おいしい給食 炎の修学旅行 市原隼人スペシャルインタビュー

特集インタビュー
2025年09月15日 15時04分

あの<給食>映画史上最高傑作
INTRODUCTION
(Filmarks 初日満足度ランキング1位|Amazon DVD売れ筋ランキング1位)
奇跡のキャスティングで帰ってくる! 給食マニアの教師 VS 給食マニアの生徒
今度はご当地料理対決!
今世紀最大の給食スペクタクルコメディ大作が幕を開ける!!
「おいしい給食」は、80 年代のある中学校を舞台に、給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディ。ドラマ3シーズン、映画3作品。 1984年から刻まれてきた給食を愛する教師、甘利田幸男の大いなる旅の記録。その旅はまだまだ終わらない。
時代は遂に平成に突入。1990 年。三年生担任になった甘利田は、青森岩手への修学旅行の旅に出る。シリーズ初めて学校から外に出て、果たして甘利田はどんな食を堪能するのか。
初の試みに果敢に挑んだのは、甘利田幸男を5年に渡って演じ続けて来た、本作主演、市原隼人。武田玲奈演じる、season1 のヒロイン、御園ひとみとの再会も描かれる。食のライバル生徒を演じるのは田澤泰粋。そのほか、栄信 田中佐季、片桐仁、いとうまい子、赤座美代子、六平直政、高畑淳子、小堺一機らが名を連ねる。

――よろしくお願いいたします。本作はシリーズ、劇場版第4弾となりましたが、今回の物語で描かれる甘利田先生の変化や成長をどのように解釈されていますか?

市原隼人(以下、市原):甘利田はずっと変わらないんです。「season1」からずっと同じことを言い続けていますが、こっけいな姿を見せながらも、笑われながらも、好きな給食に振り回されながらも、毎日、明日こそは楽しむんだと。明日こそはライバルに勝ってやると思いながら、常に中立で子供に対してもしっかりと負けを認める姿であったり。それは2019年から始まってシーズンを経て、6年経ってもずっと変わらない姿なんです。いつまでもずっと変わらない姿勢が、甘利田の姿が、私はすごく好きで、そのままでいてほしいと願っています。ただ、シチュエーションや場所など、いろいろな環境が変わっていくたびに、どんどん甘利田の底知れぬ個性豊かな内面がたくさん出て来るので、私も脚本を見ながら、今回はどんな甘利田先生を見せていただけるんだろう、と楽しみにしながら、現場に入っています。 ―先日初めてファンミーティングをされたそうですけれども、動画も拝見しました。ファンの方々の前で生でお芝居を披露されてみていかがでしたか?

市原:完全に挑戦でした。生で甘利田先生の芝居をお客様にご覧いただきたい。映像作品と同じ人物を、舞台の板の上で演じる姿を見ることができるという作品はなかなか無いと思います。そして同時配信という、芝居を生でたくさんの方に届けるということがすごく大きな挑戦だったんです。この「おいしい給食」というものは、いろんな挑戦をしてく場であると思っています。その中でも、どこまでもお客様に寄り添い続け、お客様が求めるものに思いを膨らませ、エンターテイメントの本質を追及していきたいと思わせていただける作品なんです。
舞台挨拶で、甘利田先生の扮装をしてちょっとだけ寸劇的なものをやらせていただいたり、校門の前で生徒に檄を飛ばすシーンを再現して、お客様を劇場の中へエスコートしてみたり、アイデアがどんどん強くなってきて、どうせやるならばしっかりとお客様に披露したいと思い、もうできない!と思うほど、全てをお客様に尽くせるような、しっかりと世界観がある甘利田先生をお楽しみいただきたいと思っていましたので、観劇してくださったお客様に喜んでいただけた事ことが自分自身すごく嬉しかったです。

―私も会場に行きたいぐらいでした。

市原:今考えるとこれで全国を回ってもよかったかなと(笑)。でも、それをするならばトークショーなどを交えるのではなく、一つの演劇作品として板の上のお芝居だけを見ていただく。そのくらい重厚なものでないと。と思ったので、舞台の話も最初は大反対だったんです。

―スタッフさんとかは反対?

市原:私も反対でした。準備期間が短かい中で、お客様に喜んでいただけるものは気軽には絶対できないので。それに、映像は瞬間最大風速で演技できるのですが、あの動きをずっとやったらもう死んじゃいます(笑)。、今後この「おいしい給食」がどうなっていくかはわからないのですが、どこまでもビジネスと夢が混沌とする我々の世界の中で、何としてでも夢をつかみたい。真っ暗な泥水の中に手を突っ込んで、何としてでも夢をつかんでくるんだという、私の中で「おいしい給食」はそういう作品なんです。お客様のことを思うと、まだまだいけるんじゃないかなと、何でも出来そうな気がしてきてしまうのがこの作品の怖いところですが、まだまだいろいろ挑戦ができたらいいかなと。常に現時点は通過点であり、また新たな「おいしい給食」像だったり、甘利田像を様々な方に楽しんでいただけたら嬉しいと思っています。 ―ありがとうございます。甘利田先生のライバル、 粒来ケン役の田澤さんについてなんですけども、今回の田澤さんの成長ぶりもすごい感じられた作品だなと思っていて、これまでの田澤さんとの給食バトルで思い入れのあるシーンはありますか?

市原:もう数えきれません。カットがかかって、自分のシーンが終わってもずっと食べているんです。生徒の子どもたち向けの撮影が終わると、甘利田先生だけ最後に一人残って、細かい部分の撮影が始まるのですが、粒来ケン演じる(田澤)泰粋はずっと教室の端っこで給食を食べている。泰粋が食べるのが好きなのをみんな知っているので、「もっといる?もっといる?」と。フードスタイリストのあゆこさんがいつも給食以上でも以下でもない本当に美味しい給食を作って提供してくださるので。久々に会ってみたら、でかくなってやがると(笑)。それはもう、私が前のライバル生徒の神野ゴウ演じる佐藤大志に感じたのと同じように、どんどんみんな大きくなるなと(笑)。この前も、神野ゴウ役の佐藤大志に会いましたが、どんどん大人になっていて、最初に会ったのは中学校2年生ぐらいでしたので成長に驚きました。

―田澤さん、佐藤さんと出会ったのが彼らが中学生の頃だったんですね

市原:久々に会った時に19歳になっていて、うわ、大人になってるなと。泰粋も身体的にも精神的にも、大志と同じように大きくなってると思いながらも、芝居に対する姿勢はずっと変わらなくて、昔から常に現場で起こる大切な事を全てメモをとる、すごく真面目な子なんです。台本はもう付箋や書き込みだらけで、この作品からいろんなものを得ようとしている姿勢が、僕はすごく大好きです。
生徒の方たちに対しても、作品が始まる前に、ただ作品と向き合うのではなく、この作品が自分にとってどんな意義を見出せるものになるのか、これが世に出たときに何を見出さなければならないのか、考えながら過ごしてほしいと伝えました。役者としてもそうですし、肩書を外した1人の人間としても、10代の輝かしい成長過程の中で二度と戻らない時間を「おいしい給食」に使ってくださっているので、この「おいしい給食」を通じて生徒の皆さんが、あの日、あの時のあの場所に戻りたいと思えて、二度と忘れられないような思い出を作っていただきたいという願いもありましたので、こちらから何かをやらせるのではなく、子どもたちが自発的に何かをやりたくなるような、現場に毎日来たくなるような環境作りというのを心がけてました。 ――ありがとうございます。作品の名物である給食シーンでのリアクションについてお聞きしたいんですが、ご自身の中で最高のリアクションが撮れたなと思う場面はありましたか?

市原:最高のリアクションですか?…分かりません。作品をお楽しみくださるお客様にそう思っていただきたいと思いながら撮影をしているので、少しでも伝わっていたら有り難いのですが。給食のシーンは丸1日かけて撮影します。朝から夜までずっと食べて3回戦分くらい完食します。

―同じメニューをですか?

市原:同じメニューの物撮り含めて、寄りと引きを撮影します。滑稽な姿を見せても、笑われても、恥ずかしい姿をさらけ出してでも、ガムシャラに無我夢中に1日1日にしがみついている様や、何かを全力で楽しんでいる様を、お客様にぜひ見ていただきたいと思いながら演じてます。使われなくてもいいから、いろんなものに挑戦してみようというのが、監督とも共有していることであって。「season1」から使われないカットがたくさんあります。

このシーンちょっとこういう感じでやってみたいんですけど、使えなかったら使わなくてもいいので、挑戦させてくださいと。監督が了承してくださり、いろんなことに挑戦してきました。使われるか、使われないか、そのことは考えず、まず、我々は現場を精一杯楽しまないといけない。それは本質を持って楽しむという事で。役者として全力でこの芝居の方向性を見つめる事に心がけています。そのために給食を食べるシーンを撮影中に意識が飛んだこともあります。いつも限界に挑戦しています。

気がついたら疲れているのも、眠いのも忘れてしまう。全て忘れて、その一つに夢中になってしまう。そんな風に夢中になれるものが大人になってあるかなと思ったときに、自分自身にはこの「おいしい給食」という作品がありました。常に何かに夢中になれる。そういう心の豊かさをお客様と共有したくて、とにかく後先考えずに食べていました。 ――ちなみに青森のせんべい汁のシーンで、急にダンスをし始めたのが思わず笑ってしまったんですが、あれって演出の指示があったんでしょうか。

市原:勝手に自由にやらせていただきました、無法地帯ですから(笑)。

―席を立ってダンスをされていましたが。

市原:台本には「席を立つ」とは書いていないのですが立っていましたね(笑)。

―私の一番のお気に入りのシーンでした。

市原:何故立ったのか・・・?もう覚えてないです。ハードすぎて。気がついたらダイブしてるし、気がついたらコッペパンにスリスリしてるし。チュッチュしてたり、話しかけてたり。甘利田が憑依してるんでしょうね。自分でも、自分が分からない。向こう側で芝居してます(笑)

―御園ひとみ役の武田玲奈さんと今回再共演ですが、再共演されて先生としてどんな部分が成長されたと思いますか。

市原:先生としてですか。

―はい、ひとみ先生としてです。

市原:ひとみ先生は甘利田先生とはまた違う環境下で、自分の教師像というのをずっと作られてきた方だと思います。再会してそれを感じました。本当に大事なものって何なんだろうと、本質と言いますか。給食ってどういう風に食べるのがいいんだろう。純粋に誰のためにあるんだろうとか。それは給食だけではなくて全てのことに通じることだと思うのですが、何でも楽しんだもん勝ちなのかなと。苦しい、つらいとかだけでなく、やっぱりご褒美って欲しいじゃないですか。自分にとってのご褒美の時間。どんなに年を取ってもどんなに若い方でも、ご褒美の時間というのはかけがえないものだと思うんです。だからこそそういうものが給食であって欲しい。そういうことに気づいてくださったのかなと。でも驚きました。あれ、「season1」で見てた御園先生じゃない。あんなに新人教師で、初々しかった先生が、凛として生徒にも厳しくなって。一体本当の御園先生というのは何なのか。今回御園先生の真の姿は見れるのか。「season1」で見ていた御園先生の姿は、本当の姿じゃなかったのかなとも感じていまいました。

―本当はこんなしっかりした人だったんだみたいな。御園先生の成長も見どころの一つなんですね。

市原:そうですね。

―ありがとうございます。先ほど甘利田先生は変わらないところがいいとおっしゃってましたが、最初のメロンパンのシーンで前回よりもパワーアップしている感が私は感じられました。さらにパワーアップした甘利田先生を今回見ることができるんじゃないかみたいなものをドーンと見せられたシーンだなと思っていて。実際に前回よりこだわりじゃないですけど、よりこうしたいというのがあったんですか。

市原:市原:それを常に悩んでいます、監督と一緒に。常に先を目指さなきゃいけない、何度シーズンを経てもその前日は寝れないです。
お客様が6年間求めてくださった「おいしい給食」像、甘利田像というのを必ず入れつつ、また新たなチャームポイントが見出だせたら嬉しいと自分でも思っています。とにかく振り回されたい。普通に振り回されているだけじゃ僕はつまらないので、信じられないほどいろんなものに翻弄されて振り回されていたいなと。チャップリンの言葉で、人生は近くで見ると悲劇だけど、俯瞰で見ると喜劇になると。まさにそんなもので、とんでもない事がたくさん起きてほしい。それを俯瞰で見るとすごく笑えるんです。「おいしい給食」では、笑わせるのではなく、笑われたいんです。そういうスタンスで常にやっています、
甘利田幸男という男は常に真剣なのですが、それがすごくおかしく笑えてくるんです。笑えるコメディの中に本質的な社会派であるしっかりとしたメッセージがたくさん織り込まれています。振り回されている様を求めつつ、変わらず訴え続けていきたいメッセージを大切にしていきたいと思っています。

―ありがとうございます。今回、修学旅行編ということで、バスでの移動であったり、卓球であったり、お風呂のシーンとかもありましたけど、撮影中の思い出で、いかにも旅行に来ているなみたいな印象に残っていることなど、ぜひ教えてください。

市原:全部楽しかったです。源泉かけ流し100%の温泉に入りました。藤三旅館という撮影で使わせていただいた旅館にある立ち湯で、またすぐにでも行きたいと思わせていただける温泉でした。
卓球のシーンは実際に二人でラリーをしているところを長回しで撮影しています。泰粋と撮影に入る前から何度も練習を重ねて、長い時にはお互い仕事と学校の合間に1日6時間以上も練習して臨んだシーンです。セリフを言いながら続けるっていうのは難しく、二人とも卓球の経験がなかったので。練習が終わって2人で一緒にご飯食べに行ったり、そういう時間も「おいしい給食」に通じる温かい気持ちを育んでいると感じて好きでした。

―ちなみに何を食べに行ったんですか?

市原:お寿司です。

―ちなみに市原さんはお寿司だったら何が好きとか?

市原市原:選べない(笑)、お寿司大好きなんです。子供の頃から。僕はあんまり人生で貝を食べてこなかったんですが、北海道・函館で、綾部監督と一緒に寿司屋に行った時に、綾部監督が「俺、貝が一番好きなんだよね」と仰っていて、それで一緒に僕も貝を食べてみたら、おいしくて。貝のおいしさを知ってしまいました。(笑) ―先生役でずっと出演されてきて、生徒たちを指導するシーンに毎回、心が揺さぶられて感動するんですけれども、もし市原さんが何かの先生になるとしたら、何の先生になって何を教えたいとかありますか?

市原:僕は先生にはなれないですよ。先生にはなれないな。子供のことがすごく好きなので、一緒にいる時間はすごく好きなのですが、何か教えよう、誰かに学んでもらおうということができるような人間ではないと思っています。
常に出会う方々が師匠のような、常に学び続けて、今もまだまだ未熟な人間なので、先生になるなんて恐れ多いです。
ですが、何か自分の経験や悔しかった思い、海外に行った経験、いろんな撮影現場、いろんな組によっても、やり方もプロセスも技術も秩序も変わってくるので、そういう経験はたくさんの子たちに繋げていきたいです。

―片桐仁さんが今回出てらっしゃいましたけど、樺沢先生のような先生についてはどう思いましたか。

市原:みんな正解なんです。間違いじゃない。それぞれの正義があって、その正義がぶつかり合うことが悲しいのですが10人いれば10通りの正義が出てくると思うので、樺沢先生も本当に子どもたちのことを思ってやっている。
それは表面的には、暴力的に映ってしまうこともあると思いますが、すぐにそれは違う、間違っていますとは一概には言えないですね。

―悪役ではないみたいに言ってらっしゃいましたよね、片桐さん。

市原:そうです。そこから教わるものもたくさんあるので、いろんな先生がいていいのではないかと思います。時代とか風潮とかコンプライアンスとかで、人と人との繋がり方とか接し方が以前に比べ変わってきてますが、昭和の時代の1984年を舞台にした作品を作っていると、それが正しいのかどうなのかはいつも疑問に思います。
本当の人と人との心の通い合わせ方というものは何なんだろう。上面で立て前だけでしゃべるのではなく、しっかりと本音をしゃべりあってこそ、全ての本質というものが見えてくるんじゃないかなと。
触らぬものにたたりなしっていうのは僕はあまり好きじゃなくて。

―心を通わせてですよね?

市原:通わなかったとしても、通わせようとする。100%相手の気持ちを理解できることは絶対ないと思います。
相手の気持ちを理解してみたいと思う最初の1%の気持ちを持ち続けることは大事なのかなと。その関係性が甘利田先生と樺沢先生の関係性であって。全てがしっかりと輝かしい正義であってほしいと思います。

―ありがとうございました。

市原:ありがとうざいました。
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作品概要
市原隼人
武田玲奈 田澤泰粋 栄信 田中佐季
片桐仁 いとうまい子 赤座美代子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
監督:綾部真弥 製作総指揮:吉田尚剛 企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵 規
撮影:小島悠介(JSC) 照明:西野龍太郎(JSL) 録音:井家眞紀夫 美術:伊藤悟 小道具:千葉彩加
衣裳:小磯和代 ヘアメイク:近藤美香 フードスタイリスト:松井あゆこ
助監督:湯本信一 制作担当:田山雅也
音楽:沢田ヒロユキ・ペイズリィ8 編集:岩切裕一 グレーディング:河野文香 整音:田中俊
効果:佐藤祥子 ポスプロ・マネージャー:豊里泰宏
協力:アミューズメントメディア総合学院
主題歌:「君の花~4th session~」(AMG MUSIC)

制作プロダクション:メディアンド 企画・配給:AMGエンタテインメント
©2025「おいしい給食」製作委員会
公式HP:https://oishi-kyushoku4-movie.com
2025/日本語/5.1ch/ドルビーデジタル/114分/Ⓒ2025「おいしい給食」製作委員会

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