安田レイ New E.P.「Ray of Light」インタビュー

特集インタビュー
2024年02月09日 18時00分

安田レイの新E.P.「Ray of Light」が、2024年2月7日(水)に発売される。

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』挿入歌「Ray of Light」、アニメ『烈火澆愁』日本語吹替版エンディングテーマ「声のカケラ」に加え、7月3日の10周年ライブで披露した「Turn the Page」、さらにYouTubeチャンネル「With ensemble」から「Not the End」「Circle」の音源を収録。初回生産限定盤には「Ray of Light」のMV、メイキングに加え、ビルボードライブ東京で開催されたライブ「Rei Yasuda 10th Anniversary Special Live “Turn the Page at Billboard Live TOKYO -2nd stage-」の映像をフルで収録。

今回、SGS編集部が安田レイを直撃!『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』、中国アニメ「烈火澆愁」の見どころや、挿入歌「Ray of Light」、エンディングテーマ「声のカケラ」の歌詞に込めた思い、esshimoとコラボしたジェルネイルシールの制作の裏側のほか、10周年ライブで「Turn the Page」を歌ってみた感想や、「Not the End」「Circle」のオーケストラバージョンの収録秘話など、新E.P.の注目ポイントをたっぷりと語ってくれた!安田レイ「Ray of Light」Music Video(『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』挿入歌)

Q.EP収録曲「Ray of Light」は、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』の挿入歌で、台本と映像を観てこの作品のために書き下ろしたそうですが、お話が決まった時どのようなお気持ちでしたか?

安田レイ(以下、安田):本当に嬉しくて「監督、また声をかけてくれてありがとうございます!」という気持ちでした。Season2まで「Not the End」を挿入歌として使ってくださっていて、いちファンとして「きみセカ」をずっと観ていたので、お話の中でまた自分の曲がかかったら最高に幸せだと思いました。

今回ファイナルということで、ファンとしては終わらないでほしい、もっと続いてほしいという寂しさもあるのですが、この作品や監督をはじめとするスタッフやキャストの皆さん、ファンの方々に感謝の気持ちを込めて、いい曲を作りたいと思って書き下ろしさせていただきました。

Q.「Ray of Light」の作詞にはどれくらい時間をかけましたか?

安田:すごく時間がかかりました(笑)。どの曲もいつも時間がかかるんですよね。「前回はどうやって歌詞を書いたんだろう?」と毎回迷子になって。「Not the End」の時もそうだったのですが、どういう方向性で曲を持っていくか、誰目線で歌詞を組み立てていくか、どれくらい不安なのか、どれくらい強い気持ちを入れたほうがいいのか、そのバランスを監督と話し合ってから歌詞を書き始めました。監督がお時間を作ってくださって、みんなでチーム一丸となっていい曲を作ろうという雰囲気が、私の背中を押してくれました。

Q.ドラマ版の挿入歌「Not the End」とのつながりを意識して作詞した部分はありますか?

安田:「Not the End」の時は、ちょうど私たちの生きている世界がコロナ禍でした。作中でゴーレムの正体がわからない、私たちもコロナの正体がわからないという不安の中、どうやって生きていけばいいんだろう?、怖いけど不安だけど大切な人に会いたい、大切な人を守りたいという気持ちが「Not the End」にはありました。今回の「Ray of Light」では、不安な部分が少しだけなくなり、ゴーレムがどういうものかだんだんわかってきて。私たちもコロナがどういうものか少しづつわかってきた、という部分が重なって。人間だからもちろん不安はあるのですが、それよりも強い気持ちがあり、向き合い方もわかって、本当に大事なものを守るためにはどうすればいいのか、「Not the End」より強い意志というか、自分よりも大切だと思える存在をどうやって守っていくか。自分の身を削ってこの存在をどうやったら守れるかを考えながら、猛スピードで前に進んでいるイメージで作りました。

Q.「暗闇に差し込む真っ直ぐな一筋の光のような願いを『Ray of Light』の歌詞に込めた」そうですが、安田さんご自身は、絶望の中に光を感じた経験はありますか?

安田:絶望の中に入ってしまうのも、きっかけは人間だし、絶望の中に光をくれるのも人間だなと思って。人間ってなんなんだろう?(笑)。いい方向に行くのも、悪い方向に行くのも、結局全部に人間が絡んでいると思うのですが、そういう時に近くにいる大親友やスタッフさんにいつも光を当ててもらっています。私は人に光を当てるのは得意なのですが、その光を自分に向けることはできなくて。人に光を当てながら枯れていく瞬間があるのですが、そういう時に誰かの光をもらっているから枯れずにいられたんだと思います。助け合いの心なのかな(笑)。誰かのためには頑張れるけど、自分のためにはフルパワーを出せないな、という時があるので、そういう時は周りの人に助けてもらっています。へこむというか、何も見えなくなる瞬間があるというのは生きている証なので、そういう時に「助けて」と言える人でありたいです。
【挿入歌PV】『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』1月26日(金)劇場公開

Q.『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』の本編を観ていかがでしたか?

安田:試写会で劇場の大きなスクリーンで観て、大号泣しました。自分の声がスクリーンの中に存在しているのが信じられなくて、いろんな気持ちになりました。本当に大好きな作品です。

Q.劇場版のお気に入りのシーンについて教えてください。

安田:響が娘のミライに語り掛けるシーンがグッときて、涙が止まらなかったです。

Q.「Ray of Light」はどんなシーンで流れるのでしょうか?

安田:アクションや臨場感のある壮大な映像の中で「Ray of Light」が爆音で流れます。映画館の大きいスクリーンでみんなに観てほしいです。

Q.高橋文哉さん演じる大和や堀田真由さん演じる葵など、劇場版から新たに出演するキャラクターもいます。安田さんイチオシのキャラクターについて教えてください。

安田:葵は、ドラマ版に登場した中条あやみさん演じる来美と重なる部分があって。こういう人間になりたいと思う要素がこの2人にはすごくありました。争いを嫌うというか、なるべく一人でも多くの命を守りたいという気持ちが葵にも来美にもあります。来美のほかにも同じ心持の人物が登場するのですが、全員が来美と重なって。優しさにあふれていて、人に寄り添う心が美しくて。私もこんな人間になりたいと思いながら作品を観ていました。
Q.esshimoさんとコラボしたジェルネイルシール2種をデザインし、「Ray of Light」のMVでも着用されたそうですが、どんなイメージで製作しましたか?

安田:爪に貼ってライトで硬化させるネイルシールなのですが、「Ray of Light」のテーマで作りたい、「きみセカ」の世界観を表現したネイルデザインにしたいと思って。「EN042 Midnight Storm (ミッドナイトストーム)」は、黒やシルバーなどかっこいいトーンで作りました。デザインも一から考えて、いろんなものを組み合わせました。実は私が染めたタイダイのTシャツをそのままスキャンしていて、なかなか珍しいネイルの作り方だと思います。ゴーレムとか戦いとか闇の中で光を探しているニュアンスをネイルで表現できたらと思ってデザインしました。全部が真っ暗ではなく、キラキラしているものや、メタルっぽいものものせているので、ジェンダーレスでたくさんの方につけてもらえたらと思います。

Q.カラフルな「EN041 Rebloom(リブルーム)」のデザインは、何をイメージしましたか?

安田:タイダイが大好きでよく染めているのですが、こちらのタイダイも自分で持っていた服を、自分で絞り染めしたものをそのままスキャンしています。こちらは「Midnight Storm」とは真逆の世界観。赤や黄色、春とか新しい始まりというイメージです。

Q.安田さんは、クール系とカラフル系どちらがお好きですか?

安田:どっちもなんですよね(笑)。洋服やメイクなど、日によって全然テンションが違います。それが楽しいですね。自分はこれだとこだわってやっているのもかっこいいですが、いろんな自分がいたほうが面白くない?、と私は思います。私自身その時の季節や気分でいろいろネイルを変えているので、両方のデザインのネイルをみんなに使ってもらえたら嬉しいです。
安田レイ「声のカケラ」アニメ『烈火澆愁』コラボMusic Video

Q.EP収録曲「声のカケラ」は中国アニメ「烈火澆愁」のエンディングテーマとして書き下ろししたそうですが、作詞の際にどのようなことをイメージしましたか?

安田:書き下ろしをする時に、自分と重なる部分を探すようにしていて。この作品の中では、過去と現在の繋がりがストーリーのキーになるのですが、そこから着想を得て、「記憶」をテーマに歌詞を書いてみたいと思いました。歌詞を書きながら、記憶って曖昧だなと改めて思いました。3年前の今日何をしていたかなんて、パッとわからないじゃないですか(笑)。でも過去にもらったいろんな言葉があったから、私は今ここにいるなと思ったんですよね。いい言葉も悪い言葉も、それを聞いて自分で選択してきたな。優しく手をさし伸べてくれる声もあったし、振り回す言葉もあったけど、一つ一つの言葉にありがとうと言いたいな、と思いました。夜考え事をしている時など、ふとした瞬間に思い出すんですよね。「今この仕事をできているのは、あの時あの人の言葉があったからか。ありがとう」と思って、ちょっと気持ちが楽になったり。何年たっても寄り添ってくれる言葉が自分の中にあって。そんな優しい言葉を思い出すきっかけになればと思いながら歌詞を書きました。

Q.「迷う日も笑う日も一つ一つ重なり」という歌詞が印象的で、曲調もゆったりして、聴いていて過去を振り返りたくなりました。

安田:忙しく生きていると、なかなか優しい気持ちになるのが難しいですが、音楽を聴いていると自然と優しい気持ちになったり、燃えてきたり、人の感情を揺らすことができると思います。この曲を聴きながら優しい気持ちになって、優しい言葉をみんなが思い出してくれたらいいなと思います。

Q.「声のカケラ」のメロディ、全体の世界観、歌い方などで、特に注目してほしいポイントはどこでしょうか?

安田:「Ray of Light」は本当に強さというところにフォーカスして歌っているのですが、声のカケラはやはり優しいニュアンスで歌いたいと思って。すごく柔らかい言葉がたくさん登場します。「Ray of Light」からの「声のカケラ」でガラッと世界観が変わるので、この2曲をぜひ続けて聴いてほしいです。

Q.「烈火澆愁」には人気声優の方々が日本語吹き替えで多数出演されていますが、イチオシのキャラクターについて教えてください。

安田:羅翠翠(ルオ・ツイツイ)です。植物の特殊能力が使えるキャラクター。本人は「何の役にも立たない」と言っているのですが、手から植物が出せて相手を傷つけることなく、相手を癒しながら自分も癒せる。私もその力が欲しいと思います。植物が大好きで家でも育てているし、お花もよく飾っているので、自分の手から薔薇が咲いたら毎日幸せな気持ちになるな、いいなと思いながら観ています。

Q.中国アニメの魅力について教えてください。

安田:日本のアニメはたくさん観ているのですが、中国の作品は初めて観たんですよね。「烈火澆愁」のイメージで言うと、絵が結構クールな印象があります。目の作りがキリッとしていて、クールビューティーだと思いました。日本のアニメと雰囲気が違って面白いなと感じます。Q.EP収録曲「Turn the Page」のメロディ、歌詞、全体の世界観、歌い方などで、特に注目してほしいポイントはどこでしょうか?

安田:去年10周年ライブをビルボードでやらせてもらったのですが、その時にアンコールをいただけたら歌いたいと思って作った曲です。サポートメンバーのクレハリュウイチさんと一緒に作ったのですが、10周年を迎えられてありがとうございますという気持ちと、ライブで盛り上がる曲にしたいというのと、私にとっての音楽は、ライブは、みたいなところも入れながら歌詞を書きました。誰も知らない「Turn the Page」をいきなりビルボードで歌ったのですが、みんなで一緒に歌うパートを作って。誰も知らない曲なのに、いきなりやらせるという(笑)。2部制だったのですが、1部で聴いてくれた方もいて、2部目はみなさん声を出してくれましたね。やはりライブってこうだよね、と思ってすごく楽しかったです。ファンのみなさんと一緒に、一つの塊になる、声を出し合うみたいな曲をもっともっと増やしていきたいと思います。レコーディングもいろいろ実験して、コーラスも遊びながらやったので、楽しい思い出がたくさんあります。

ビルボードでは「dalalalalalalalala」の部分をシングアロングして、そんなに簡単なメロディーラインではないので、なかなか歌いづらいと思ったのですが、みなさんの愛情のおかげで一つになれました。

Q.「Turn the Page」には「ページをめくるように新たにスタートする、気持ちを切り替える」という意味があります。安田さんご自身が、今年新たに始めたいことについて教えてください。

安田:去年香港でライブをやらせていただいて、海外でのライブって楽しいなと思いました。世界の方々が自分の曲を聴いてくれているんだという驚きがすごくあって。みんなアニメや映画が好きで、日本の文化が世界のいろんな人に愛されているというのが伝わってきて、幸せな気持ちになります。今年はいろんな国に行って、いろんな場所でライブをして、音楽でつながっていける1年にしたいです。

Q.特に行きたい国はありますか?

安田:メキシコです。日本の文化が好きな方が多いと噂で聞いていて。街の雰囲気や匂いも日本と全然違うだろうし、メキシコの色彩感覚が好きで、ブリキで作るハンドメイドの壁飾りも大好きです。メキシコの街の中に入って、そこでライブができたら最高だなと思います。
安田レイ – Not the End | With ensemble

Q.EPには「Not the End」「Circle」のオーケストラバージョンも収録されています。「Circle」はもとの楽曲と雰囲気が違って聞こえますが、アレンジされた楽曲を歌ってみていかがでしたか?

安田:オーケストラの中で歌うのがずっと夢だったんです。「うわ、かっこいいな。別の曲なのかな」と思うくらい世界観が変わるし、弦やピアノの音など、いろんな音が重なる中に入りたかったので、今回このお話をいただいて本当に嬉しかったです。やってみて、オーケストラの音の中で歌うのってとても難しいんだなと思いました。いつもドラムやリズムに耳が行っているのですが、今回オーケストラの中にリズムを感じる楽器がない状態で歌ったので、本当に難しかったです。音に合わせて体と喉と心が、いつもと違う動きをしているなと思い、いろんな新しい発見がありました。ほぼ一発撮りだったので、すごい緊張感、張り詰めた空気の中で、「みんなで集中していいものを作ろうね」と心がつながっているのを感じながら歌いました。

Q.InstagramやXなどのSNSで、ファンの方からの反響を目にする機会も多いと思います。ファンの方から言われて嬉しかった言葉について教えてください。

安田:よくエゴザーチをしています(笑)。曲を作った者としてみんなの反応が気になります(笑)。どういう時に曲を聴いているんだろうとか、一つ一つみんなの反応を見て、また次の作品を作る時の参考にしたいな、と思って見ています。「きみセカ」ファンの方から「きみセカと言えば安田レイさんですよ」みたいなコメントをもらうと「ありがとう!」と思うし、みんなの一言一言がガソリンになっているので、すごく嬉しいです。

今年の目標がもう一つあって、「安田レイハマりそう」と言っている人を「安田レイハマった」に変える一年にしたいです(笑)。「ハマりそうなんかい!ハマってはないんかい!」とツッコミをしたくなります(笑)。みんなをハマらせたいですね。

ありがとうございました。

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[プロフィール]
安田レイ
1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州生まれ。
3歳で日本ヘ。10歳の頃、母親が聴いていた宇多田ヒカルに衝撃を受けてシンガーを志す。13歳で音楽ユニット『元気ロケッツ』に参加。2013年、「自身の歌声をもっともっとたくさんの人々の心に直接届けたい』という強い想いを胸に、同年7月シングル「Best of My Love」にてソロデビュー。その後も、ドラマやアニメ主題歌、CMタイアップ曲など、話題の楽曲を次々とリリース。2015年11月にリリースした「あしたいろ」は、TBS系ドラマ「結婚式の前日に」主題歌として共感を呼び、その年の活躍が認められ、「第57回輝く!日本レコード大賞」新人賞も受賞。2021年2月リリースの「Not the End」が、日テレ・Hulu共同製作ドラマ「君と世界が終わる日に」挿入歌としてオンエア。各配信サイトのチャートで上位にランクイン、自身最大の配信ヒットとなる。3月にはアーティストの一発撮りを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」にも出演し、その歌声に高い評価を受けた。2021年11月リリースのEP「It’s you」では、JQ from Nulbarich、TENDRE、tofubeats、HZETTRIOとコラボレーションが話題となる。2023年3月にはアルバムタイトルを冠した東名阪ライブハウスツアーを開催。
Q.esshimoさんとコラボしたジェルネイルシール2種を…
Q.EP収録曲「Turn the Page」のメロディ、歌詞、全体…
<安田レイ>
オフィシャルHP:安田レイ オフィシャルHP
YouTube: 安田レイ Official YouTube Channel
X:@yasudarei
Instagram: @yasudarei
新譜概要
【New E.P.「Ray of Light」】
リリース日:2024年2月7日(水)

■初回生産限定盤:VVCL-2413〜2414
価格:6,000円(税込)
Blu-ray付き二枚組、封入ポスター、豪華デジパック使用、フォトブックレット(16P)

■通常盤初回仕様:VVCL-2415
価格:1,500円(税込)
アニメイラスト使用のワイドキャップステッカー仕様

https://reiyasuda.lnk.to/Pllk96

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