映画『恋に至る病』 長尾謙杜 インタビュー
特集インタビュー
2025年10月20日 18時00分
STORY
長尾謙杜×山田杏奈、最旬俳優W主演!
TikTokで200万回再生を記録し、大反響を呼んだ衝撃の恋愛小説がついに実写映画化。
この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリーが誕生する。
内気な男子高校生・宮嶺と、学校中の人気者・景。
不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束――。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。
やっぱり僕は、君が好きだ――。
切なすぎるラスト4分。《彼女の本心》が明かされる。
―よろしくお願いします。本作の出演が決まった時の心境と、台本を読んで惹かれた部分などを教えてください。
長尾謙杜(以下、長尾):最初にこの作品のお話をいただいた時は「恋に至る病」っていうタイトルだったので、どんな作品なんだろうって。
タイトルだけでもすごく引き込まれて、読んでみると話の展開が本当に面白いなと感じましたね。
小説の帯にも書いてありましたけど、その帯を読むだけでも「この本、面白そう」と思えるような内容で。いろんなラブストーリーが日本にもありますけど、新しいラブストーリーの形ができるんじゃないかなと思いました。
―宮嶺の印象はどのように捉えましたか?
長尾:宮嶺は気弱な少年だと思うんですけど、その中にちょっとした“核”のようなものをちゃんと持っていて。
景もそうですけど、宮嶺自身にも、どこか惹かれるものがあるんじゃないかなって思います。
―ありがとうございます。惹かれるものというのは、具体的にどんな感じでイメージしていますか?
長尾:景は本当に、誰が見てもカリスマ的存在だと思います。
宮嶺は、なんというか不思議な空気をまとっている子で、自然と「この子がいたら気になるな」と思えるような少年なんですよね。
たまにいるじゃないですか。「なんでかわからないけど、この子が気になるな」とか、「この子が持っている雰囲気、何なんだろう?」みたいな。
そういう“何か”を持っている少年なのかなと思っています。
―そういう雰囲気を醸し出すために、何か意識されたことはありますか?
長尾: 意識しすぎても難しい部分だなと思っていたので、最初は手探りでしたけど、自分が思うように自然体で演じてみました。
―だからこそ、2人の関係性というのもあるのかなと思いますが、宮嶺の景に対する気持ちはどのように解釈しましたか?
長尾:景に対する気持ちは、本当に純粋だと思います。
強い気持ちで思っているのは確かで、景と出会ったことで2人だけじゃなく周りも変わっていく。
恋とか人間の本能って、すごいパワーを持っているんだなと感じましたね。
景はミステリアスな部分もある子なので、宮嶺も全部を分かっているわけじゃないけど、それでも「信じたいから好きなんだ」という気持ちが一番強いと思います。
―今回、廣木隆一監督とのお仕事はいかがでしたか? 現場で印象的だったことや苦戦したシーンなどは?
長尾:苦戦はあまりしなかったです。ただ、びっくりするようなことは何度かあって。
例えばワンカットで終わったり、「このカットだけで大丈夫ですか?」って思うこともありました(笑)。
撮影期間も限られていたので「もう撮り直せないですよね!?」みたいな不安もありましたけど、監督の頭の中に完成図がしっかりあるからこそなんだと思いました。
―具体的なシーンでいうと、景の告白を受けて「バトンを受けるよ」と言う場面や、後半の「操ってただけじゃないの?」と問いかけるシーンがありますが、その2つの対比はどう演じましたか?
長尾:宮嶺にとって、景は本当に初恋の相手なんです。
性格的にも、こんなにちゃんと人を好きになったのは初めてだと思うんですよね。
だからこそ気持ちがどんどん強くなっていって……。
最初は“身代わりになるよ”と純粋な愛情を表していたけど、後半では“裏切られたかもしれない”という揺れもある。
でも根底には「それでも好きなんだ」という気持ちがあるんです。
その一途さを大事にして演じました。
―セリフではなく沈黙や視線で感情を表現する演技も印象的でした。実際に挑戦されてみていかがでしたか?
長尾:意識的に「こういう表情をしよう」とかは考えなかったです。心で感じたことを素直に出したら、それが表情やセリフのトーンに自然と出ると思っていたので。
純粋な気持ちで演じることを意識しました。
―完成した映像をご覧になっていかがでしたか?
長尾:恥ずかしかったですよ(笑)。
最後のカットに関しては「え、長くない?」って思ったくらいで(笑)。
普通だったら次のシーンに切り替わるような間をあえて長く使っていて。
でもそれが廣木監督の作品の面白さなのかなと思いました。
―監督とはどんなやり取りをされたんですか?
長尾:本当に僕たちに任せてくださる監督で、「とりあえずやってみようか」という感じでした。
例えば水族館でクレープを食べるシーンなんて、水族館まで行ってワンカットで終わりました(笑)。
「これで終わり?」って思いましたけど、それが逆に印象に残っています。
―撮影を通して、宮嶺というキャラクターの変化についてはどう感じましたか?
長尾:長尾:景に出会って徐々に成長していくと思います。
景も望(宮嶺)もお互いに変化していく。
最初は虫かごを持ってくるような内気な子だったけど、景と関わるうちに表情も行動も変わっていった。
二人が並走して自転車を漕ぐシーンも印象的で、あえて距離が空いている感じが良かったですね。
その“間”こそがこの二人の魅力だと思います。
―W主演の山田杏奈さんとは二度目の共演でしたが、いかがでしたか?
長尾:山田さんは本当に景役がハマり役だと思いました。
最初お相手が誰か知らなかったんですけど、その後山田さんに決まったと聞いて「似合う!」と思いましたね。
前回の共演(『HOMESTAY(ホームステイ)』)もあって、現場ではたわいもない会話をしながら楽しく撮影できました。
―共演中に話し合いながら作っていった部分も?
長尾:そうですね。「あ、そう来るんだ!」って思いながらやってました。
山田さんのお芝居は本当に素敵で、現場での化学反応を楽しみにしていました。
監督も「まずやってみよう」というスタンスなので、自然に呼吸を合わせながら作っていけたと思います。
――撮影を重ねる中で印象に残っているシーンは?
長尾:景の部屋など、2人きりの空間のシーンは特に印象的です。
そういうシーンはカットを多めに撮っていましたね。
距離が近い分、感情の変化を丁寧に捉えてもらえたと思います。
―「この子だけがいればいい」という宮嶺の気持ちは、共感できますか?
長尾:共感できる部分もあります。
本当に大切な人がいたら、そう思うだろうなって。
もちろんこれは極端な形ですが、「信じたい」という気持ちは誰にでもあると思います。
友達や家族に対しても同じで、宮嶺の気持ちはすごく理解できますね。
――ご自身の高校時代を振り返ると、どんな生活でしたか?
長尾:高2の時に「なにわ男子」が結成したので、活動と勉強の両立は少し大変でした。
でも放課後に友達とご飯に行ったり、ボウリングしたり、学生らしいことも楽しめていたと思います。
クラスの中ではよく喋るほうで、宮嶺とは真逆でしたね(笑)。
――完成した作品を観て、改めてどんな作品になったと思いますか?
長尾:「最もピュアで刺激的なラブストーリー」という言葉、そのままだなと思いました。
学生のラブストーリーというとキラキラした青春映画を想像される方も多いと思うんですけど、これは全然違う。
“ピュアすぎると、こうなるのかもしれない”という意味で、本当に新しい作品になったと思います。
<プロフィール>
長尾謙杜(Kento Nagao)/宮嶺望 役
2002年8月15日生まれ、大阪府出身。
2018年に「なにわ男子」を結成、2021年にCDデビュー。
アジアツアー「Naniwa Danshi ASIA TOUR 2024+2025 '+Alpha'」を成功させ、国内外に多くのファンを持つ。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)で青年期の岸辺露伴を演じ注目を浴び、2025年1月『室町無頼』、
4月には劇場映画初主演作『おいしくて泣くとき』、9月『俺ではない炎上』にも出演。
山田杏奈(Anna Yamada)/寄河景 役
2001年1月8日、埼玉県出身。
映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016)でスクリーンデビュー。
『ミスミソウ』(2018)で映画初主演。『小さな恋のうた』(2019)で第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。
『山女』(2023)で第15回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、『ゴールデンカムイ』『正体』(2024)では第48回日本アカデミー賞優秀助演女優賞・新人俳優賞をW受賞。
―よろしくお願いします。本作の出演が決まった時の…
―監督とはどんなやり取りをされたんですか?長尾:…
―W主演の山田杏奈さんとは二度目の共演でしたが、…
――ご自身の高校時代を振り返ると、どんな生活でし…
<プロフィール>長尾謙杜(Kento Nagao)/宮嶺望 …
出演: 長尾謙杜、山田杏奈(W主演)
醍醐虎汰朗/中井友望/中川 翼/上原あまね/小林桃子/井本彩花/真弓孟之
(AmBitious)
/ 忍成修吾/河井青葉/前田敦子
監督: 廣木隆一
脚本: 加藤正人、加藤結子
原作: 斜線堂有紀『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
音楽: 加藤久貴
制作プロダクション: アスミック・エース ダブ
配給: アスミック・エース
Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会
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