桐谷「見どころが詰まってますねん」全身で表現!映画『火花』の完成披露試写会舞台挨拶<取材レポート>

カルチャー
2017年11月09日 00時06分

2017年11月8日(水)、映画『火花』の完成披露試写会舞台挨拶が行われ、菅田将暉、桐谷健太の主演をはじめ、木村文乃、川谷修士、三浦誠己、板尾創路監督らが登壇した。

お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の初純文学作品にして、<第153回芥川賞>受賞作「火花」を、お笑い芸人であり、映画監督でもある板尾創路の手によって映画化。

本作は、漫才の世界に身を投じるも、結果を出せず底辺でくすぶっている青年<徳永>を「帝一の國」や「銀魂」の大ヒットも記憶に新しい若手No.1俳優・菅田将暉が演じ、強い信念を持ち徳永の師匠となる先輩芸人<神谷>をテレビ・ドラマで大活躍の演技派俳優・桐谷健太が演じることでも話題の作品。
ライトが落とされ真っ暗になる会場で、作品への期待とキャストの登場に期待に胸を膨らませ静まりかえる観客。そんな中、ついに舞台上の黒い幕か挙がると逆光の光の中、6人のシルエットが並ぶ姿が。そのクールな演出に観客が歓声で答える。白幕も上がり、菅田と桐谷の歌う主題歌『浅草キッド』のボリュームも上がるに連れて、スーツ姿の菅田将暉、桐谷健太、川谷修士、三浦誠己、板尾創路監督、ドレスに身を包んだ木村文乃が姿を現すと、会場の熱気もそれにリンクするように上がっていくのが肌で感じられた。最初の挨拶から「たまには無言もいいかな」と投げキッスのスペシャルな挨拶を披露し、初っ端から会場の笑いと黄色い歓声を掻っ攫う桐谷。売れない芸人の10年を演じる上での苦労を聞かれた菅田は「そりゃあ難しいってもんじゃないですよ。ただ板尾さんがOKを出してくれたらもうええやんっていう安心感と。修士さんが突っ込んでくれたら、いかなる状況でも必ず笑いが起こるっていうのを信じてやっていた」と監督とスパークスで相方を演じた川谷に敬意を表す。一方、あほんだらで相方を演じた三浦とイン前に代々木公園やカラオケで漫才の練習したという桐谷は「実際に人前でやらないと芸人としての血を通わせられないと思い、無限大ホールではけた後に、若手の芸人さんとかスタッフさんの前で漫才をやったりしましたね」と漫才特訓の秘話を明かす。桐谷の相方を演じた三浦も「(桐谷が)もうやりすぎなんですわ練習を。無限大ホールの舞台で漫才をやった後、若手の構成作家の方にダメ出ししてもらうって言って、二人で見せに行って漫才をけちょんけちょんに言われるっていう。(桐谷は)それを紳士に受け取ってはいはいって。」と桐谷の漫才に対する姿勢の本気さを明かす。桐谷は「滑ったのも経験して、ウケる喜びも経験できました。実は(三浦と)10何年前に一緒に映画やってるんですよ。その時めっちゃいやな奴やったんですよ。お前なーお前なんなんって感じできて、だから今回台本みた気に「うわっあいつ相方やん!今回どうしようって」思ったんですけど、映画が終わるころには大好きになっていました」と三浦を絶賛、三浦も「僕も漫才をやりながら抱きしめられたいって思ってました」と相思相愛まさにコンビ愛をみせた。芸人の恋人役を演じる上で監督からのアドバイスをもらったという木村は「会って最初に言われたのが、金髪にしてほしい。隙をつくってほしい。衣装合わせをしたら足の出方が大事やねんって言われました。でも、現場にいたらお任せしますっていうかんじで、お2人(菅田と桐谷)がとっても素敵な空気感でいらしてくれたのでそれに合わせてただニコニコするようにしました」とコメント。金髪に染めてくださった木村に対して監督は「(CMなど契約している)クライアントさんにちゃんと承諾をとってまでやってくださって、この役を演じてくれて。それくらい彼女は真樹って役に取り組んでくれて。意気込みが感じられて木村さんには凄く感謝していますし、可愛いですし。黒を捨てていただいて役に入っていただいて凄く感謝しています」と感謝を伝える場面も。監督のこだわりで、相方は経験者というのが条件だったことから、現役の漫才師・川谷、元漫才師の三浦が抜擢されたという本映画。

板尾監督からこの役のオファーをいただいた時の思いを川谷は「めちゃくちゃ嬉しかったですよ。板尾さんに選んでいただいたっていうのは本当に嬉しかったです」と喜びを語る。続けて菅田のことを「ほんまに菅田さんがすごくって。ほんまにコンビ組みたいなって。元のコンビに戻りたくないって思うくらい(笑)そのくらい凄かったです」と絶賛。久しぶりにネタをやったという三浦は「5・6年やってないんで舞台に立ってやるのは正直怖かったですけど、立ち位置から決めて本当に練習してやってきたんで。僕はこの桐谷健太の情熱に惚れましたね」とこちらも相方・桐谷を絶賛!

また自身の撮影日ではない日にも、漫才の練習をするべく、桐谷の撮影がおわるのを待っていたというエピソードも披露された。監督は、後輩芸人の又吉直樹の作品を映画化するのはプレッシャーではなかったかの問いに「プレッシャーというか結構又吉より先輩なので、世代が違うのでその分気は使いましたけどね。火花は芥川賞の作品で凄く売れている作品だし。原作を読んでいる人も多いのでどうつくっていこうかなって思っていました。正直純文学の芥川賞って映画にするのは難しいって思いましたけど、自分の世界の話なんで、これは漫才経験のない人には、撮ってほしくない。撮らせたくはないって気持ちはありました。ダメだったら僕が責任を負うしこの世界を分からない人には撮らせたくはなかったって気持ちで撮りました」と話し、思入れの深さが感じられた。思入れが深いシーンについて菅田は難しいですけどと悩みながらも「今回役としてコンビを組ませていただいたんですけど、クライマックスの方に出てくる漫才をするシーンの修士さんの顔は、僕ね。墓場まで持って行くなっていうくらい大好きな顔なんですよ。めちゃくちゃいい顔で。本当に漫才を長いあいだやってきている人だからこそ出せる切なさと本気の顔っていうのはぜひ見てほしいですね」とネタバレにならないようにお気に入りのシーンと共に相方・川谷の演技を絶賛。続けて川谷もそのシーンについて「本当に凄いシーンになっていると思います。でもちゃんと漫才になっているっていう。ちゃんとした“ラスト漫才”になっていたなって思いますね」と笑顔で一言。

すると「うわ!今ラスト漫才っていった。俺言わなかったのに言うた。。」とネタバレしてしまったといじる菅田。ラスト漫才は何本もあるから!と必死にごまかす川谷は「すぐ僕の漫才をつつくんですよ」と菅田に一言。続けて菅田は「僕修士さんの間違い大好きなんですよ」と劇中の中とは言えコンビを演じた2人の相方愛が感じられた瞬間だった。一方桐谷は思入れの深いシーンについて「真樹と別れて「若手の若手の登竜門!」っていっておしりを出すシーンがあって。あれ、これカットされたところや!」とボケる。再び仕切り直して「最後花火みて花火がパーンパーンって打ちあがっているのをみて。最後に個人的に出しているえりちゃん結婚しようって花火が上がった後に「それが人間やねん」って神谷が言うシーンが。いやここもカットされてたんや」と再びボケ。ボケるたび終始会場から笑いが。

さらに「でも、それくらい見どころが詰まってますねん。ここは切りたくなかったですけど、2時間しかないから切らないといけない。それだけ詰まってますねん」と全身を使って作品の魅力を表現し、またもや桐谷が会場全体を笑わせた。続けて「でも、最初と最後の熱海のシーンは。映画によっては同じ場所なんで一日で撮ってしまうのもあったりするんですけど、10年の軌跡を描くのでちゃんと監督が撮影日を最初と最後の方に持ってきてくれたんですよ。だから、漫才に僕が観ていても最初と全然違う、最後には経験してきたことがでているんで。その2つのシーンは凄く好きですね」と最後はビシッとまとめる桐谷。木村は、「ちょっとしか使われていないんですけど、家で菅田くんと料理をするシーンで「(菅田が)わかんないもん包丁握ったことがないもん」っていうんです。そこ映画では完成したものには入っていないんですけどすっごく可愛かった」と桐谷に続きカットされたシーンを披露。

すると「ごめんなさいねカットして。(会場に集まってくれたお客さんに)今から映画を観てもらうっていうのに。店に並んでないパンの話しないでください」と監督からツッコミ。20才も年の離れている菅田と川谷が同級生を演じ、それが自然だった理由に関して監督は「それは、菅田将暉が修士のことを同級生に見せようとしてものすごく上から行くんですよ。それが、菅田くんのある意味礼儀正しさで。修士に対しての同じ目線で立たなきゃいけないって礼儀で。彼の方から持って行くのは俳優として素晴らしい姿勢だなって。これほどの敬意はないと思いますよ」と絶賛した。

最後マスコミ向けのフォトセッションでは、観客の撮影もOKのスペシャルなプレゼント!カメラのフラッシュとともに、スマホのシャシャシャシャシャという連写の音が会場のいたるところで響いた。キャストを代表して、主演の2人から、桐谷「みなさん本当に今日はありがとうございます。もちろん芸人さんの話ではあるんですけど、一度でも何かに熱くなったり、夢を追いかけたりした人なら、必ずどこかで共感できる凄く素敵な映画になっていると思います。本当に僕たち思いを込めて撮影しました。本当に今日は楽しんで観て帰っていってくださいと」挨拶。

続けて菅田は「今日はありがとうございました。桐谷さんが全部いいことを言ってくれたのでもういうことはないです」とコメントし、最後も会場の笑いをとってくれる。『火花』への期待に満ち溢れた大きな拍手と暖かい歓声が会場包む中、キャスト陣が降壇。そして最後も桐谷は投げキス♡投げキスで始まり投げキスでしっかりとしめ、会場を後にした。

キャスト、観客ともに終始“笑い”に包まれた舞台挨拶。このアットフォームな雰囲気からキャスト同士の信頼関係が映し出されたものとなった。映画「火花」は11月23日(木・祝)より全国東宝系にて公開される。ぜひ劇場で「夢」に向かって全力で生きる2人の10年間の青春群像劇を目撃してほしい。
ライトが落とされ真っ暗になる会場で、作品への期待…
最初の挨拶から「たまには無言もいいかな」と投げキ…
売れない芸人の10年を演じる上での苦労を聞かれた菅…
一方、あほんだらで相方を演じた三浦とイン前に代々…
桐谷の相方を演じた三浦も「(桐谷が)もうやりすぎな…
桐谷は「滑ったのも経験して、ウケる喜びも経験でき…
芸人の恋人役を演じる上で監督からのアドバイスをも…
金髪に染めてくださった木村に対して監督は「(CMなど…
監督のこだわりで、相方は経験者というのが条件だっ…
久しぶりにネタをやったという三浦は「5・6年やって…
監督は、後輩芸人の又吉直樹の作品を映画化するのは…
思入れが深いシーンについて菅田は難しいですけどと…
続けて川谷もそのシーンについて「本当に凄いシーン…
一方桐谷は思入れの深いシーンについて「真樹と別れ…
続けて「でも、最初と最後の熱海のシーンは。映画に…
木村は、「ちょっとしか使われていないんですけど、…
20才も年の離れている菅田と川谷が同級生を演じ、そ…
キャストを代表して、主演の2人から、桐谷「みなさん…
『火花』への期待に満ち溢れた大きな拍手と暖かい歓…
映画概要
【火花】
11月23日(木・祝) 全国東宝系にてロードショー!
出演:菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、川谷修士、三浦誠己
監督:板尾創路
脚本:板尾創路、豊田利晃
原作:又吉直樹「火花」(文春文庫 刊)

Ⓒ2017『火花』製作委員会

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