映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』八木勇征&井上祐貴 Wインタビュー

特集インタビュー
2025年02月21日 21時00分

鈴木おさむが原作・脚本を務め、主演・八木勇征、共演・井上祐貴、櫻井海音、椿 泰我(IMP.)で贈る、映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が、TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開中。

「もしも人生で一回だけ、魔法が使えるとしたら――」
2024年3月31日をもって、放送作家業・脚本業を引退した鈴木おさむの念願の企画が、主演・八木勇征、共演・井上祐貴、櫻井海音、椿 泰我(IMP.)ら最旬のキャスト陣で映画化に漕ぎ着けた。2019年の初演以降、何度も再演されている同名朗読劇の実写映画化。原作・脚本は、もちろん鈴木おさむ自身が務める。緑豊かな自然に囲まれた小さな村を舞台に、切なく優しい、青春映画が誕生した。

今回本作で、ピアノの才能がありながらも、仲間たちがいる故郷を離れ音大へ進むことへの迷いや、父からの強固な反対などに葛藤する主人公・アキトを演じた【八木勇征】と、生まれつき体が弱く、仲間たちに守られるように成長してきたハルヒを演じた【井上祐貴】を直撃!台本を初めて読んだ時の感想や、お互いの印象、南房総市でのロケでの思い出、ご自身の学生時代の交友関係のほか、学生生活や進路に悩む読者に向けたメッセージも寄せてくれた!
左から椿 泰我、櫻井海音、八木勇征、井上祐貴

Q. 台本を初めて読んだ時の印象を教えてください。

八木勇征(以下、八木):2019年から何度も再演されていて、朗読劇のことはメンバーの大樹くん(佐藤大樹)も出演していたので、実写化する前から知っていました。台本を初めて読んで、朗読劇から内容が少し変わった部分もあるのですが、大事なメッセージであったり、鈴木おさむさんが本当に伝えたい部分だったりは、全く変わっていないなという印象でした。読んでいるだけでも胸が熱くなるというか、本当に涙が出てしまうような、強い力のある台本だと思いました。台本の読み合わせの時に、そのすごさを改めて強く感じました。

井上祐貴(以下、井上):読み合わせの時、感動してやばかったよね。

八木:やばかったですね(笑)。魔法会議のところなど、メインキャストの4人でのシーンは「こんな感じの雰囲気で喋ってるんだ」と、空気感がはまっているのを感じながら読んでいて。そういう感じで読んでいるからこそ、後半の病室のシーンが結構きつくて。本番と同様に読み合わせをするということが、僕自身経験したことがなくて。台本に書いてあるセリフが、感極まってつっかえて言えなかったくらいです。

井上:台本の読み合わせの時が皆さんとの「初めまして」でしたね。僕は初めて台本を頂いた時、タイトルに「魔法」というワードがあるので、「ファンタジー要素満載なのかな?」という印象でした。ですが読んでいくうちに魔法とかファンタジーということは忘れ、そこだけでなく、思春期真っただ中の男の子4人の葛藤をすごく繊細に描いているなと思って、どんどん入り込んでいったという印象です。Q. 美しい友情物語を演じて、現場での仲が深まったと思います。お互いどんな方だと思いましたか?

八木:4人ともほぼ同世代なので、話が合うというか、青春時代に流行っていたものがほぼ一緒だなと思いました。同級生の空気感も、この4人だからこそ生み出せたと思います。休憩中にも何気ない会話をしていたので、撮影中は「今回が初共演」という感覚はあまりなかったです。

井上:八木さんの印象でいうと「いい声だな」と。

八木:嬉しい(笑)。

井上:さすがだな、と。

八木:ははは(笑)。

井上:それは第一印象も今も変わらないのですが(笑)、やはり同世代だからこそ盛り上がる話題が本当に多くて。例えば魔法会議のシーンでも駄菓子が真ん中に置いてあるのですが、その駄菓子も、自分たちの世代で流行ったものばかりで(笑)。「これ、近所の駄菓子屋で買ってた!」みたいな見覚えのあるものばかりだったので、そういうものがきっかけで、一気に盛り上がるというのは、同世代ならではだなと感じましたし、やはりそういうアイテムがあると距離がグッと縮まった気がします(笑)。Q. 八木さんから見たハルヒ、井上さんから見たアキトの印象を教えてください。

八木:ハルヒは、4人の中で間違いなく一番心が優しい。ハルヒ自身が一番辛いはずなのに、誰かを思いやれるのはすごいことだと思います。実は心が一番強いのかなと、台本を読んでいても思いました。実際に祐貴くんがハルヒを演じて、人としての強さと優しさを体現していたから、グッとくるシーンがたくさんありました。作中でアキトは何も知らないけれど、台本を読んでいる僕自身はハルヒの気持ちを知ってしまっているから、耐えるのが心苦しかったです。

井上:アキトの印象としては、「強いな」というのが一番ですね。魔法会議でも、アキトがいなかったら、話が全然動かなかったと思うんです。音大に行くための受験も、魔法を使わず自分の力でやりたいという、そういうところにきっとハルヒも惹かれたのだと思います。ナツキとユキオももちろん大切で、大好きな友達だけど、アキトがこの4人の仲間に入れてくれたこともあって、ハルヒからすると、アキトの全てが多分憧れの存在だったんだろうな。本当にかっこよくて強い存在です。Q. 本作は自然の美しい村が舞台です。南房総市でのロケで印象に残っていることについて教えてください。

八木:本当に関東なのかと思いました。僕の中では、千葉県というと建物が結構あるイメージだったんですよね。南房総市は(鈴木)おさむさんの出身地でもあり、そこが舞台になっていて。「地球ってこんなに広いんだ」と思うぐらい景色が抜けていて、空気も澄んでいて、自然がたくさんあって。この村のイメージを伝えるために、ドローンで上から撮影したカットもよく使われているのですが、本当にこの作品の世界観を表しているロケ地だったと思います。

井上:自転車に乗って鬼ごっこをするシーンがあるのですが、そこもロケ地が南房総市で。僕はそのシーンがすごく好きで。天気がめちゃくちゃ良かったんですよね。結構最初の頃に撮影していて、まだみんな距離感を探り探りしている瞬間もあって、そこも含めてすごく印象に残っています。自然がすぐそばにあるなと、撮影中ずっと感じていました。

八木:子役の子たちもいたしね。Q. 幼少期の自転車のシーンと、成長して高校生になってからの自転車のシーンを一緒に撮ったのですね。本作は「小さな幸せに気づいて、感謝できるような人間になれたら」というメッセージも組み込まれています。出演したことで感じた、自分なりの幸せの秘訣を教えてください。

八木:周りの人たちがいてくれるからこそ、今自分自身も活動できていると改めて感じました。今回の撮影で、自転車に2人乗りするシーンの時に、僕の自転車が壊れたんです(笑)。でも、替えの自転車がない。どうしようと思って。場所も場所なので近くで自転車を貸してもらえるわけでもなくて、そしたらスタッフさんが血眼になって自転車を探して、僕が使っていた自転車よりもめちゃくちゃいい自転車をわざわざ買ってきてくれて。無事その日のうちに撮影を終えることができました。

井上:あれはね、どうなることかと思いました。

八木:アキトがずっと乗っているからということで、ちょっと使い古した、年季の入った自転車に乗っていて。

井上:重さで曲がっちゃったんだっけ?

八木:うん。ちょっと錆びていたから、それを使ったら壊れてしまって。撮影の序盤に壊れたから、もう撮れないんじゃないかと思いましたが、子役の子たちもいるし、その子たちが撮り終わった後、高校生の4人のパートが始まるので、撮れないと先に進めなくて。でも間に合ったのは奇跡だし、そういうことで幸せを感じられるというのはいいですよね。Q. 井上さんはいかがですか?

井上:タイトルが『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』なので、取材や舞台挨拶でよく聞かれると思うんです、「自分だったら何に魔法を使いますか?」と(笑)。

八木:絶対に聞かれるよね(笑)。

一同:(笑)。

井上:自分でもやはり考えるわけです。撮影の前と撮影が終わった後、そして試写で観終わった後だと、自分の考えが変わっている感覚があります。

八木:おー。

井上:最初は「透明人間になりたい」とか、パッと思い浮かぶような、自分のために魔法を使うことを考えていましたが、「1回だけしか使えない」となると、果たして自分のために使うかな?と。そういう考えに変わった感覚があります。Q. SGSは15歳から25歳くらいまでの原宿系ファッションが好きな女の子が読者層です。ご自身は学生時代を振り返って、何人グループでどんな立ち位置でいることが多かったと思いますか?

八木:「いつメン」みたいなことですよね?僕は決まったグループはなくて、どのグループにもいましたね。例えばここだとムードメーカー、ここだと一歩引いている、グループによって立ち位置が違っていました。

Q. すごいですね。器用ですね。

八木:器用なわけではないですが、いろんな人に興味があって。好きなことのジャンルが結構バラバラだったから、スポーツをやっている時はスポーツをやっている子たちのグループにいて。でもゲームやアニメも好きだから、ちょっとオタク気質な子たちともお話ししていて。

井上:僕は結構、一緒にいるグループというのは決まっていた気がします。もちろん他のグループの人たちとも仲はいいのですが。割とアクティブなほうだったので、小中学校の時は、外で鬼ごっこやドッチボールをするグループにいました。立ち位置で言うと、結構先頭を走っていた気がしますね。リーダーというわけではないですが「ドッジボールしようぜ、サッカーしようぜ、野球しようぜ」と発言することが多かったです。Q. 今回、4人で鬼ごっこやダンスをするシーンもあります。「学生時代にこんなくだらないことをして遊んでいたな」というエピソードを教えてください。

八木:本当にくだらないのですが、子どもの頃は帰り道に石けりをしていました。足も痛くなるし、最後負けたらもやもやします(笑)

Q. 次の日にリベンジマッチをするのですか?

八木:そうなんですよ。帰り道、一緒に下校するのは同じメンバーなので、毎日続いていました。

井上:僕は高校時代、駄菓子屋やコンビニでよく「男気じゃんけん」をしていました。アイスとか、お菓子とか。Q. 学生生活や進路に悩む読者も多いです。学生の読者に向けてメッセージをお願いします。

八木:このサイトを読んでいる方たちは、エンタメに興味のある方が多いと思います。あとはやはり、キラキラしたものが好きなのかなと個人的には思います。

Q. ありがとうございます。

八木:自分の好きなものが明確になっているのは、すごく魅力的なことだと思います。好きなものを貫き通しながら、本当に自分がやりたいことをして、進みたい道に臆せず進んでいってほしいです。もしかしたら、やがて読者の方がスタイリストさんになって、一緒にお仕事をする機会があるかもしれませんし、モデルさんになってご一緒する時があるかもしれません。「もし一緒になれたら」というのを楽しみにしています。

井上:学生時代は過ぎてしまったら二度と戻ってこないので、今のうちにやりたいことをやってほしいし、行きたいところに行ってほしいし、食べたいものを食べてほしい。とにかく貪欲でいてほしいです。僕自身は「もっとこうしておけば、あそこに行っておけば、これをやっておけば」と思うことが多いんですよ。そういうものを一つでも減らしてから、社会に揉まれに来てほしいです(笑)。

Q. 社会で待っていますよ、ということですね。ありがとうございました!

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[プロフィール]

八木勇征
1997年5月6日生まれ。東京都出身。
FANTASTICSのメンバー。
2017年、約3万人が参加した「VOCAL BATTLE AUDITION 5~夢を持った若者達へ~」に合格。2018年「夢者修行 FANTASTICS 9」を経て、12月に「OVER DRIVE」でメジャーデビューを果たした。2021年、萩原利久とW主演したドラマ「美しい彼」で本格的に俳優業に進出。主な出演作に映画『イチケイのカラス』(23)、『劇場版 美しい彼~eternal~』(23)、『矢野くんの普通の日々』(24)、ドラマ「ばかやろうのキス」(22)、「沼る。港区女子高生」(23)、「ホスト相続しちゃいました」(23)、「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(23)、「ハイエナ」(23)、「婚活1000本ノック」(24)、「南くんが恋人!?」(24)、「最期の授業‐生き残った者だけが卒業‐」(24)、舞台「脳内ポイズンベリー」(22)など多数。2022、2023年と2年連続で「ソウルドラマアワード」で“アジアスター賞”を受賞するなど、その人気は日本国内に止まらない勢いを見せている。
主演映画『隣のステラ』が2025年夏公開予定。


井上祐貴
1996年6月6日生まれ。広島県出身。2017年、ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し翌年芸能界入り。2018年ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」で俳優デビュー後、翌2019年ドラマ「ウルトラマンタイガ」で初主演。主な出演作に『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(20)、『NO CALL NO LIFE』(21)、『Bittersand』(21)、『明け方の若者たち』(21)、ドラマ「卒業タイムリミット」(22)、「silent」(22)、「大奥」(23)、「花嫁未満エスケープ 完結編」(23)、「unknown」(23)、「何曜日に生まれたの」(23)、大河ドラマ「どうする家康」(23)、「マルス-ゼロの革命‐」(24)、連続テレビ小説「虎に翼」(24)、舞台「奇跡の人」(22)など。「虎に翼」の好演で一気に躍進を見せた次世代のニュースターである。
現在放送中のドラマ「地獄の果てまで連れていく」(TBS)に出演中。
主演を務めるドラマ「明日、輝く」(NHK総合)が3月17日放送予定。
彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.2舞台『マクベス』が5月8日~25日まで、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演予定。緑豊かな自然に囲まれた、とある小さな村。この村には、ある秘密があった。村の少年たちは18歳になると”人生で一度だけ魔法を使える”と知らされるのだ。その魔法を使えるのは20歳になるまでの2年間。この年に18歳を迎えたのは、アキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿泰我)の4人だけ。最初は信じられずに笑い飛ばす4人だったが、自身の父親たちもかつて魔法を使ったことを知り、その使い道を考えるための会議を開くなど真剣に魔法に向き合い始める。高校卒業を控え、それぞれの人生の岐路に立つ4人は一体何に魔法を使うのか?彼らの選択が、4人の人生を大きく動かすことに…。
第2弾予告
左から椿 泰我、櫻井海音、八木勇征、井上祐貴Q. 台…
Q. 美しい友情物語を演じて、現場での仲が深まったと…
Q. 八木さんから見たハルヒ、井上さんから見たアキト…
Q. 本作は自然の美しい村が舞台です。南房総市でのロ…
Q. 幼少期の自転車のシーンと、成長して高校生になっ…
Q. 井上さんはいかがですか? 井上:タイトルが『僕…
Q. SGSは15歳から25歳くらいまでの原宿系ファッショ…
Q. 今回、4人で鬼ごっこやダンスをするシーンもあり…
Q. 学生生活や進路に悩む読者も多いです。学生の読者…
緑豊かな自然に囲まれた、とある小さな村。この村に…
映画概要
【僕らは⼈⽣で⼀回だけ魔法が使える】
全国公開中
出演:八木勇征
井上祐貴 櫻井海音 椿 泰我(IMP.)
カンニング竹山 阿部亮平 髙橋 洋 馬渕英里何
平野宏周 工藤美桜
笹野高史 田辺誠一
原作・脚本:鈴木おさむ
監督:木村真人
音楽:横山 克
主題歌:「春舞う空に願うのは」FANTASTICS
制作:共同テレビジョン
配給:ポニーキャニオン

公式サイト:映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』
公式X:@bokumaho_movie
公式Instagram:@bokumaho_movie
公式TikTok: @bokumaho_movie

ハッシュタグ
#ぼくまほ

©2025 映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」製作委員会

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