の作品に出演されていかがでしたか?

松本穂香(以下、松本):「作品に呼んでいただけてありがたいな」と思いましたし、ご縁を感じる現場でした。監督にお会いするのは『青空エール』以来だったので、「大きくなりましたね」と言っていただけて嬉しかったです。

Q.道枝駿佑さん演じる透の姉・早苗役でのご出演ですが、演じるにあたってどのような点を意識しましたか?

松本:今まではどちらかというと周りの方に支えてもらう役が多かったので、今回支える側を演じるのは自分の中で挑戦的な部分でした。「包み込むような優しさみたいなものを、どれだけ出せるか」ということを意識しました。

Q.道枝さんとは共演されていかがでしたか?

松本:まっすぐな気持ちで伝えてくれて、目がとても印象的な方でした。役に対して真摯に向き合っているというか。監督が寄り添って見守ってくださっていて、道枝さんのお芝居そのままでも素晴らしいのですが「彼のいい表情、いいところをもっともっと見せよう」としているのを感じ、素敵な現場だなと思いました。監督はきっと、みんなのことを信じて見守ってくださっていたと思います。

Q.作中で、福本莉子さん演じる真織と透のデートシーンがたくさん登場しますが、松本さんが「いいな」と思ったデートシーンや、キュンとしたシーンはどこでしょうか?

松本:花火のシーンが観ていて好きでした。デートとしても純粋にいいなと思いますし、あまり観たことのない空気感になっています。透の台詞もすごく素敵で、誰もがキュンとできると思います。透の言葉に余計なものがなく、まっすぐその感情だけを伝えてくれている感じが素敵だなと思います。

Q.真織と透の通う学校は、私服で登校し、生徒数も多く、大学のように大教室での授業もあって、「自由な雰囲気の学校だな」と思いました。2人の学校生活についてどう思いましたか?

松本:「このような学校を映画で描いているのは珍しいな」と思いました。高校生の頃、私服で通える学校が羨ましかったことを思い出しました(笑)。

Q.振り返ってみて、松本さんご自身はどのような高校生活を過ごしていましたか?

松本:演劇部に入っていたのですが、それほど友達が多い方ではなく、地味な女子高生でした。毎日自転車通学をして、部活を頑張っていました。

Q.記憶がテーマの映画ですが、松本さんご自身は、記憶力はいいほうだと思いますか?

松本:特別いいわけではないですが、台詞を覚えること自体がテスト勉強に近いところがあって。普段からコツコツやっています。

Q.台詞を暗記するために、どのような工夫をしていますか?

松本:相手役の台詞を録音して、それに合わせて自分の台詞を言ったり、長台詞を紙に書いたり、とりあえず体を動かしながら言ってみたり。ジャンプなどの動きをしながらでも言えるようになったら「きちんと台詞が入っているんだな」と思います。

Q.小さい頃の記憶で覚えていることはありますか?

松本:幼稚園の時、毎月の初めに、その月に誕生日を迎える子たちを祝う会があって。誕生日の子の親が見に来てくれるのですが、誕生会が終わった後お母さんに家に帰ってほしくなくて、泣き喚いたことを覚えています。大人しくて寂しがり屋だったので、心細くて大泣きしてしまいました。

Q.今回演じた早苗は人気作家という役でしたが、この役をきっかけに「文章を書く仕事を本格的にやってみたい」などは思いましたか?

松本:小説や脚本を書けたら楽しいだろうな。最近役者さんでも執筆される方が多いので憧れは持ちつつ、まとめる力があまりないので「小説は難しいかな」と思います。今は、映画のコラムを毎月書かせていただいているので、楽しみながら続けられたらいいなと思います。

Q.どんなジャンルの映画がお好きですか?

松本:ホラー映画が好きです。ホラーであればどんなホラーでも。怖いシーンでビックリして跳ねたりするのですが、それも含めて好きです。あまり余計なことを考えないで、頭を空っぽにして楽しめるところが好きですね。

Q.普段から日記をつけたり、お仕事のことについてメモを取ったりしていますか?

松本:思ったことを文字に書き出すことが多いです。モヤモヤしている時に書くと、モヤモヤは晴れなくても、悩んでいることがなんとなく見えてきて、ちょっとした発散になっています。

Q.今回演じた早苗役は、共感できる部分が多いですか?

松本:このお仕事に通ずるものはあるかなと思います。いろんな役を演じさせていただいているので、「この人はこうなのかな」とその役を想像しています。早苗が透から真織の病気について聞いた時も、他の人だったらそんなに早く受け止められないことも、やはり早苗が小説を書いているというのもあって、「ああ、そういうこともあるよね」と受け止められるというか。「早苗は想像できる方なんだな」と思いました。

Q.「新米記者松本穂香の研修ログ」でラジオのパーソナリティーをされていて、同世代の俳優さんたちといろいろなお話をされていますが、どのような点を心がけていますか?

松本:私も普段取材を受ける立場でもあるので、「こういう聞き方をしたら答えにくいかな?」とか、「ほかで話していないこと、あまり聞かれないようなことを聞けたらいいな」「俳優として同じ視点だからこそ聞けることを聞きたいな」と考えています。
Q.SGSは原宿系のファッションサイトなのですが、普段のファッションのこだわりはありますか?

松本:ワンピースが好きなので、ワンピースを着ることが多いですね。シンプルだけど、一着でも可愛く着られるものをよく着ています。

Q.原宿や渋谷周辺で思い出の場所はありますか?

松本:Netflix 映画『桜のような僕の恋人』の宣伝の時期に、渋谷が桜や映画の広告だらけになって、すごく嬉しかったです。Mr.Childrenさんが主題歌で、音楽も流れていて。未だに『桜のような僕の恋人』を観たと言っていただけることが多いので、嬉しいです。

Q.もし10代に戻れたらやりたいことはありますか?10代のうちにやっておいた方がいいことについて、アドバイスをお願いします。

松本:部活をやっている人だったら、部活に一生懸命になって周りと喧嘩するとか(笑)。みんなが一生懸命になるとぶつかることもあると思います。意味のないことをしたり、バカみたいなことをするのも大切だと思います。大人になってからもできないわけではないですが、どうしても時間がなくなるし、世界が広がってしまうので、10代のうちは狭い世界で生きてほしいというか(笑)。好きな人がいたら好きな人にだけ夢中になるとか。その時だけしかできないことをしてほしいなと思います。

Q.古川琴音さん演じる泉と真織の友達関係もとても素敵でした。泉が真織を支えるシーンもたくさん登場しますが、松本さんご自身は普段の友達関係で頼ることが多いですか?頼られることが多いですか?

松本:どっちもですね(笑)。友達と会えない中でも「元気ないのかな?」というのが文章で伝わってきたりするので「大丈夫?」と聞いたり。「支え合うのが一番いいかな」と思います。

Q.俳優の仕事をしていて、友達から応援される機会も多いと思います。言われて嬉しかった言葉について教えてください。

松本:地元の大阪にいる友達とはお仕事の種類が違うので、私が弱音を吐かないと見えない部分もたくさんあると思います。ですが、しんどい時は「しんどい」と弱音を吐いて「無理しないでね」と言ってもらえると嬉しいですし、「あの作品観たよ」とか、私の出演した作品を観てくれるのがシンプルに一番嬉しいですね。

Q.松本さんが人と人との繋がりを感じるのは、どのような時ですか?

松本:映画を観ていて感じることが多いですね。今この瞬間はどこかの未来につながっています。当たり前だけど大事なことが、普段生きている中ではあまり感じられないというか、疎かになってしまったりするけれど、映画を観るとそういうシンプルで大事なことが伝わってくるというか。改めて考えさせてもらえます。

Q.最後に、松本さんと同世代の女の子に向けて、メッセージをお願いします。

松本:いろいろと生きづらい、世知辛い世の中ですが、自分を大切に。「みんな幸せになれたらいいな」と思うので、無理せず自分のペースで行けたらいいですね。これは自分にも言っていることですが(笑)。

ありがとうございました。
ヘアメイク:尾曲いずみ

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[プロフィール]
松本穂香
1997年2月5日生まれ、大阪府出身。高校時代に演劇部に所属。2015年に主演短編映画「MY NAME」で女優デビュー。 2017年に連続テレビ小説「ひよっこ」の青天目澄子役で注目される。ドラマ「この世界の片隅に」(TBS/2018)で応募者約3,000人のオーディションを経て主人公のすず役に抜擢、連続ドラマ初主演を果たす。三木孝浩監督 『青空エール』(2016)、月川翔監督『君は月夜に光り輝く』(2019)の出演のほか、角川春樹監督『みをつくし料理帖』や、ふくだももこ監督『おいしい家族』などの主演映画も多数。Netflix 映画『桜のような僕の恋人』が配信中。ドラマ・映画・舞台の他にもコント番組やラジオなど幅広く活躍している。

予告



<ストーリー>
明日、僕を忘れてしまう君と
忘れられない恋をした

僕の人生は無色透明だった。真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い絶対に本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れた。そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。

「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」

彼女はその日の出来事を日記に記録して、朝目覚めたときに復習することで何とか記憶をつなぎとめていた。
その日ごとに記憶を失ってしまい、明日が来ることを恐れながら生きる彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。
しかし僕には真織に伝えていないことがひとつだけある。だから、真織の幸せを守るために、僕は“ある作戦”を立てた。

映画概要


【今夜、世界からこの恋が消えても】
全国東宝系にて公開中!
キャスト:道枝駿佑(なにわ男子) 福本莉子
古川琴音 / 前田航基 西垣匠
松本穂香
野間口徹 野波麻帆 水野真紀 / 萩原聖人
原作: 一条岬「今夜、世界からこの恋が消えても」メディアワークス文庫(KADOKAWA)
監督:三木孝浩
脚本:月川翔 松本花奈
音楽:亀田誠治
配給:東宝

公式サイト:映画『今夜、世界からこの恋が消えても』
公式Twitter:@sekakoimovie
公式Instagram: @sekakoimovie
公式TikTok: @sekakoimovie

©2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

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