映画『夏目アラタの結婚』中川大志 インタビュー

特集インタビュー
2024年09月05日 19時00分

「医龍-Team Medical Dragon-」など、多岐にわたるテーマを緻密な人間描写を通じて表現することに定評がある乃木坂太郎が2019年から「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載し、累計発行部数が260万部のベストセラーコミックスとなっている「夏目アラタの結婚」(2024年1月完結)。連続殺人犯の死刑囚にプロポーズすることから始まる衝撃の獄中サスペンスは、主人公:アラタと死刑囚:真珠との頭脳戦や二転三転する展開が読者を惹きつけ、「次にくるマンガ大賞 2020」U-NEXT 特別賞コミックス部門を受賞、世界最大級の日本アニメ・マンガのコミュニティサイト「MyAnimeList」でも紹介されるなど、国内外から高く評価されている。中でも、品川真珠が“怖かわいい”と話題を呼び、ファンアートも多数公開されている話題作が、待望の実写映画化!2024年9月6日(金)より全国公開。

日本中を震撼させた連続殺人事件の遺族から相談を受け死刑囚に会いに行く元ヤンキーで児童相談所の職員である主人公:夏目アラタ(なつめ あらた)役に、日本を代表する実力派俳優・柳楽優弥。物語の鍵を握る“品川ピエロ”の異名をもつ連続殺人犯にして死刑囚の品川真珠(しながわ しんじゅ)役には黒島結菜。過去の天真爛漫で爽やかなイメージからは想像もできないキャラクターで、新境地に挑む。また事件の担当弁護士であり、真珠の無実を信じる宮前光一役に中川大志、アラタが勤める児童相談所の先輩で真珠に心酔する桃山香役に丸山礼、アラタの行動を注視する児童相談所の所長・大高利郎役に立川志らく、真珠を追い詰める検事・桜井健役に福士誠治、面会室でのやり取りを見張る刑務官・井出茂雄役に今野浩喜、死刑囚アイテムコレクター・藤田信吾役に、佐藤二朗、控訴審の裁判長で真珠の本心を疑う神波昌治役で市村正親ら豪華キャスト陣が集結!監督は「十二人の死にたい子どもたち」をはじめ「イニシエーション・ラブ」、「TRICK」シリーズや「SPEC」シリーズなど数々のスタイリッシュな映像美と圧倒的なキャラクター描写で熱狂的なファンを生み出してきた鬼才・堤幸彦。

今回、本作で事件の担当弁護士・宮前光一を演じた【中川大志】を直撃!弁護士役を演じるにあたり準備したことや、堤監督ならではの演出だと思った部分、柳楽優弥と初共演した感想、ハラハラしたシーンや切なさを感じたシーンのほか、好きなファッションや20代のうちにやっておきたいことなどについてもたっぷりと語ってくれた!
Q.出演のお話をいただいた時のお気持ちを教えてください。

中川大志(以下、中川):脚本を読ませていただいて、非現実的で奇抜な設定ではあるのですが、それを実写化する時に、どこまで現実の世界に落とし込んでいけるかがチャレンジだと思いました。柳楽優弥さん、黒島結菜さんとはいつかご一緒してみたいと思っていて、そして堤幸彦監督も初めましての方だったので、この座組を聞いてさらにチャレンジしてみようと思いました。

Q.ストーリーの面白さをどのように感じましたか?

中川:これだけ大きな事件を犯した死刑囚に主人公の夏目アラタがプロポーズして結婚するという。現実ではなかなか想像しがたいことが起こっているので。そこまで感情を動かされるにはやはり説得力がないと、観ていて共感できないというか。そういった部分の解像度を上げて生身の僕らがやることによって、より奥行き、立体感が出せるのではないか。映画の世界、スクリーンの向こう側ではファンタジックだけど、リアルの世界とどこか地続きのものにできれば、よりこの作品の厚みが出せるのかなと思って。僕はそこに挑戦したいと思いました。Q.弁護士役を演じるにあたって、準備や役作りとして行ったことはありますか?

中川:死刑判決の出ている人を弁護するということに対して、想像がつかなくて。弁護するということは判決を覆そうとしているわけなので、台本を読んでいく中でそこが最初のポイントでした。実際に死刑囚を弁護してきた弁護士の先生が監修に入ってくださっているので、いろいろとお話を伺いましたね。何人もの人を殺した犯人を目の前にした時に、どういう感情になるのか。気になるポイント、理解しがたいポイントがたくさんあったので、先生とお話をしてイメージしていきました。あとは実際に弁護士としてどういった業務があるか。法廷に入ってから退廷するまでのだいたいの流れや、どういう作業があるのか。やはり映画なので、リアルとは違う表現、変換している表現もあるんですよね。リアルだったらこうします、本当だったらこういうことはしません、という間の落としどころを探っていかないといけない、完全に嘘になってはいけないと僕は思っていて。弁護人という役どころがこの事件の説得力、扱っている重さを牽引していくと思ったので、リアリティというか、お客さんが信じられないと全部がファンタジーになってしまうので、少しでも説得力が出せたらと思って、先生といろいろ相談しました。

Q.宮前弁護士は、品川真珠が無実だと信じて行動しています。演じるうえで特に意識したことについて教えてください。

中川:彼は強い男、行動できる男だと思います。かなりの覚悟と忍耐力と精神力があって、プラス、私選弁護人として真珠のために自分でお金を出して弁護しているわけなので、よほどの思いがないとなかなかできることじゃない。そのエネルギーはどこから来るのかとなったらやはり彼女の存在、常に彼女からエネルギーをもらっているので、黒島さんが演じる真珠に現場でしっかりフォーカスしようと意識していました。Q.面会室のシーンでは、アラタと真珠の心理戦が伝わってきました。撮影中印象に残っていることについて教えてください。

中川:セットで撮影したのですが、面会室でアクリルパネルを挟んだ条件でしか黒島さんとは会っていないんです。やはり声も聞き取りづらくなるし、結構隔たりを感じるんですよね。隔たりがあると、人間って伝えようとする力が増すじゃないですか。パネルの向こう側に届けないといけないので。心理的距離感というんですかね。すぐ近くにいるのに、アクリルパネルを一枚挟んだだけで、真珠がすごく遠くにいる感覚になりました。

Q.堤監督ならではの演出だと思った部分について教えてください。

中川:現場でリアルタイムに編集が進んでいくところです。映画って、撮影が終わって素材が全部集まってから編集に入って、というのが基本的な流れなのですが、監督は撮れた素材をその場でつなぎ合わせて同時進行で編集していくんですね。仮の音楽、BGMも入っていって、どんどんできあがっていくんです。途中段階を監督が見せてくれるのですが、そのまま映画館で流せるレベルのものができあがっていて。映画って、ある程度設計図みたいなものをみんなで共有しているのですが、やはり最終ゴールがどこに行きついてどういうものができるのか、それぞれ頭の中にあるものにギャップができてしまうと思います。ですが今回は途中までつなぎ合わせた映像を観ることによって、この映画の目指す方向性、どういう世界観で作り上げていくのかをみんなで共有できました。Q.堤監督は柳楽さんに対して、プロポーズのシーンの時に「ものすごくイケメンな顔をしてください」と注文したそうです。中川さんが監督から言われたことで印象に残っている演出について教えてください。

中川:「よ、男前!」と言われました(笑)。

一同:(笑)。

中川:何のシーンかは忘れてしまったのですが。宮前はいつもシリアスなシーンが多かったのですが、一生懸命テストでお芝居をしてカットがかかって「よ、男前!本番もその男前でお願いします」と。その時はやりづらかったです(笑)。

Q.完成した作品を観て、ハラハラしたシーンや切なさを感じたシーンについて教えてください。

中川:弁護士の先生が「弁護士と被告人は学校の先生と教え子、もっというと親と子どもみたいな関係値ができあがっていく」「刑が確定してもう会わなくなっても、被告人からお手紙をもらうなど関係性が続いて、ずっと自分の中に残っていく」とおっしゃっていたのが印象に残っています。そういう意味でいうと、自分が出ていないシーンですが、真珠がアラタと2人きりで過ごす時間を、宮前弁護士のような気持ちで観ていました。

Q.事務所の先輩でもある柳楽さんと共演されていかがでしたか?

中川:大好きな役者の中のお一人なので、共演できて嬉しかったです。役柄としてもバディのような関係値になっていく2人なので「なるほどな」と思ったこともたくさんありましたし、お芝居を観ていて「自分にはこういうチョイスはできないな」と思うこともあって。勉強になりました。すごく刺激になりました。Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子が読者です。今回はスーツ姿でのご出演ですが、普段はどんなファッションがお好きですか?

中川:普段は割とカジュアルな感じなんですけど、僕らは現場に行くとすぐ衣装に着替えるんですよね。本当に忙しい時や毎日撮影の時はラフな格好というか、ジャージにサンダルみたいな時もあります(笑)。

Q.20代後半になって、洋服の好みは変わりましたか?

中川:あまり変わらないかな。前は洋服の色やシルエットに偏りがあったのですが、今は普段着ないような色や、ちょっと変わったシルエット、デザインのものに惹かれたりはします。

Q.今日の衣装はどんなイメージで選んだのでしょうか?

中川:シャツの柄が可愛くて(笑)。柄ものが結構好きなので、スタイリストさんがよく用意してくださるんです。Q.20代のうちにやっておきたいことについて教えてください。

中川:なんだろうな?いろいろと経験も増えて、芸歴も長くなってきたのですが、もっともっと想像がつかないこと、跳べるか跳べないかくらいのハードルにチャレンジしていきたい。お仕事でもプライベートでもそうなのですが、まだまだいっぱい失敗もしたいし、できないことも含めてチャレンジしたいなというのがあるので、常にやったことのないことに挑戦したいです。

Q.思わず目をつぶってしまうような衝撃的なシーンも多いです。若い女の子が観るとしたら、どのような部分が見どころだと思いますか?

中川:サスペンス、ラブストーリー、ホラー、本当にいろんな要素が詰まったエンターテイメント作品になっているので、ドキドキしながらあっという間に時間が過ぎると思います。登場人物それぞれが抱えている弱さ、脆さみたいなものがあって、きっと共感できたり、感情移入できたりするポイントがあると思うので、楽しんでいただけたらと思います。

ありがとうございました。

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[プロフィール]
中川大志
1998年生まれ、東京都出身。2009年に俳優デビュー。2011年、日本テレビ「家政婦のミタ」で一家の長男役を演じ、注目を集める。
以後、NHK大河ドラマ「真田丸」(2016年)、TBS「花のち晴れ〜花男Next Season〜」(2018年)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年)等、数多くの話題作に出演。2019年には「坂道のアポロン」、「覚悟はいいかそこの女子。」(主演)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2022年には本格的舞台初出演にして初主演を務めた「歌妖曲〜中川大志之丞変化〜」を成功させた。また2023年にはNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、TBS「オールドルーキー」での好演が評価され、エランドール賞新人賞を受賞。その後も映画、ドラマ、舞台等幅広いジャンルで注目作への出演を続けている。
WOWOWドラマ「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」が10月6日(日)より放送・配信予定。また、映画『チャチャ』が10月11日(金)より公開予定。初めてプロポーズした相手は、獄中の死刑囚——。

元ヤンで児童相談員の夏目アラタ(柳楽優弥)が切り出した死刑囚へのプロポーズ。
その目的は、“品川ピエロ”の異名をもつ死刑囚、真珠(黒島結菜)に好かれ、消えた遺体を探し出すことだった。
毎日1回20分の駆け引きに翻弄されるアラタは、やがて真珠のある言葉に耳を疑う——
「ボク、誰も殺してないんだ。」
日本中を震撼させる2人の結婚は、生死を揺るがす<真相(シーソー)ゲーム>の序章にすぎなかった…。
本予告
Q.出演のお話をいただいた時のお気持ちを教えてくだ…
Q.弁護士役を演じるにあたって、準備や役作りとして…
Q.面会室のシーンでは、アラタと真珠の心理戦が伝わ…
Q.堤監督は柳楽さんに対して、プロポーズのシーンの…
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好き…
Q.20代のうちにやっておきたいことについて教えてく…
初めてプロポーズした相手は、獄中の死刑囚——。元ヤ…
映画概要
【夏目アラタの結婚】
9月6日(金)全国ロードショー
監督:堤 幸彦
出演:柳楽優弥 黒島結菜 中川大志 丸山 礼 立川志らく 福士誠治 今野浩喜 平岡祐太 藤間爽子 / 佐藤二朗 / 市村正親
原作:乃木坂太郎「夏目アラタの結婚」(小学館ビッグコミックスペリオール刊)
脚本:徳永友一
音楽:Gabriele Roberto A-bee ノグチリョウ
主題歌:「ヴァンパイア」オリヴィア・ロドリゴ(Universal International)
映画オリジナル日本語歌詞訳監修:乃木坂太郎
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:映画『夏目アラタの結婚』
公式X:@natsume_arata
公式Instagram: @natsume_arata
公式TikTok: @warnerjp

©乃木坂太郎/小学館 ©2024 映画「夏目アラタの結婚」製作委員会

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